第六部 ブース展開 構成
6- 1. ◆ ブース展開
6- 1- 1. ブース展開の切り口
6- 1- 2. 待機・出迎えからフィニッシュまでのブース展開の考察
6- 1- 3. 85~90パーセントのお客をターゲットにしての出展戦略を基軸にして、展示会のメディア特性・強み・特徴を活用する出展のあり方が求められる
6- 1. 4. 買う気になってやって来るお客と、やって来て買う気になったお客
6- 1- 5. 買う気になってやって来るお客への対応
6- 1- 6. 展示・陳列コーナーへ立寄らせる
6- 1- 7. ブースに立寄らせて、商談に応じてもらうまでに打つ手
6- 1- 8. 立寄りスペースと待機要員数の関係コントロール
6- 1- 9. 引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する目的の出展は、極めて生産性が低い
6- 1-10. 需要を自発的に直接創り、その営業スタイルが農耕型のBtoB企業が出展する開催展示会の、出展スタイル概要と生産性の高いブース展開の着眼
6- 1-11. もてなし
6- 1-12. 240分間の会場滞留中、ブースに立寄ってもらって商談に応じてくれなければ、出展の成果につながらない
6- 1-13. 新規客を増やそうとして既存顧客を減少させていないか。中期マーケティング戦略の成果を軽視して短期決戦型の販売では大損する
6- 1-14. ブース平均滞留時間 4~7 分間くらいのなかで、不確実な新規見込み客を対象に、主催者やオーガナイザーが推奨する商談が成立できるのか
6- 1-15. 商談は10分間で成立できるか
6- 1-16. 展示会に出展するだけでは結果は、それなり
6- 1-17. ない・ない・ないの出展準備
6- 1-18. 成功と失敗および出展の効果測定は実施すべきでない
6- 1-19. ROI(投資効率)「1」を得るため一日何人(社)ブースにお客を立寄らせるか、の試算
6- 1-20. 条件を整えて安定したROIを生む準備で臨んだか
6- 1-21. 売り急ぎ、単に先取りの「販売や契約など商談目的の出展」の効果はスモールで終始する。出展の目的を短期決戦型にすると大損する
6- 1-22. 出展ブースはプラットホーム
6- 1-23. 必須20のブース展開構成と外せない手順
6- 1. ◆ ブース展開
6- 1- 1. ◆ ブース展開の切り口
ブース展開構成など企画準備で欠かせないことは、限られた時間を基準に、画一した展開構成で組み立てることが望ましい。
ブース前を川のように流れている来場客を集客して、釘付けにしプールして、アピール後、ブースの商品展示コーナーに引き寄せて、コンタクト(接客)し、ポイントを衝いた商品(製品・サービス)説明ののち、見込み客に商談を持ち掛け、クロージングの後フィニッシュワークとなるその原型スタイルは、通常のビジネスステージにおける営業活動でのセールス展開を参考にしてのものとなる。
となれば、日常の営業活動でのセールス展開の見直しであるが、アプローチしてから成約に至るまでの展開凝縮して、この展開を会期中のブースにて実現可能となるよう構築しなければならない。
例えば、ブース前の来場客を集客してアピールするまでを10分間と設定したとすれば、触発された立寄り予定客は10分間ごとにブース内に入ることになる。それを受けての、商品展示コーナーに立寄ったお客に足早に「いらっしゃいませ」と寄り添い、見ていた商品の優れた機能(セールスポイント)を説明して、お客が立ち去ろうとしたとき「詳しいことはここに書いてありますから、どうぞ」と、印刷物を手渡し、見込みのありそうなお客に手見上げ・ノベルティ・記念品などをプレゼントして「ありがとうございました。宜しくお願い致します」で送り届けているシーンを一つの開催展示会で極めて多く見られるが、これはここでいう「ブース展開」とは呼ばない
6- 1- 2. 待機・出迎えからフィニッシュまでのブース展開の考察
会期初日の開場の案内が館内スピーカーで知らされてからのち、出展者は配置に付いて、待機し、出迎えの態勢をとる。
出展者にとって、開催された展示会で会期中の始まりのほとんどはここからである。出展企画で設定したメインターゲットが既存顧客の招待客のみであれば、ここからブース内活動は始まる。
メインターゲットを来場客に求めるには「呼び込み」からとなる。
多くの出展者が、これができていなくて、いきなり待機し、出迎えの態勢をとるから、どこの開催展示会でもおよそ87パーセントの出展者は、お客のほうから立寄ってくれるものだと思い込んでいて、このスタイルと化している。
主催者などが告知して会期中の開場にわんさか引き寄せた来場客は、産業、市場、業界を同一もしくはほぼ同一であるから、お客のほうから立寄ってくれると早合点するのは無理もないことであるが、このスタイルでの出展経験者のほとんどは、期待外れを実体験して終えて、後任者も後輩も同じことを繰り返している。
☑ 会期中にブースに立寄ったお客は、総計何社(人)であったか
☑ その内見込み客と想定できるのは何社(人)か
☑ 会期後アプローチしたのは何社(人)か
☑ その結果売りの見込みがついたのは何社(人)か
☑ 受注したのは何社(人)か
☑ 受注して得た利益は投入した手間・時間・コストを上回る利益であったか
☑ 会期後半年間あるいは一年間で、出展に絡んで他に何か寄与・貢献できたものはあったと言えるか ・・・
☑ 何のための出展であったか
早い段階で、立寄らせる工夫を企画して負のスパイラルを生じさせないようにしなければ、初めのここから成果(目的・目標)を著しく失ってしまっていて、損害は甚大である。
☑ このことに経営者や経営管理者は気づいて対策を講じるべきではないか
来場者も、せっかくやって来たのにもかかわらずチャンスをつかむことができずに終わっている。
この点は、主催者やオーガナイザーはもっと踏み込んでいかないと開催展示会は活気を失い、やがて来場者数が減少して、衰退の一途を辿ることとなる。
さて次に、出展者ブースに立寄ってくれたお客に接客担当者がアプローチする段階でのことであるが、
☑ この後からフィニッシュまでのシナリオは描かれているか
☑ 要るとすればそれは、何分間構成で設計し、アプローチ~フィニッシュワークまで、どのような展開か、
☑ それぞれの時間配分と接客担当者体制はどのように組み立ているか
そしてまた
☑ そのシナリオは、事前にトレーニングするなど、関与者全員が共通認識で臨んでいるか
6- 1- 3. 85~90パーセントのお客をターゲットにしての出展戦略を基軸にして、展示会のメディア特性・強み・特徴を活用する出展のあり方が求められる
85~90パーセントのお客は情報収集目的で来場しているこの数字は、BMAの調査結果データだが、悉皆調査ではないから、すべての開催展示会に当てはまるものではなく、調査を終えて月日が経っているので、変化はあるかもしれない。
しかし、経済産業省の『展示会産業概論』にも記載があるように、日本で開催されている展示会は、「情報収集目的の来場者」が大半で、この特徴は今後変わらないと思われる。
この大半の「情報収集目的の来場者」とのコンタクト(接客)で、ビッグな成果(目的・目標)を得る
「会期が短い」という展示会の限界特性を好転させる必要があることは、「ブース展開のすべてを非日常の商空間で徹底する」内容の項目で触れたが、あくまでもこれは会期中でのことで、
好転させる切り口の一つは会期前で、さらにもう一つは会期後の切り口となる。
事前プロモーションを展開し、前夜祭を経て、会期中のさばき方をスマートに展開しつつ、ビッグビジネスに向けて足掛かりのプラットホームのブースから会期後の商機にブリッジング。このプランの成果を最大化するため、如何に多くの自社商品(製品・技術・システム・サービス)にとって質の高いお客をブース内でスマート展開するか、となるが、会期後は半年間くらいかけて成果を出す、という意味では、出展を基軸にして通常のビジネスステージにおける活動とどのように複合的に絡めると良いか、を基底に置くべきとなる。
その基底には、「セールスの命題」が社長から一兵卒まで串刺しして片時もわすれてはならないし、この「セールスの命題」を支える「ビジネスに勝利する5つのエレメント」が出展の目的にリンクされる。
基本的な考え方として、商品(製品・技術・システム・サービス)の年間販売量はほぼ見えていて変わらず、その先取りをブースで行ってはならず、つまり、売り急ぎしたところで何の利益も余分に生まないことに気づくべきである。
想い出すべきである、(日本の)開催展示会は、現在と同じように情報収集目的の来場者をターゲットに、産業振興の展示会と位置づけてきた。このスタイルは、堅持していかなければ、展示会は育たない。育たない展示会は魅力がないから、「次回も来たい」とは思わない。「ヒトはなぜ集まるか」の要因の一つは「非日常」の場、つまり「ビジネスの祭典」だからである。
そこにはシンボルマーク、シンボルタワー、シンボルゲート・音響・照明の演出に加え、祭事、イベント、アトラクションを織り交ぜながら、視認率を先ず高め、希少性・特別性・祝祭性・文化性・賑々しさ・独自性の空間で、新しさ・意外性・共感性を、セクシャアリティ性・インパクト性・エキサイトで訴求し、わくわくドキドキさせ、お客の主体性・参加性で展開して学習効果を高める ・・・ これらのない開催展示会は確実に衰退する。
ブースコーナーのマグネットスポットに、単位時間内目標集客数(適正員数)の来場客をプールし釘づけ、アピールして、見せて聞かせて感じさせ、商品陳列コーナーへと誘い込み、・・・ フィニッシュワークで締めくくるまでの一連の活動を、ブーシング(出展効果をフルに発揮して、大きな出展成果(目的と目標)を導き出す出展マーケティング)サイクル、すなわち単位時間(適正所要時間)内で瞬発的に一気呵成に、繰り返す ・・・ etc.
