第六部 ブース展開 構成
6- 1. ◆ ブース展開
6- 1- 1. ブース展開の切り口
6- 1- 2. 待機・出迎えからフィニッシュまでのブース展開の考察
6- 1- 3. 85~90パーセントのお客をターゲットにしての出展戦略を基軸にして、展示会のメディア特性・強み・特徴を活用する出展のあり方が求められる
6- 1. 4. 買う気になってやって来るお客と、やって来て買う気になったお客
6- 1- 5. 買う気になってやって来るお客への対応
6- 1- 6. 展示・陳列コーナーへ立寄らせる
6- 1- 7. ブースに立寄らせて、商談に応じてもらうまでに打つ手
6- 1- 8. 立寄りスペースと待機要員数の関係コントロール
6- 1- 9. 引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する目的の出展は、極めて生産性が低い
6- 1-10. 来場者総数の13%くらいは市場における支出配分総額の担い手とその見込み客という捉え方
6- 1-11. もてなし
6- 1-12. 240分間の会場滞留中、ブースに立寄ってもらって商談に応じてくれなければ、出展の成果につながらない
6- 1-13. 新規客を増やそうとして既存顧客を減少させていないか。中期マーケティング戦略の成果を軽視して短期決戦型の販売では大損する
6- 1-14. ブース平均滞留時間 4~7 分間くらいのなかで、不確実な新規見込み客を対象に、主催者やオーガナイザーが推奨する商談が成立できるのか
6- 1-15. 商談は10分間で成立できるか
6- 1-16. 展示会に出展するだけでは結果は、それなり
6- 1-17. ない・ない・ないの出展準備
6- 1-18. 成功と失敗および出展の効果測定は実施すべきでない
6- 1-19. ROI(投資効率)「1」を得るため一日何人(社)ブースにお客を立寄らせるか、の試算
6- 1-20. 条件を整えて安定したROIを生む準備で臨んだか
6- 1-21. 売り急ぎ、単に先取りの「販売や契約など商談目的の出展」の効果はスモールで終始する。出展の目的を短期決戦型にすると大損する
6- 1-22. 出展ブースはプラットホーム
6- 1-23. 必須20のブース展開構成と外せない手順
6- 1. ◆ ブース展開
6- 1- 1. ◆ ブース展開の切り口
ブース展開構成など企画準備で欠かせないことは、限られた時間を基準に、画一した展開構成で組み立てることが望ましい。
ブース前を川のように流れている来場客を集客して、釘付けにしプールして、アピール後、ブースの商品展示コーナーに引き寄せて、コンタクト(接客)し、ポイントを衝いた商品(製品・サービス)説明ののち、見込み客(リード: Lead)に商談を持ち掛け、クロージングの後フィニッシュワークとなるその原型スタイルは、通常のビジネスステージにおける営業活動でのセールス展開を参考にしてのものとなる。
となれば、日常の営業活動でのセールス展開の見直しであるが、アプローチしてから成約に至るまでの展開凝縮して、この展開を会期中のブースにて実現可能となるよう構築しなければならない。
例えば、ブース前の来場客を集客してアピールするまでを10分間と設定したとすれば、触発された立寄り予定客は10分間ごとにブース内に入ることになる。
それを受けての悪例であるが、
商品展示コーナーに立寄ったお客に足早に「いらっしゃいませ」と寄り添い、見ていた商品の優れた機能(セールスポイント)を説明して、お客が立ち去ろうとしたとき、「詳しいことはここに書いてありますから、どうぞ」と、印刷物を手渡し、見込みのありそうなお客にノベルティや手土産げまたは記念品などをプレゼントして「ありがとうございました。よろしくお願い致します」で送り届けているシーンを一つの開催展示会で極めて多く見られるが、
これはここでいう「ブース展開」とは呼ばない。
6- 1- 2. 待機・出迎えからフィニッシュまでのブース展開の考察