展示会とは何か。130くらいの切り口で語れる。展示会の本質は何かの25テーマを徹底的にマスターすべきである。
それに関連して、このような展示会づくりをするには、260余の展示会ならではのメディア特性と、48もの制約特性、これらを活用することで「展示会および出展特有の考え方、出展ならではの展開を踏襲するからこそ展示会パワーが発揮される。ことを知るべきである。
そのうえで、推進プロジェクトの体質と体力を強化して、各担当の適性能力も高めることになる。適性能力は、知識と経験とスキルをアップしたうえで、達成意欲(モチベーション)も高め、役割が果たせられるようにして編成である。
・・・ このように列挙していけば、解決しなければならない課題が未だ生まれると思うが、いづれにしても「仕事する」とか、「ちゃんとやる」というのはそういうことである
6- 1- 4. ◆ 買う気になってやってくるお客と、やって来て買う気になったお客
買い手側から言えば、「購買や契約など商談目的の来場客」、売り手側で言えば「販売や契約など商談目的の出展者」、すなわち「購買行動や購買予定行動を起させる対象のお客」が少なからずやって来て、ブース前通路を川のように流れて来る。
もちろん、買う気のない来場客に混在してのこととなる。
自社ブースを目掛けて買う気になってやってくるお客は、迷うことなく入ってくる。
それでも最初は、商品(製品・技術・システム・サービス)展示コーナー前でしばらく佇む。このパターンが一般的である。
顔見知りでなければ、我慢してお客が声をかけて来るまで待つ。
買う気になってやってくるお客には、販売力の高い担当者が当たること、だ。お客は売り手の実力を読み取るのが早い。購入しての至福の充足感を味わうため、相手選びをするものである。相手が気に食わないと判断すれば容赦なく立ち去る。そして、競合他社ブースへ行くものである。
新規見込み客のばあい、お客の購買心理を先ず探る。
購買心理は、「注意を喚起する」という段階から始まって、「購買行動や購買予定行動を起す」まで、幾段階ものステップを踏むことが多い。そのステップを省略することもあるから、お客の購買心理を瞬時に読み取り呼応する必要がある。会期中は購買行動に至らず、購買予定行動を起して立ち去るお客も居る。全体的にはこちらの員数のほうが多い。
お客の関心事は何か、ニーズの強弱はどの程度か、買いたいと思っている商品(製品・技術・システム・サービス)や販売企業にたいする期待度というものが、どの程度であると思われるか。喫緊性が高いという位置づけか。ポテンシャルをどう読むか。購入に向けての緊急性はその場であるか、それとも会期後を商機と位置づけているのか。お客の買い求めたいと思っている重要度をどう量るか。そのお客は購買決定権者であるか。それとも使用・利用・活用・消費の当事者か。その部署の責任者か。バジェット規模や支払い条件はどうかetc.売買成立に向けてヒアリングを織り交ぜてのことになる。
さて、購買心理のステップのことであるが、
ヒトは目的で行動するから、出展者側からの触発がなければ、自社ブースへの「注意喚起」はない。ではどうするべきか。その答えは、自社ブース存在感アピール行動。アピールが無ければ見落とされる。「見えないものは売れない」。行動の目的を変えさせるには「誘目へとつなぐ」仕掛けを必要とされる。
つまり、誘目へとつなぐために、仕掛け人の出展者は、「視認率」を高め、「目立たさせ」、「誘目率」を高めることを能動的に行わなければ、ヒト(ブース前通行客)の行動を替えられないことが大半の結果となって、ブース前素通り率が高まるが、その分、ブース立寄りの客数が稼げないことになる。
☑ では、「視認率を高め、目立たさせ「誘目率」を高め、ブース立寄りの客数を計画どおり確保するには、ブースのどこでどのようなことを行えば良いか
☑ 新規見込み客をブース前で集客するばあい、これらの仕掛けを施さないかぎり、立寄りは期待外れに陥る。では具体的にどうするか
一般に、購買行動のステップは、「注意喚起」、「興味・関心」、「理解」、「連想」、「確認」、「願望」、「欲求」、「記憶」、「比較検討」、「選択」、「絞込み」、「了解」、「商品と無言の対話」、「見直しと心の整理」、「納得」、「確信」、「購買予定行動または購買行動」の轍を踏む。
欲しいと思ったところでは買おうとはしない。理解しても買わない。了解しても買わない。お客はそうしたものである。しかし、手順に沿って丁寧に、誠実に、お客のために熱心に努力することで、「購買行動や購買予定行動を起させる」ことになる。
この「注意喚起」~「購買予定行動または購買行動」までのステップのつど、特徴的に感情をむき出しにするもので、それを読み取れば今どのフェーズかが判明する。判れば、次なるテーマは何かが読めて来る。この購買心理の機微に触れることによって、商談を創造的・有効的・効率的に進めることができる。だから、結局、生産性の高い商談となる。
☑ では、フェーズごとに見える購買心理の言動を把握したうえで踏襲しているか
6- 1- 5. ◆ 買う気になってやって来るお客への対応
買い手側から言えば、「購買や契約など商談目的の来場客」、売り手側で言えば「販売や契約など商談目的の出展者」、すなわち「購買行動や購買予定行動を起させる対象のお客」が少なからずやって来て、ブース前通路を川のように流れて来る。
もちろん、買う気のない来場客に混在してのことである。
自社ブースを目掛けて買う気になってやってくるお客は、迷うことなく入ってくる。
それでも最初は、商品(製品・技術・システム・サービス)展示コーナー前でしばらく佇む。このパターンが一般的である。
顔見知りでなければ、我慢してお客が声をかけて来るまで待つ。
買う気になってやってくるお客には、販売力の高い担当者が当たること、だ。お客は売り手の実力を読み取るのが早い。購入しての至福の充足感を味わうため、相手選びをするものである。相手が気に食わないと判断すれば容赦なく立ち去る。そして、競合他社ブースへ行くものである。
新規見込み客のばあい、お客の購買心理を先ず探る。
購買心理は、「注意を喚起する」という段階から始まって、「購買行動や購買予定行動を起す」まで、幾段階ものステップを踏むことが多い。そのステップを省略することもあるから、お客の購買心理を瞬時に読み取り呼応する必要がある。会期中は購買行動に至らず、購買予定行動を起して立ち去るお客も居る。全体的にはこちらの員数のほうが多い。
お客の関心事は何か、ニーズの強弱はどの程度か、買いたいと思っている商品(製品・技術・システム・サービス)や販売企業にたいする期待度というものが、どの程度であると思われるか、ポテンシャルをどう読むか、購入に向けての緊急性はその場であるか、それとも会期後を商機と位置づけているのか、お客の買い求めたいと思っている重要度をどう量るか、そのお客は購買決定権者であるか、それとも使用・利用・活用・消費の当事者か、その部署の責任者か。
では、購買心理のステップのことであるが、
ヒトは目的で行動するから、出展者側からの触発がなければ、自社ブースへの「注意喚起」はない。ではどうするべきか。その答えは、自社ブース存在感アピール行動が結果、「注意喚起」となる。自社ブースに近づいて来た時点の仕掛けの一つは、「視認率」となる。行動の目的を変えさせるには「高い視認率」。「見えないものは売れないか、もしくは買いづらい」から、目立たさせ、誘目へとつなぐ。
つまり、誘目へとつなぐために、仕掛け人の出展者は、「視認率」を高め、「目立たさせ」、「誘目率」を高めることを能動的に行わなければ、ヒト(ブース前通行客)の行動を替えられないことが大半の結果となって、ブース前素通り率が高まるが、その分、ブース立寄りの客数が稼げないことになる。
☑ では、「視認率を高め、目立たさせ「誘目率」を高め、ブース立寄りの客数を計画どおり確保するには、ブースのどこでどのようなことを行えば良いか
☑ 新規見込み客をブース前で集客するばあい、これらの仕掛けを施さないかぎり、立寄りは期待外れに陥る。では具体的にどうするか
6- 1- 6. 展示・陳列コーナーへ立寄らせる
基礎小間(ブース)のように小規模の場合、展示・陳列コーナーが通路に面しているが、例えばステージがあって、そこでパフォーマンスの実施で呼び寄せている場合は、その背後に展示・陳列コーナーを設けている。
この場合、ステージパフォーマンスの実施目的は、終了後展示・陳列コーナーが通路に誘い込みにある。そうしないと始まらない。
☑ 確かにステージパフォーマンスの結びに、「展示・陳列コーナーへ立寄らせるトーク」を用いて、促しているケースがあるが、実際に質の高いお客を立寄らせているだろうか
ステージパフォーマンスが目的化して、促し方の工夫が足らないため、終了後ステージ前から立ち去るお客が多いとすれば、ロスを生じさせている。
小規模出展者も同様で、素通り率が多くて、展示・陳列コーナーへ質の高いお客を立寄らせられなければ、何の成果も生まない。
待っていても入って来るお客は少ないし、ましてや質の低いお客が立寄って、説明を進める過程でそれに気づいたのでは、収穫はない。
☑ 展示・陳列コーナーへ立寄らせるにはどうするか
考え抜かなければ、元の木阿弥で終わる
6- 1- 7. ブースに立寄らせて、商談に応じてもらうまでに打つ手
引き合いや成約の見込みを得るには、展示会出展で商談すれば解決するものではない。
顧客の気持ちを個別に正確につかむ必要がある。
展示会に出展してブースを構えれば売れると思ってはならない。
売上さえ上げればよいという発想では売れない。
モノを売り切ろうと、それだけしても、売れるものではない。
見て、聞いて、触れての商品(製品・技術・サービスなど)の認知度がなければ売れない。
価格を競合他社よりも下げれば売れる、というものではない。
新規見込み客獲得に専念しすぎたのでは、足元をすくわれる。
市場ニーズや顧客市場ニーズとウオンツのバランスが成立しなければ売れない。
このニーズやウオンツが潜在化されたままで、顧客が望んでいることをイメージできていないお客にセールスアプローチしても売れない。
個別の見極めで顧客が望んでいることを本当に理解しなければ、話を前に進めても頓挫する。
商品(製品・技術・サービスなど)の優秀性が卓越していても売れない。
価格を上げれば売れるとは限らない。
価格を上げれば利益が上がるほど、単純でない。
そもそも顧客は、売手の商品機能の優れたことなどの説明は聞いていない。
その把握の下に、ターゲット顧客を明確化しなければ商談は前に進まない。
個別の見極めで顧客が望んでいることにたいする具体的な解決策の提案にベネフィット(利益・恩恵・メリット・期待どおりの満足・利便・便益)を添えて示しサポートは欠かせない。
この提案とサポートにたいし、ターゲット顧客が了解してくれなければ売れない。
顧客は販売行為を理解したり了解しても購買行動や購買予定行動を起すものではない。
納得し、比較し、考え直して相談し、確信を得て購買行動や購買予定行動を起す意思決定しなければ引き合いや成約の見込みには至らない。
etc.
これだけ解決しておけば引き合いや成約が成立するものではなく、上掲のこれをせずには、出展成果は期待できない。
引き合いや成約の見込みを創造的に有効的に効率的に得るため、①環境分析②ターゲットの特定③マーケティングミックスの策定④アクションプランづくり⑤アクションプランの実行などを出展前に完了して出展している出展者が結果邪魔して、引き合いや成約の見込みに至らない危惧はないと言えるか。
通常のビジネスステージでの営業活動において、引き合いや成約の見込みを創造的に有効的に効率的に実施することを前提にして描いた販売(セールス)のシナリオを、出展ブース立寄り客にアプローチして引き合いや成約の見込みを獲得するシーンを描きつつ、会期中に売りの完結を目指さずに、開催展示会に出展して何が実現できるか、何をすべきか、最低何をどれだけ達成するかなど再考に再考を重ねてみなければ、投入する手間・時間・コストのすべてを失うことになりかねない。
少なくとも「開催展示会に出展してバイヤーを対象に引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する」ことに終始したのでは、結果の出ない無限サイクル化を徒に繰り返すだけの、負のスパイラルに陥る可能性が極めて高い
6- 1- 8. 立寄りスペースと待機要員数の関係コントロール
☑ 説明を分かり易く例えると、待機要員が 3名立っている間口 1.8メートルのブースに、お客一人立寄れるか
☑ 待機要員が 2名立っている間口 1.8メートルのブースに、お客は何人立寄れるか
☑ 待機要員が 1名立っている間口 1.8メートルのブースに、お客は何人立寄れるか
☑ ブース前通行客が、間口 1.8メートルのブースに、立寄り易いスペースを常時つくり出し、無駄な空き時間をつくらないコントロールに応じて、待機要員つまり、待機後コンタクト(接客)する要員のブース内外でどのように振舞えばスマートか
☑ この間口 1.8メートルのブースを基底にして、小間サイズに合った「立寄りスペースと待機要員の員数」を計測しコントロールしているか
6- 1- 9. 引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する目的の出展は、極めて生産性が低い
開催展示会の主催者およびオーガナイザーは多くの来場者を呼び込むことを強く意識している。それに呼応してお客はわんさとやって来る。
別項で紹介したように、 日本で開催されているBtoB開催展示会の来場者総数で、10万人以上は全体の16%、 5万人以上~10万人未満は、23%、 3万人以上~ 5万人未満は、19.4%。 … 平均は 25,000人であるという。
展示会に出展する生産財のBtoB企業からすれば、会期 3日間で、これだけの来場者が来るのであるから、この数字を見る限り、魅力的である。
これだけの客数であるから、商談件数も大いに期待が持てると思われることから、出展の目的を「引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する」のは、理解できる。
しかし、「引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する」目的の来場者は決して多くはない。主催者に問い合わせれば、調査結果を教えてくれるであろうから、参考にしたいのであるが、それはそれとして冷静に考えれば、BtoBにおいて、開催される会場を中心にして地域内に想定できるターゲット顧客総数にたいし、会期が3日間で、全社が来るとは断言できないことから、自社が出品する商品(製品・技術・システム・サービス)の見込みターゲット顧客は、かなり限定されるのではないか。
主催者が呼び寄せる来場者数の限界は、上記に示した員数であり、それも可成りフラットな客層とならざるを得ず、当然ながら、出展者個々にとっての出品メイン商品の見込みターゲット顧客に絞った集客などできないのであるから、安直に「引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する」目的の出展は、生産的とは考えにくい。
と言いながらも、何%かあるいは何社かは、「引き合いや成約目的」でやって来る見込み客も居るかもしれないから、その対応の準備はして置かなければ、競合他社に奪われる恐れがある。
話を戻すと、大半の退場者は、「情報収集目的」であるようであるから、出展の目的はこの見込みターゲット顧客にたいし、コンタクト(接客)して、ビッグなビジネスになることを考えた方が賢明である。
だが敢えて言うと、質の高いお客の集客を主催者任せにせずに、自社が事前活動で来場促進を図る計画は是非とも実施したいところである。
ブース前に常に多くのお客が立ち寄っている出展者ブースでヒアリングすれば容易に判明することであるが、どの出展者も共通していたことは、事前に集客していた。広報しかり、プロモーションしかり、販売活動の延長しかり、そして既存顧客の招待もある。
よくよく考えて見れば、消費財の BtoCであれば、投網式もあるだろうし、むしろそちらの方が効率的であろうが、生産財のBtoBは、一本釣り。
会期中の展示会のブースという特別の場に招待して、「引き合いや成約目的」のお客と「情報収集目的」のお客を対象にして、限られた日数と時間のなかで実施展開することで結果、投入した手間・時間・コストを遥かに上回る成果(目的・目標)を休憩することなく収獲するにはどうすれば良いかを考えなければならない。何故なら、そうしなければ収穫は根こそぎ競合他社に持って行かれるのが展示会であるからである。
6- 1-10. 来場者総数の13%くらいは市場における支出配分総額の担い手とその見込み客という捉え方
だが、見失ってはならない重要なテーマが、この会期中のターゲット顧客3,210人(一日当たり、1,070人×3日間)に隠れていることに着目しなければならない。
つまり、三日間の3,210人は、自社周辺市場を構成する支出配分総額の担い手とその見込み客であるということに、展示会の主催者もオーガナイザーも出展者も関係者も着眼しなければ、展示会を開催している意味も価値も成さない点に、である。
展示会を開催している価値の源泉はここにあるという認識を全員持つべきである。
展示会という比類のないツーウエイ・コミュニケーションメディアで、この出展企業が三日間直接コンタクト(接客)するメインターゲットが3,210人。