会期初日の開場の案内が館内スピーカーで知らされてからのち、出展者は配置に付いて、待機し、出迎えの態勢をとる。
出展者にとって、開催された展示会で会期中の始まりのほとんどはここからである。出展企画で設定したメインターゲットが既存顧客の招待客のみであれば、ここからブース内活動は始まる。
メインターゲットを来場客に求めるには「呼び込み」からとなる。
多くの出展者が、これができていなくて、いきなり待機し、出迎えの態勢をとるから、どこの開催展示会でもおよそ87パーセントの出展者は、お客のほうから立寄ってくれるものだと思い込んでいて、このスタイルと化している。
主催者などが告知して会期中の開場にわんさか引き寄せた来場客は、産業、市場、業界を同一もしくはほぼ同一であるから、お客のほうから立寄ってくれると早合点するのは無理もないことであるが、このスタイルでの出展経験者のほとんどは、期待外れを実体験して終えて、後任者も後輩も同じことを出展のつど繰り返している。
☑ 会期中にブースに立寄ったお客は、総計何社(人)であったか
☑ その内見込み客(リード: Lead)と想定できるのは何社(人)か
☑ 会期後アプローチしたのは何社(人)か
☑ その結果売りの見込みがついたのは何社(人)か
☑ 受注したのは何社(人)か
☑ 受注して得た利益は投入した手間・時間・コストを上回る利益であったか
☑ 会期後半年間あるいは一年間で、出展に絡んで他に何か寄与・貢献できたものはあったと言えるか ・・・
☑ 何のための出展であったか
早い段階で、立寄らせる工夫を企画して負のスパイラルを生じさせないようにしなければ、初めのここから成果(目的・目標)を著しく失ってしまっていて、損害は甚大である。
☑ このことに経営者や経営管理者は気づいて対策を講じるべきではないか
来場者も、せっかくやって来たのにもかかわらずチャンスをつかむことができずに終わっている。
この点は、主催者やオーガナイザーはもっと踏み込んでいかないと開催展示会は活気を失い、やがて来場者数が減少して、衰退の一途を辿ることとなる。
さて次に、出展者ブースに立寄ってくれたお客に接客担当者がアプローチする段階でのことであるが、
☑ この後からフィニッシュまでのシナリオは描かれているか
☑ 要るとすればそれは、何分間構成で設計し、アプローチ~フィニッシュワークまで、どのような展開か、
☑ それぞれの時間配分と接客担当者体制はどのように組み立ているか
そしてまた
☑ そのシナリオは、事前にトレーニングするなど、関与者全員が共通認識で臨んでいるか
6- 1- 3. 85~90パーセントのお客をターゲットにしての出展戦略を基軸にして、展示会のメディア特性・強み・特徴を活用する出展のあり方が求められる
85~90パーセントのお客は情報収集目的で来場しているこの数字は、BMAの調査結果データだが、悉皆調査ではないから、すべての開催展示会に当てはまるものではなく、調査を終えて月日が経っているので、変化はあるかもしれない。
しかし、経済産業省の『展示会産業概論』にも記載があるように、日本で開催されている展示会は、「情報収集目的の来場者」が大半で、この特徴は今後変わらないと思われる。
この大半の「情報収集目的の来場者」とのコンタクト(接客)で、ビッグな成果(目的・目標)を得ることが肝要。
「会期が短い」という展示会の限界特性を好転させる必要があることは、「ブース展開のすべてを非日常の商空間で徹底する」内容の項目で触れたが、あくまでもこれは会期中でのことで、
好転させる切り口の一つは会期前で、さらにもう一つは会期後の切り口となる。
事前プロモーションを展開し、前夜祭を経て、会期中のさばき方をスマートに展開しつつ、ビッグビジネスに向けて足掛かりのプラットホームのブースから会期後の商機にブリッジング。
このプランの成果を最大化するため、如何に多くの自社商品(製品・技術・システム・サービス)にとって質の高い既存取引先や見込み客(リード: Lead)・新規開拓先をブース内でスマート展開するか、となるが、