一人ひとりにたいし、ていねいなもてなしが必要であり、この人たちによって市場規模は拡大し、出展企業の通常のビジネスステージにおける活動において、展示会で共創された大きな集積メリットのシェアリングに影響をもたらす大切なターゲット顧客であるから、出展各社はこぞって、この顧客は招待しなければならない。
そして次回開催は、会期三日間で3,210人(一日当たり、1,070人×3日間)を超えるお客を招待し、もてなすことを目標とするなど、漸次市場規模拡大と、市場・業界の持続的な成長に力強く責任を果たす共創の場が、展示会である。
この招待すべき重要なお客を出展者は軽視して、主催者もオーガナイザーも互いに目先の利益に血眼になって、それで大きなチャンスロスを生み出していると、見ている。
個別に確かめた訳ではないが、換言すれば、このように、そもそも展示会を短期決戦型販売戦略の場として捉えていると思われる節がある。ここにも問題が内在している。
短期決戦型販売戦略の展開は通常のビジネスステージにおいて実施すべきであり、年間販売量の先取り・売り急ぎは、展示会に出展してムダをつくり出し、大きな収穫を取り損なっているとしか思えない、と考えている。
これでは展示会メディアのズバ抜けた威力(パワー)を利用したことにならないから、展示会効果を生み出すことをしていない。だから、市場規模を拡大していない。
その結果、出展成果が芳しくないことに気づくべきである。
このように捉えると、コミュニケーションメディアを利用し、直接コンタクト(接客)して、メインターゲット顧客 3,210人(一日当たり、1,070人×3日間)によって市場規模が拡大できるものを、見捨てていると、思われる。
このメインターゲット顧客 3,210人を、通常のビジネスステージにおける活動で創り出せていても、展示会で更に加算される顧客とすべきである。
創り出せていない場合、展示会以外のメディアや手段で創り出せているのだろうか。ダイレクトコミュニケーション、ツーウエイコミュニケーションで、相手の表情や購買心理を確認して、創り出せているだろうか、と見直し、展示会はこれができる点で、比類がない優れたメディアである。大きな収穫を得るために、言わば全員で共創するメディアなのであると、再確認すべきである。
この項で表記した、もてなし・招待の客数は、来場者総数から試算してのターゲット顧客であるが、単にそうであるとせず、展示会で共創された大きな集積メリットのシェアリングに影響をもたらす大切なターゲット顧客である、と踏み込むべきである。
新規見込み客のみではなく、主体は既存顧客であることは言うまでもないことである。招待客の主体は既存顧客なのである。既存顧客を招待し、合わせて新規見込み客・新規顧み客を取り込んで展開すればこそ、安定したターゲット顧客戦略が展開できるのである。
既存顧客を招待しなかったとすると、結果、どうなるか。
既存顧客は、競合他社のお客でもあることを見落とすと、新規見込み客獲得に手間・時間・コストを投入した結果、既存顧客を競合他社に鞍替えすることの含みがあることを、知るべきと私考する。
このサイトで冒頭、専門展について触れた。開催展示会への出展者の減少に伴って、業界と業界をくくって広く市場を拡大してこれまで生産財の専門展示会は。開催されて来たという歴史を持つ。開催展示会のライフサイクル上、苦肉の策に似た施策からであった。
だが、この意味では、専門展は会場内で一つの業界を成していて、それが導入期であったり成熟期であったりで、存在する企業数は決して多いとは言えないが、業界の雄とも云うべきシェアが№1, №2, №3, №4 №5,などの企業がこのゾーンに出展していると見ていい。つまり、顧客が市場で支出する総額を分け合っているのであるが、注視しなければならないことは、展示会ではこの割合は市場の実勢と値は等しくならないことが展示会の妙である。企業規模の大小は問わず、小規模企業が大企業と対等に勝負できたり、勝利することが可能なのである。
このことから、専門展に於ける出展戦略次第でシェアリングが大きく変動するのが展示会であるし、この成果(目的・目標)が通常のビジネスステージにおける活動に於ける成果(目的・目標)をも変え得る場である
6- 3-11. もてなし
一旦取引関係にあるとしても、お客を大事にしない相手には魅力はない訳で、注意しなければならないことは、顧客は競合他社のお客でもあるということだ
6- 1-12. 240分間の会場滞留中、ブースに立寄ってもらって商談に応じてくれなければ、出展の成果につながらない
このことで言えば、会場滞留 4時間の来場客が立ち寄る 6 箇所の内その一つに自社ブースを選択してくれなければ、出展の結果は出ないことになる。
言い換えれば、240分間の会場滞留中、ブースに立寄ってもらって商談に応じてくれなければ、出展の成果につながらない
6- 1-13. 新規客を増やそうとして既存顧客を減少させていないか。中期マーケティング戦略の成果を軽視して短期決戦型の販売では大損する
販売計画・販売戦略は、年間・半期・四半期・月間の目標を追う短期にたいし、中期目標があり、展示会出展による販売計画・販売戦略を、短期とすると割に合わない。結果はそれなりの小さなもので終えるからである。
☑ 「購買や契約など商談を目的とする来場客」が、会期中に何社(何人)やって来て、その内何社(何人)「販売や契約など商談目的の出展」をしている自社ブースに立寄ってくれるかが分かる出展スタイルを取っているだろうか
☑ そもそも、「購買や契約など商談目的の来場客」は来場者総数の何パーセント居て、何社存在するのだろうか
☑ それを誰も確実に予測できないまま、「購買や契約など商談を目的とする来場客」が自社ブースに立寄ってくれて、投入した手間・時間・コストを上回る利益を獲得できる保証は、まるでないと思わないか
☑ 米国などのTrado ShowやTrado Fair(取引関係者のみの専門展)、またはドイツ型のMesse(専門業者限定見本市)としてバイヤーを集客する商談中心の展示会を開催するのであれば、大半は「購買や契約など商談を目的とする来場客」となる。
主催者やオーガナイザーがその気になってその呼びかけで告知し集客して展示会を開催しても、日本国内の開催展示会は、そうはならず、やって来る大半の来場客は、情報収集目的ではないか
☑ 直ぐのその気になっていない情報収集目的のお客に売り急いで結果が出ると思うか
☑ 会期中、「購買や契約など商談を目的とする来場客」をターゲットにして「販売や契約など商談目的の出展」に専念するスタイルの展示会はほとんど開催できていない。では、情報収集目的のお客にPR中心のブース展開を実施して、売りにつながっていると言えるか。会期中売りの完結を目指して、受注中心のセールスに専念する出展の目的の条件に叶っているターゲットか
☑ 会期中販売の完結に向けて、受注中心のセールスに専念する短期決戦型を出展の目的にしたのでは、ロスが多過ぎると思わないか
☑ 仮に、会期中販売による営業利益が出展投入コストを上回ったとしても、それは展示会出展の効果と言えるか
☑ その結果の実績は、通常のビジネスステージでのセールス活動においても充分達成可能ではないか
☑ それをわざわざ展示会に出展して、行うのか
☑ PR中心のブース展開を実施して、売りにつながっていたのは、高度経済下までのことであって、その後は、宣伝広告もプロモーショナルマーケティングを展開しても直ぐのその場で買うお客はほとんど居ない。では、この情報収集目的のお客をターゲットに出展して、何をどのように展開すれば、非日常の商空間化したブース展開にふさわしいROIまたは費用対効果B/Cの「1」を遥かに超える大きな成果が得られるか
☑ ライバル企業/ 競合他社の居る傍で何故それをやるのか
☑ その程度の結果のために、何か月もの月日を費やして、企画や計画・準備に追われ、多額のコストを掛けて大勢のスタッフが会期中会場に釘付けになって、わざわざ非日常の商空間に出展して行う行為か
6- 1-14. ブース平均滞留時間 4~7 分間くらいのなかで、不確実な新規見込み客を対象に、主催者やオーガナイザーが推奨する商談が成立できるのか
☑ 通常のビジネスステージでの営業活動において、見込み客リストをはじめ見込み客情報を目安にしてファースト・アプローチを行って商談に持ち込み、成約(受発注)または見込み引き合いに至るまで最低どれくらいの営業日数を必要としているだろうか
これに比し、
主催者やオーガナイザーは、BtoB企業にたいし展示会出展の目的として、「わんさかやって来る見込み客をターゲットに、販売や契約など商談目的の出展を推奨し、告知して来場したお客を頼りにしての展示会は、
☑ 通常のビジネスステージにおける活動でのセールスアプローチの手間と時間の掛かる作業が省けて、見込み客が次から次とブースに飛び込んで来るであろうから、生産性の高い結果となろうと、期待していないか
だが、ここで、
☑ 見込み客一社にたいし、ファースト・アプローチから購買行動や購買予定行動を起こさせるシナリオを描いているか
☑ この一連の作業を結ぶまでどのくらいの時間を所要する計画であろうか
生産財のばあい、言わずもがなであるが、衝動買いは一切ない。
黙って売れるものでもない。「これ、ください」と買っていくお客も居ない。
そうしたなか、購買行動や購買予定行動を起こすお客や、情報収集で立寄るお客や、興味・関心をもっただけのお客も。冷やかし客もふくめて、1ブース当たりの平均滞留時間は4~7分間くらいと答えの出たある調査結果があるが、
☑ これと比較して、実質、不確実な新規見込み客を対象に、主催者やオーガナイザーが販売や契約の商談中心とする出展を推奨しする商談が成立できているのか
☑ 受注率は何パーセントで推移しているのか
☑ 国際見本市で、海外市場に参入しようとするとき、国内開催の国際見本市のばあい、海外から来場したお客にたいして、Win-Winの結果が得られているのだろうか。成立したとして売りっぱなしなのか
このように見てくると、
☑ 主なパターン別のセールス・プランニングの設計デザインが必要と思われるが、準備して臨んでいるか
と、問いたい。
☑ 通常のビジネスステージにおける活動でのセールス展開は、どのような業務設計を完了させているだろうか
明確にイメージできない企業のために、参考まで、それをここで列挙するが、これらの作業が手順を踏んで必要であると受け止めたなら、
通常の営業活動・販売活動で手順を踏んで実施しなければならない作業を展示会に出展して一挙に展開が本当にできるのかに、ついて一考も二考も行って、さてどうするか、を考え抜いてほしい。展示会に出展して「契約や販売目的の商談中心のブース展開」をどのように確立して、短い時間のなか、生産性を高めるには何を何からどのようにするかを。
ファースト・アプローチから引き合い・成約(受発注)または見込み引き合い・成約に至る一般的なセールス展開を手順に沿って描いてみる。
売り急ぐと、その気になったお客も身を引くものである。だから、誠意をもって熱意と努力でお客のために対応することが有効。
( 1) 自社対象商品(製品・技術・サービスなど)にたいし、質の高い見込み客はどうであるべきかを特定後、セールストークなど営業・販売(セールス)に必要な業務設計に基づき、トレーニングを終え、任務遂行に必要な知識を得て、経験を積んでスキルアップしてから、営業活動を開始
( 2) 自社対象商品(製品・技術・サービスなど)にたいし質の高い見込み客であるかどうかを見極めることからブース展開
( 3) ****を提供する
( 4) プリアプローチを開始する
( 5) プロモーション手段を講じてプロモーションで解決する課題は、次の⑴~⑽へ向けてステップアップ
(a. 「存在認知(知名度)拡大・向上」 b. 「内容認知層の拡大(理解度の向上)」 c. 「好意、関心保持層の拡大」 d. 「接触促進」 e. 「商品接触層の拡大」 f. 「試用・体験層の拡大」 g. 「見込み客の顕在化と発見」 h. 「購買層の拡大」 i. 「購層の刺激と活性化」 j. 「継続愛用・利用固定層の拡大」)
… これらの実施を通じて、その過程でニーズなど含めて、購買意欲などターゲット顧客の心理を確かめる
( 6) この対象のなから、有資格の見込み客(リード Lead)かどうかの資格評価に照らし合わせて、商談に値する見込み客に絞る
( 7) ***を与え、***を持たせる
( 8) ヒアリングし、対象商品(製品・技術・サービスなど)にたいするお客情報(利用・使用中か利用していない新規客か・***の強弱や****度合い、**度、重要度の認識や導入の緊急性などで選別する
( 9) 欲しいものを明確に*******
(10) *********に役立つお客情報として更に、需要・業種・営業スタイル(業態)・対象商品継続利用・消費の T・P・O 確認・見込み客が抱えている問題点を確認
(11) ******を探る
(12) ***と****のバランス度を探る
(13) 選別した見込み客に有効なベネフィット(利益・恩恵・メリット・期待どおりの満足・利便・便益)を盛り込んだソリューション提案のプレゼン(企画A~C案)を実施
(14) **の***めをおこなう
(15) その*にさせる
(16) 提案にたいして、ターゲット顧客の**度を確かめる
(17) 使う担当者とその責任者と購入決定権者が誰であるかの見定める
(18) 関連部署との関係性を確認
(19) 相互の質問を繰り返す
(20) **を克服
(21) 比較検討させる
(22) 品質保証に関する情報提供
(23) 期待を超えた満足を与えるなどする
(24) セールスアプローチ
(25) 次第に**関係(**ール)醸成
(26) 購買心理を刺激
(27) 購買意思把握
(28) 販売(セールス)戦略を具現化する
(29) 販売に確信を以って背中を押す
(30) クロージングなど******ワークに転ずる
(31) 購買を促す
(32) 見積もる
(33) 購入者とのコミュニケーション醸成
(34) 支払条件の確認
(35) 与信管理条項とのすり合わせ
(36) 購入意思確認・引き合い・成約(受発注)または見込み引き合い・成約
(37) 契約の取り決め確認
(38) 納品立ち会いについての説明
☑ これら 38アクションを手順に沿って、もれなく行なうことで、着実に結果を出すことになることを前提にして、展示会出展におけるセールス展開をどのように再設計するか
6- 1 -15. 商談は10分間で成立できるか
☑ 展示会に出展して、商談を実施するとして、計画では顧客一社当たり何十分間で組み立てているか
☑ また、リードジェネレーションのオフライン手段として展示会に出展と銘打って、記念品やノベルティ、謝礼品との交換で名刺やバーコード、QRコードを読み取るだけに終始しているケースもよく見かけるが、この種のコンタクト(接客)で、その後何か前に進むのだろうか
☑ では、例えば商談の所要時間を10分間と設定したとして、この時間内で何ができるか。何が有効であるか
6- 1-16. 展示会に出展するだけでは結果は、それなり
「品定めを行い購入の決定を行う商談目的でやって来たバイヤーをメインの来場客として、生産財(産業財)の商品・製品の品定めを行い購入の判断を行う B to B スタイルの商談による展示会に出展して、結果を出す」には、単に出展するだけでは成就しない。
結果を出す準備を調えなければ願望は果たせない。
展示会に出展しさえすれば結果が出ると思い込むと大けをする。
よく誤解するところであるが、対象商品の説明用パネル製作を以って準備完了の出展者をよく見かけるが、会期中そのパネルの記載内容に触れたお客が購買行動や購買予定行動を起したであろうか
6- 1-17. ない・ない・ないの出展準備
☑ 企画立案以前の、構想が描かれていないのではないか
☑ 展示会出展とは何かが、実務に反映されていないのではないか
☑ 経験を継承する文化が、根差していないのではないか
☑ 推進プロジェクトの体質と体力が、強化されていないのではないか
☑ 成果(目的・目標)達成の適性能力(知識・経験・スキル)と、達成意欲が見られないのではないか
☑ 上司は、責任を取ろうとしないのではないか
☑ 担当者も、その場しのぎで適当な報告で終えているのではないか
☑ 経営者や経営管理者は、このことに気づいていないか、気づいていても何の対策も講じようとしないのではないか
☑ そもそも、経営者や経営管理者も担当者も、「たかが展示会」と蔑視していないか
こうしたことは、ブース前に 1分間も佇むまでもなく、ブーシング(質の高いブース展開)の光景を見るだけで、誰もが読み取れるこのことを確かめてみないか
6- 1-18. 成功と失敗および出展の効果測定は実施すべきでない
展示会で成果を出すとか、出展で成功するには …、の類のアドバイスやサポートは、一般にあるにはあるが、それはワンオブゼムであって、参考にはなるだろうが、その程度では質の高い出展での成功とは成り得ない。中には純度の低い正論があって、一見有用と思われるが輝いていないアドバイスやサポートがある。
ほんの少しのことを上手くやったところで容易に成功はしない。逆に、優れた3割打者も、7割は失敗している。
成功も失敗もその要因は同根である。成功の要因は失敗の原因。
成功しようとすると、多くの要因のほとんどをクリアすることが必要となるが、僅かの原因が重なると失敗となる。
成功事例は、個別の見極めにおいて環境や経営者の指導や、企業リソースや実力など諸条件が合致しないかぎり参考にならない。だが反面、失敗の事例こそが解決すべき課題でありテーマとなる。