客筋の予算化は早くて半年後であろうことから、会期後は 1年間くらいかけて成果を出す、という意味では、出展を基軸にして通常のビジネスステージにおける活動とどのように複合的に絡めると良いか、を基底に置くべきとなる。
その基底には、「セールスの命題」が社長から一兵卒まで串刺しして片時もわすれてはならないし、この「命題」を支える「ビジネスに勝利する5つのエレメント」が出展の目的にリンクされる。
基本的な考え方として、商品(製品・技術・システム・サービス)の年間販売量はほぼ見えていて変わらず、その先取りをブースで行ってはならず、つまり、売り急ぎしたところで何の利益も余分に生まないことに気づくべきである。
思い出すべきである、(日本の)開催展示会は、現在と同じように情報収集目的の来場者をターゲットに、産業振興の祝祭を基本に非日常の商空間の展示会と位置づけてきた。
これを単純に「お祭り騒ぎ」と捉え、「会期中のブースで商談型出展展開」だとしながら、祝祭性や非日常化を打ち消すという過ちを犯した故に、BtoB開催展示会は、スモールの商談会と化してしまった。
今後はもちろん「お祭り騒ぎ」であってはならないが、中期販売戦略のマーケティング・ツールとして祝祭性や非日常化を基軸とした展示会を開催しなければ、経済に影響も効果も与えることはできない。
このスタイルは、堅持していかなければ、展示会は育たない。育たない展示会は魅力がないから、「次回も来たい」とは思わない。「ヒトはなぜ集まるか」の要因の一つは「非日常」の場、つまり「展示会はビジネスの祭典」に徹するべきである。
そこにはシンボルマーク、シンボルタワー、シンボルゲート・音響・照明の演出に加え、祭事、イベント、アトラクションを織り交ぜながら、視認率を先ず高め、希少性・特別性・祝祭性・文化性・賑々しさ・独自性の空間で、新しさ・意外性・共感性を、セクシャアリティ性・インパクト性・エキサイトで訴求し、わくわくドキドキさせ、既存取引先や見込み客(リード: Lead)・新規開拓先の主体性・参加性で展開して学習効果を高める ・・・ これらのない開催展示会は確実に衰退する。
ブースコーナーのマグネットスポットに、単位時間内目標集客数(適正員数)の来場客をプールし釘づけ、アピールして、見せて聞かせて感じさせ、商品陳列コーナーへと誘い込み、・・・ フィニッシュワークで締めくくるまでの一連の活動を、ブーシング(出展効果をフルに発揮して、大きな出展成果(目的と目標)を導き出す出展マーケティング)サイクル、すなわち単位時間(適正所要時間)内で瞬発的に一気呵成に、繰り返す ・・・ etc.
展示会とは何か。130くらいの切り口で語れる。展示会の本質は何かの25テーマを徹底的にマスターすべきである。
それに関連して、このような展示会づくりをするには、260余の展示会ならではのメディア特性と、48もの制約特性、これらを好転させて活用することで、
「展示会および出展特有の考え方、出展ならではの展開を踏襲する」からこそ、展示会パワーが発揮される。この目を見張る効果が出展成果に止まらず、通常のビジネスステージに絶大な成果(目的・目標)をもたらすことを知るべきである。
そのうえで、推進プロジェクトの体質と体力を強化して、各担当の適性能力も高めることになる。適性能力は、知識と経験とスキルをアップしたうえで、達成意欲(モチベーション)も高め、役割が果たせられるようにしての編成である。
・・・ このように列挙していけば、解決しなければならない課題が未だ生まれると思うが、いづれにしても「仕事する」とか、「ちゃんとやる」というのはそういうことである。
6- 1- 4. ◆ 買う気になってやってくるお客と、やって来て買う気になったお客
買い手側から言えば、「BtoB取引や契約など商談目的の来場客」、売り手側とすれば「販売や契約など商談目的の出展者」、すなわち「BtoB取引行動や取引予定行動を起させる対象の既存取引先、見込み客(リード: Lead)、新規開拓先」が少なからずやって来て、ブース前通路を川のように流れて来る。
もちろん、買う気のない来場客に混在してのこととなる。