失敗の本質や改善の仕方を知ることは、成功の仕方を知ることにもある。
どのように行えば成功するかの姿は見えにくいが、失敗の本質は見えやすいもので、が故に、失敗しないようにと、未然に手を打ちやすい。
先ず、現状何に失敗しているかは、当該サイトの☑マークを 5段階評価で複数人で行えば、ある程度見えてくる。
開催展示会をウオッチングすれば容易に判明することであるが、一部出展者は出展して確実に成功している。
但し、おそらく当該サイトの冒頭の「想定対象者」の ⑴~⑻ の要件を充たしていると思えるブース展開を実施している。それは、スタッフの動きにそれらが露呈している。その企業の平均単価と顧客平均単価が判れば、会期中から会期後の展示会出展に伴う販売実績は推定できるものだ。
そして、「想定対象者」の ⑴~⑻ の要件を充たして居れば、ほとんどは大抵の出展者でヤレバできる。
要点は、失敗したことや負けたことをノウハウにすることだ。
失敗の原因がどこにあったのかの検証と、それを克服し、失敗の確率を極端に軽減しなければならない。ロスの削減を図ることで同じ失敗は繰り返さない働きから、成果が生まれ増大する。
この努力が成功への道である。
ところで、出展に伴って、効果測定をやろうと考えないことだ。
因子値の設定と精密なデータを用いて関数などの数式で算出の要因分析など本格的で専門な複雑な計算式を用いる効果測定は、やるべきでないと否定する者ではないが、如何に巧みに分析加工(インテリジェンス)したところで、前以て結果・結論は見えているから、投入した1,000万円を下らない費用は 0(ゼロ)円の価値も生み出さない。
☑ さて、それは何か。何故か
6- 1 -19. ROI(投資効率)「1」を得るため一日何人(社)ブースにお客を立寄らせるか、の試算
経済産業省pdf『展示会産業概論』第5章 出展企業側からみた展示会「1.出展の目標と効果」「①ROI 算出の意義」で、
「出展目標が定まると、その目標を達成するために必要な費用及び出展により得られる利益を事前に推計し、効果を試算することが肝要です。この効果の推計方法の一つとして一般的に用いられる指標が ROI です」
「投資効果(ROI:ReturnOn Investment) を求めることにより、企業が選択した展示会は適切だったのか、そして展示会での戦略は正しかったのかということがデータとして示されることになります。厳しい競争時代の現下、今後は ROI に目を向けることも重要となってきます」
「なお、展示会場で売買が行われなくても、展示会をきっかけにして後日に商談がまとまる(売り上げにつながる)場合もあるので、ROI は短期的視野だけでなく長期的な視野をもって判断することも必要です」
「当初の推計値との比較による評価(相対評価)をすることも重要です。絶対評価がプラスであっても相対評価がマイナス(利益が当初計画に達していない)であれば、期待したほどの成果が得られていないことになります。この場合、計画段階あるいは実行段階のいずれか(もしくは両方)に課題が生じたこととなり、次回までに課題の解決が求められます。絶対評価がプラスで、相対評価もプラスになるようであれば、次回出展の可能性が高まります」
と語られ、「目標を達成するために必要な費用及び出展により得られる利益を事前に推計し、効果を試算することが肝要」としている。
更に、『展示会産業概論』の、第3章 我が国の展示会産業 1.我が国の展示会産業の沿革と位置づけ 「(3)我が国の展示会産業の特徴」 <我が国の代表的な展示会>」展示会事例⑤ TOKYO INTERNATIONAL Gift Showでは、
・出展者数:2,314 社、うち海外は 202 社(2014 年2月の第 77 回)
・来場者数:196,378 人、うち海外は 3,360 人(2014 年2月の第 77 回)
出展者 1社当りブース立寄数 509人(来場者数:196,378 人÷出展者数:2,314 社×推定1人ブース立寄数 6ブース)
会期中の引き合い件数は及び成約高は1社平均 60 件・648 万円(2013年の第 76 回)、
出展者1社平均引き合い及び成約率11.8% = 出展者1社平均引き合い及び成約件数60 ÷ 出展者 1社当りブース立寄数 509人×100.0
今後6ヶ月間の見込み引き合い件数及び見込み成約高は、1社平均 53 件 1,124 万円(同)
出展者1社平均成約見込み件数 = 113件数
出展者1社平均引き合い及び成約件数60 + 今後6ヶ月間の見込み引き合い件数及び見込み成約件数53 件
の数字が示されている。
しかし、この展示会は、おもちゃショーや、東京モーターショー、FOODEX JAPAN(国際食品・飲料展)などの消費財の一例であるが、
「展示会事例」項目を含めて、Gift Showで示された上掲の数字は、他の消費財BtoB開催展示会では開示されていない。
生産財BtoB開催展示会も同様、どこにも記載がない。
記載がないが、「出展の目標と効果」、「出展に対する効果の算出」、「ROI(投資効果)」、「市場規模、総支出額及び経済波及効果の考え方、算出方法及び算出事例」、「契約誘発効果の考え方、算出方法及び算出事例」などが説明されているように、『展示会産業概論』には、「効果に対する指標の意義」や「算出方法」について解説されていて、このビジネス・ガイド社のデータは大変参考になる。
が、生産財BtoBに当てはめることはできない。消費財BtoBとまるで違いがあるからである。
さて、経済産業省の『展示会産業概論』https://www.nittenkyo.ne.jp/other/document/H2603_gairon.pdfの、
第3章 我が国の展示会産業 2.我が国の展示会産業の動向 「(2)市場規模、総支出額及び経済波及効果の考え方、算出方法及び算出事例」で、
「展示会開催の効果を生産や消費の動向から捉える指標として、市場規模、総支出額及び経済波及効果があげられます」
の前置き後の、
「図表 53 ②展示会出展者経費の内訳」で記載の
造作関連人件費 18.3% 17,671百万円 造作材料費(レンタル料除く) 16.7% 16,064百万円
レンタル料 8.3% 8,032百万円 電気、水道、ネットワーク費用等 3.3% 3,213百万円
企画、デザイン等 8.3% 8,032百万円 印刷物、販促品費用等 3.3% 3,213百万円
MC、コンパニオン等運営人件費 33.3% 32,129百万円 その他雑費 8.3% 8,032百万円
合計 100.0% 96,386百万円
の「割合(%)を
「ROI(投資効率)「1」を得るため一日何人(社)ブースにお客を立寄らせるか、の試算」の参考にすれば、
第5章 出展企業側からみた展示会 1.出展の目標と効果 (2)出展に対する効果の算出 ②ROI の算出方法 <展示会出展に要する費用> に「費用項目と費用」を当てはめると、以下のようになる。
【ブース賃借料】(一区画:9㎡) 250,000円
【ブース装飾代】 200,000円
企画、デザイン等 8.3%
造作関連人件費 18.3%
造作材料費(レンタル料除く) 16.7%
レンタル料 8.3%
電気、水道、ネットワーク費用等 3.3%
【人件費】(2名、旅費を含む) 450,000円
【その他経費】 100,000円
MC、コンパニオン等運営人件費 33.3%
印刷物、販促品費用等 3.3%
その他雑費 8.3%
【費用合計額】 1,000,000円
この費用項目で良いのか、という問題はあるが、ここでは一応このままで流用し、「ROI(投資効率)「1」を得るため一日何人(社)ブースにお客を立寄らせるか、の試算」を算出してみることにする。
そこで、第3章 我が国の展示会産業「 2.我が国の展示会産業の動向」では、
「生産財については、「環境・エネルギー」が最も多くなっており、話題性の高さが反映されています。次いで「IT・オフィス機器」「機械要素・部品・工業材料」「エレクトロニクス・電子部品」となっています」と紹介があり、
生産財と消費財を織り交ぜて、
3)経済波及効果の考え方及び算出方法 「5)契約誘発効果の考え方、算出方法及び算出事例」には、
「出展企業は展示会会場において、販売促進策やコミュニケーションを駆使することにより、売上額を増加させていきます。この売上増加額を「契約誘発効果」と定義します。また、②の経済波及効果と同様に、こちらも売上増加に伴い全産業への連鎖的な波及が生じます。この波及効果を「契約誘発効果に伴う経済波及効果」と定義します。
(中略) 「契約誘発効果」の算出は、出展企業の売上増加額を足し合わせる合計値となります。(中略)東京ビッグサイトが平成 19 年に行った推計によると、「契約誘発効果」は全国で約 2.7 兆円、東京都内だけだと約 1.7 兆円でした。「契約誘発効果に伴う経済波及効果」は全国で約 5.8 兆円、東京都内だけだと約 2.9 兆円でした」
と、この「経済効果」が語られていないが、「展示会の効果」が、強調されている。「契約誘発効果」と表現され、あたかも生産財BtoB開催展示会は「経済効果」にそぐわないと思わせるのであるが、生産財は、客数は少ないが、「全体的な傾向として消費財市場より大規模」であるから、遜色はない筈だ。フェア・マーケティングあるいはフェアリングという観点の展示会ビルディングと出展力を強く伴ってのブーシングの構築次第で、華々しい消費財開催展示会同様の経済効果を生むことができよう。
が、(「第3章 我が国の展示会産業」で、「経済効果」に触れたのは、
「 … この第三者認証制度導入の目的は、次の3点にあります。」に関して、
1.標準化による統計の正確性確保と展示会産業の経済効果の適格な把握
の一行のみであったことは、示唆的である)
投資費用合計額 = 目標収益額(引き合い・成約・受注額) 1,000,000円で設定して、平均原価率を 65% とすれば、売上目標は 1,538,500円となる。
目標成約件(社)数を算出するために、平均単価を 70,000円 とすれば、目標成約件(社)数は 22社となる。となる。
平均受注率を、農耕型営業スタイルのルートセールスと同じで設定すれば、12.6%であるから、目標商談件(社)数は、175社となる。
単純に会期三日間でそれを割ると、一日当たりの目標商談件(社)数は、58社となる。
ここまでのことを整理すると、
投資費用合計額 = 目標収益額(引き合い・成約・受注額) 1,000,000円
平均原価率を 65%
売上目標は 1,538,500円
平均単価を 70,000円
目標成約件(社)数は 22社
農耕型営業スタイルのルートセールスの平均受注率 12.6%
目標商談件(社)数は、175社
一日当たりの目標商談件(社)数は、58社。
ここからは、時の流れに沿った客数を割り出して算出する … 。
毎日、毎回12分間単位のブース・パフォーマンスで、1回当たり15名のお客をステージ前等マグネット・スポットでプールしてブース立寄り促進のテーマで繰り返したとすれば、一日35回(7時間÷12分間)すれば、
一日(7時間)に525人ブース内展示コーナーへ誘い込む計算になるが、全員自社にとって質の高いお客とは言えず、見込み違いのお客も含まれているから、そのお客が64.5%の339名だとすれば差額の186名が質の高いお客。そのお客すべてが商談に応じるとは言えないから、商談の有資格者(社)の割合を推定42%とすれば、78人(186名×42%)。その内、74%のお客が商談相手に絞られたとすれば、58人(78名×74%)。この58人(社)が一日当たりの目標商談件(社)数として、たまたまであるが符合する。
この箇所を整理すれば、
毎日、毎回12分間単位のブース・パフォーマンスを実施し、1回当たり15名のお客をステージ前等マグネット・スポットにプール。ブース立寄り促進のテーマでそれを繰り返し、一日35回実施。
その結果、
一日525人のお客をブース内展示コーナーへ誘い込むことができ、セールス・アプローチするものの、
自社にとって質の高いお客は186名に絞られる。
このお客すべてが商談の有資格者(社)とは言えないから、探って行けば、
その内、商談の有資格者(社)78人に巡り合えて、
その内ようやく58人と商談が可能となる。
設定した、投資費用合計額 = 目標収益額(引き合い・成約・受注額) 1,000,000円、つまり赤字にならないこの収益を展示会出展で求めるには、15名単位で35回のブース・パフォーマンスを繰り返す方法で集客するとすれば、
一日(7時間)に525人ブース内展示コーナーへ誘い込む計算になる。
因みに、42% 64.5% 65% 74%はいずれも推定・仮定であるが、
42%は、「相対的安定シェア」
64.5%・65%は、「Aランク下限の下値」
74%は、「独占的マーケットシェア」
を是非はともかく、想定のうえ用いた。
この試算で言えることは、新規見込み客を対象に出展して、ブース前通行客のなかの自社にとって質の高いお客がブース内に立寄り、セールス展開を経て商談客に絞って活動することで、ROIは達成されるものであり、
自社にとって質の高いお客がいつ何人(社)立寄ってくれるかは神のみぞ知ることである以上、
立ち寄らせる仕掛けを講じ、お客を個別に見極めて、商談に向けて能動的に活動を標準化して展開。
これをしないかぎり、目標達成にはならないであろうと云うことになり、
あくまでも、一日当たりブースに525人のお客を立寄らせる前提で、その客数がブース前を通行している条件となる。
投資費用合計額が1,000,000円であれば、1,000,000円の収益が無ければ赤字となるが、もっと厳密に言えば、投入した手間・時間・コストに見合う利益を生む必要がある。
ここで言えることは、
出展して商談によってROI「1」を遥かに超える実績を得るためには、積極的な集客活動を展開し、ブース立寄り客の中から商談に応じるまでターゲットは次第に減少するだけに、数値による活動の目標管理を行ない、推定して設定した数値は、出展のつど見直すことが求められるのであろう。
☑ それにしても、生産財のお客の内、何パーセントのターゲット顧客が、商談目的にやって来ているのであろうか
☑ 主催者やオーガナイザーは、その数を正しく把握している筈であるが、それを開示している開催展示会はどれくらいあるのであろうか
☑ 生産財のお客は僅少であると思われるが故に、「商談活動中心の展示会出展」の是非は一考も二考も三考もすべきでなかろうか
6- 1 -20. 条件を調えて安定したROIを生む準備で臨んだか
展示会は主催者から未完成の小間で出展者に受け渡される。決果を出す準備をしないままであれば、元の木阿弥。「決果の出る準備をしなければ出展の意味を成さない」。出展者は、展示会に参加するとは、この「決果の出ることに参加」となる。展示会は「その目的の共創の場」とするから、「集積メリットが生まれる」。「集積メリットをシェアリングすることで、商談の成果が高まる」。「商談は、短期決戦型の販売(セールス)で終始するものでない」。
☑ 新規見込み客を対象の商談で、「引き合いを得たり成約したり、またはそれらの見込みを得たりする出展」において、これを実現するため、何を準備できたか
☑ 「出展の成果を最大化する」には、何をどうするか。どのような着眼で臨めば大きな成果が得られるか
☑ 展示会に出展して、何を「目的」に置いて、どれだけを「目標」にしているか
生産財BtoB開催展示会は、出展者から商品(製品・技術・サービスなど)優位、機能の優秀性、特徴などをの一方的なかたちで伝えるのではなく、むしろ「来場客が出展者に情報発信場」となる。問合わせ/ 質問/意見・感想・要望/ 相談/トライアル・エントリー/ 提案の承り/ 購入条件確認など、販売につながるお客の主体的な情報発信にストレートに対応できる場が展示会である。
投資効率(ROI)あるいは費用対効果(B/C)「1」は、出展成果の最低ライン。これでは「手間・時間・コストを投入した意味」を成さない。
☑ ROIあるいはB/C(ビーバイシー)「1」を遥かに超えた結果と、出展で成功した成果(出展の目的と目標)を出すその前提条件は何と何か。
☑ 展示会出展の成果は、展示会出展の効果から生じる。この効果を発揮することを実施して、その結果で成果につながる。では、「どのような効果が展示会出展で得られるか」、整理して活かしたか
☑ 展示会で優位の光を放つのは、出展成功の前提条件となる幾つかの課題を「出展力でクリアにする」ことで、となる。このクリアにする出展力はどのように身に付けるべきか
☑ 展示会に出展して、商談に臨むに当たって、「ビジネスの基底」をどこに置いてのことか
☑ ROIは、トントン(「1」)で良いとするのか。「芽を出す」程度」か、「花を咲かす」のか、「実を獲る」のか、「根の力を」か
☑ 「販売方針」を打ち立ててのことか。「販売計画」は立ててのことか。対前年比で算出か。それとも「顧客の支出総額から割り出した可能性を探っての計画」か
☑ その計画は、「セールス・プランニングを立案」してのことか
☑ それは、「何を目的にして」のことか。「目標を設定」し、「活動テーマに落とし込んでの行動プラン」が練られのことか
☑ 大きな成果を得るために「解決すべき課題/ 活動テーマ」は、出展計画で明確にしているか
☑ 「競合他社対策」を講じてのことか
☑ 「競合の域を遥かに超えた企業や、関連市場の出展企業の狙い」はどこにあるのかを把握して、それを加味しての策を講じているか