自社ブースを目掛けて買う気になってやってくるリードは、迷うことなく入ってくる。
最初は、商品(製品・技術・システム・サービス)展示コーナー前でしばらく佇む。このパターンが一般的である。
立寄り客は何に興味・関心を持っているか、佇むお客の目の動きや、首の動かし方などn行動から、おおよその見当が付く。
買う気になってやってくるお客は、タイミングを見つけて、見込み客(リード: Lead)の方から接客担当者に話しかけて来る。
その内容の多くは、商談行動もしくは商談予定行動に関してである。
やって来て買う気になったお客は、商談予定行動に関しての内容となる。
お客は売り手の実力を読み取るのが早い。購入しての至福の充足感を味わうため、相手選びをするものである。相手が気に食わないと判断すれば容赦なく立ち去る。そして、競合他社ブースへ行くものである。
「どのようなことにご興味がありますか」の質問にたいし、リードの反応で、商談行動もしくは商談予定行動の進行程度が推し量れる。
手短にヒアリングして、その「程度」と「関心事」を聞き出し、「ここでは立ち話になりますので、少し腰を据えてお話をお聞かせいただけませんか」と言って、訪問日時を取り付ける。
ヒアリング内容は、通常のビジネスステージにおける営業活動で把握する、例えば以下のようなことであろうか。
お客の関心事は何か。
ニーズの強弱はどの程度か、買いたいと思っている商品(製品・技術・システム・サービス)や販売企業にたいする期待度というものが、どの程度であると思われるか。
喫緊性が高いという位置づけか。ポテンシャルをどう読むか。購入に向けての緊急性はあるか。
リードの買い求めたいと思っている重要度をどう量るか。
そのリードは購買決定権者であるか。それとも使用・利用・活用・消費の当事者か。その部署の責任者か。
後日の把握となるが、バジェット規模や支払い条件はどうかetc.
もちろんこれらすべてをブース内で聞き出せる訳ではないが、いずれかの質問があったとき、軽めの即答程度は準備して臨みたいところだ。
やって来て買う気になったお客の中には、競合他社の者が存在したり、競合他社の廻し者であることもあるやもしれないから、気をつけなければならないが、その気配を見せずに、あくまでも誠意と熱意を示して、顧客第一の姿勢で努め、好感を得れば、次回の機会が見い出せる。
6- 1- 5. ◆ 買う気になってやって来るお客への対応
立寄り客へは、集客コーナーすなわちマグネット・スポットでデモンストレーションやセールスイベントなどで、見聞きさせたうえで、商品展示・陳列コーナーに佇むお客が、振り向いてお客から話しかけられてから、コンタクト(接客)する。
顔見知りでなければ、我慢してお客が声をかけて来るまで待つ。
買う気になってやってくるお客には、販売力の高い担当者が当たること、だ。
新規見込み客のばあい、お客の購買心理を先ず探る。
購買心理は、「注意を喚起する」という段階から始まって、「BtoB取引行動や取引予定行動を起す」まで、幾段階ものステップを踏むことが多い。
そのステップを省略することもあるから、お客の購買心理を瞬時に読み取り呼応する必要がある。
会期中は購買行動に至らず、BtoB取引予定行動を起して立ち去るお客も居る。全体的にはこちらの員数のほうが多い。
ヒトは目的で行動するから、ともかく、お客から聞くことから始める。
決して、一方的に商品の機能の優れたことや、売り手側の優位性に関係する態度は出さないことだ。
接客担当者は商談担当者ではあるが、セールスしようとしてはならない。相談相手に徹することだ。
そして、見込み客(リード: Lead)が抱える課題や問題点を、メモしながらヒアリング。
ブース内では、待機し、出迎え、おもてなしをして、好意度・好感度を高め、さわやかではつらつとした言動で共感・共鳴するように運び、
その聞き出した内容にたいし、「解決のお手伝いが出来そうですから、今度ゆっくりお会いしたいのですが如何でしょうか」
その場で、課題を解決しようとせず、会期直後を商機として、訪問日時を取り決める。