☑ 「ターゲット戦略を実現する」ことは出展結果を出す重要条件の一つとなる。短い時間という制約のなか、新規見込み客と初めてコンタクトして、「何を実行してターゲット戦略を実現し、出展成果(目的・目標)を最大化するかを構築」して、「信頼関係が築く」か
☑ メインターゲット顧客のプロフィールは「特定」してのことか。その上で「選択基準」は策定できているか
☑ 顧客が対象商品(製品・技術・サービスなど)の利用・消費する「シーンのT・P・Oは描ききって」いるか
☑ メインターゲット顧客が、継続して利用・消費することで「満足し、更なる満足を創る」設計はできているか
☑ 「固定取引先として育成する」ことを見据えての商談か
☑ 「ビジネスに勝利する」ために、何に着眼すべきか。それらにたいし、何を実現することが、販売方針や販売計画に沿うことになるか
☑ ニュース性や話題性を告知する「パブリシティ」は実施したか
☑ 「チャンス創出」の準備は行ったか
展示会は、競合他社の付近に立って展開する「売りの最前線である」。売りの最前線ということは、戦略を具現化した施策を講じて、その有効な推進役たちスタッフによってコンタクト(接客)した大勢の質の高いお客をターゲットにして競合他社よりも大きな結果として答えを出して行く場であるということである。
このビジネスの好機となる展示会を活用することを立案して臨むから結果が出るのである。この売りの最前線に関する切り口の特性を活用しなければ、「効果」は期待できない
6- 1-21. 売り急ぎ、単に先取りの「販売や契約など商談目的の出展」の効果はスモールで終始する。出展の目的を短期決戦型にすると大損する
販売計画・販売戦略は、年間・半期・四半期・月間の目標を追う短期にたいし、中期目標があり、展示会出展による販売計画・販売戦略を、短期とすると割に合わない。結果はそれなりの小さなもので終えるからである。
☑ 「購買や契約など商談を目的とする来場客」が、会期中に何社(何人)やって来て、その内何社(何人)「販売や契約など商談目的の出展」をしている自社ブースに立寄ってくれるかが分かる出展スタイルを取っているだろうか
☑ そもそも、「購買や契約など商談目的の来場客」は来場者総数の何パーセント居て、何社存在するのだろうか
☑ それを誰も確実に予測できないまま、「購買や契約など商談を目的とする来場客」が自社ブースに立寄ってくれて、投入した手間・時間・コストを上回る利益を獲得できる保証は丸でないと思わないか
☑ 米国などのTrado ShowやTrado Fair(取引関係者のみの専門展)、またはドイツ型のMesse(専門業者限定見本市)としてバイヤーを集客する商談中心の展示会を開催するのであれば、大半は「購買や契約など商談を目的とする来場客」となる。
主催者やオーガナイザーがその気になってその呼びかけで告知し集客して展示会を開催しても、日本国内の開催展示会は、そうはならず、やって来る大半の来場客は、情報収集目的ではないか
☑ 直ぐのその気になっていない情報収集目的のお客に売り急いで結果が出ると思うか
☑ 会期中、「購買や契約など商談を目的とする来場客」をターゲットにして「販売や契約など商談目的の出展」に専念するスタイルの展示会はほとんど開催できていない。では、情報収集目的のお客にPR中心のブース展開を実施して、売りにつながっていると言えるか。会期中売りの完結を目指して、受注中心のセールスに専念する出展の目的の条件に叶っているターゲットか
☑ 会期中販売の完結に向けて、受注中心のセールスに専念する短期決戦型を出展の目的にしたのでは、ロスが多過ぎると思わないか
☑ 仮に、会期中販売による営業利益が出展投入コストを上回ったとしても、それは展示会出展の効果と言えるか
☑ その結果の実績は、通常のビジネスステージでのセールス活動においても充分達成可能ではないか
☑ それをわざわざ展示会に出展して、行うのか
☑ PR中心のブース展開を実施して、売りにつながっていたのは、高度経済下までのことであって、その後は、宣伝広告もプロモーショナルマーケティングを展開しても直ぐのその場で買うお客はほとんど居ない。では、この情報収集目的のお客をターゲットに出展して、何をどのように展開すれば、非日常の商空間化したブース展開にふさわしいROIまたは費用対効果B/ Cの「1」を遥かに超える大きな成果が得られるか
☑ ライバル企業/ 競合他社の居る傍で何故それをやるのか
☑ その程度の結果のために、何か月もの月日を費やして、企画や計画・準備に追われ、多額のコストを掛けて大勢のスタッフが会期中会場に釘付けになって、わざわざ非日常の商空間に出展して行う行為か
☑ 会期中、「販売や契約など商談目的の出展」、すなわち、年間・半期・四半期・月間の目標を追う短期決戦型の販売計画・販売戦略、言い方を変えれば「販売の完結を求め受注を中心としたセールスに専念する」出展スタイルは、通常のビジネス活動となんら変わらないと思わないか
☑ 通常のビジネスステージにおける活動で行うべき行為をなぜわざわざ非日常の商空間化したブース展開で行おうとするのか
☑ 非日常の商空間化したブース展開にふさわしいROIまたは費用対効果B/Cの「1」を遥かに超える大きな成果を目指せるものを見捨てて、その機会ロスを招いていると思わないか
☑ 短期決戦型の販売計画・販売戦略は、展示会出展では割に合わないと思わないか
もちろん、「購買や契約など商談を目的とする来場客」がやって来れば、その場で「売りの完結」もできよう。その機会を自ら失えば、そのお客はライバル企業/ 競合他社の居るブースで充足するだろう。
☑ すべての顧客が購買や契約など商談で支出する年間の総額は、基本的にほぼ一定していると思わないか
☑ 展示会に出展して、会期中、「販売や契約など商談目的」に専念する行為は、「市場・業界内での支出配分総額」を単に先取りしているに過ぎないと思わないか。出展するまでもないことをしていないか。展示会に出展しておこなうまでもないことを知るべきではないか
☑ 会期中、展示会に営業担当者やマーケティング担当者が釘付けとなって、単に売り急ぎしているに過ぎないと思わないか
☑ 展示会に出展して、非日常の商空間化したブース展開にふさわしいROIまたは費用対効果B/Cの「1」を遥かに超える大きな成果を目指すことを目的としなければならないと思わないか
☑ 展示会にライバル企業/ 競合他社も出展しているこのことは何を意味しているか
☑ 何のために展示会に出展したのか
☑ 展示会は、ライバル企業/ 競合他社と共に、顧客の年間支出総額すなわち市場規模拡大にふさわしい非日常の商空間であることに気づかないか
☑ つまり、こぞって一人でも多く愛用者/ 固定客にするよう努めれば、市場規模は拡大する。これを健全で秩序ある競争によって創り出し、成果を分かち合う(シェアリング)場が展示会であると思わないか
☑ 顧客が利用価値を高め顧客価値が高まれば、「売上げを拡大し、安定した大きな利益を得て、競合他社に勝利し、マーケットシェア(市場占有率)を高める」ことが出来、通常のビジネスステージにおける活動に結果は円滑にリンクすることで市場規模は拡大し、且つ、需要の喚起・拡大と顧客づくりに最適な展示会を主催者・オーガナイザーと出展者が共創することに努める(フェアリング)ことで、開催のつど新しさを生み出し、エネルギッシュに成長させ、展示会生命を力強くさせる。これが展示会の目的ではないか
6- 1-22. ◆ 出展ブースはプラットホーム
6- 1-23. ◆ 必須20のブース展開構成と外せない手順
Q: よくあるブース展開パターンの、どこで何の活動が欠落しているか
⑴ 待機・出迎え
⑵ ブース前で集客活動を実施
⑶ *
⑷ *
⑸ アピール等ブースパフォーマンス/ セールスイベントやデモンストレーションに参加させる
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⑺ 製品の展示・陳列コーナーに立ち寄らせる
⑻ 個別にアプローチし、コンタクト(接客)する
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⑽ プレゼンテーションや製品説明の実施
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⑿ もてなし
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⒁ 商談を行なう
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⒆ *
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