ブースでのフィニッシュワークは、「想起率や再生・再認知名度向上がブリッジング先で大きく花開くことに貢献する」作業である。
印象は他所で打ち消されたり、薄まるだけに、この作業は不可欠である。
そのうえで、後姿が見えなくなるまで立礼でお見送り。
6- 1- 6. 展示・陳列コーナーへ立寄らせる
基礎小間(ブース)のように小規模の場合、展示・陳列コーナーが通路に面しているが、例えばステージがあって、そこでパフォーマンスの実施で呼び寄せている場合は、その背後に展示・陳列コーナーを設けている。
この場合、ステージパフォーマンスの実施目的は、終了後展示・陳列コーナーが通路に誘い込みにある。そうしないと始まらない。
☑ 確かにステージパフォーマンスの結びに、「展示・陳列コーナーへ立寄らせるトーク」を用いて、促しているケースがあるが、実際に質の高い新規開拓先・見込み客(リード: Lead)を立寄らせているだろうか
ステージパフォーマンスが目的化して、促し方の工夫が足らないため、終了後ステージ前から立ち去るお客が多いとすれば、ロスを生じさせている。
小規模出展者も同様で、素通り率が多くて、展示・陳列コーナーへ質の高いお客を立寄らせられなければ、何の成果も生まない。
待っていても入って来るお客は少ないし、ましてや質の低いお客が立寄って、説明を進める過程でそれに気づいたのでは、収穫はない。
☑ 展示・陳列コーナーへ立寄らせるにはどうするか
考え抜かなければ、元の木阿弥で終わる
6- 1- 7. ブースに立寄らせて、商談に応じてもらうまでに打つ手
引き合いや成約の見込みを得るには、展示会出展で商談すれば解決するものではない。
顧客の気持ちを個別に正確につかむ必要がある。
展示会に出展してブースを構えれば売れると思ってはならない。
売上さえ上げればよいという発想では売れない。
モノを売り切ろうと、それだけしても、売れるものではない。
見て、聞いて、触れての商品(製品・技術・サービスなど)の認知度がなければ売れない。
価格を競合他社よりも下げれば売れる、というものではない。
新規開拓先や見込み客(リード: Lead)獲得に専念しすぎたのでは、足元をすくわれる。
市場ニーズや顧客市場ニーズとウオンツのバランスが成立しなければ売れない。
このニーズやウオンツが潜在化されたままで、顧客が望んでいることをイメージできていないお客にセールスアプローチしても売れない。
個別の見極めで顧客が望んでいることを本当に理解しなければ、話を前に進めても頓挫する。
商品(製品・技術・サービスなど)の優秀性が卓越していても売れない。
価格を上げれば売れるとは限らない。
価格を上げれば利益が上がるほど、単純でない。
そもそも顧客は、売手の商品機能の優れたことなどの説明は聞いていない。
その把握の下に、ターゲットアカウントを明確化しなければ商談は前に進まない。
個別の見極めで顧客が望んでいることにたいする具体的な解決策の提案にベネフィット(利益・恩恵・メリット・期待どおりの満足・利便・便益)を添えて示しサポートは欠かせない。
この提案とサポートにたいし、ターゲットアカウントが了解してくれなければ売れない。
顧客は販売行為を理解したり了解してもBtoB取引行動や取引予定行動を起すものではない。
納得し、比較し、考え直して相談し、確信を得てBtoB取引行動や取引予定行動を起す意思決定しなければ引き合いや成約の見込みには至らない。
etc.
これだけ解決しておけば引き合いや成約が成立するものではなく、上掲のこれをせずには、出展成果は期待できない。
引き合いや成約の見込みを創造的に有効的に効率的に得るため、①環境分析②ターゲットの特定③マーケティングミックスの策定④アクションプランづくり⑤アクションプランの実行などを出展前に完了して出展している出展者が結果邪魔して、引き合いや成約の見込みに至らない危惧はないと言えるか。
通常のビジネスステージでの営業活動において、引き合いや成約の見込みを創造的に有効的に効率的に実施することを前提にして描いた販売(セールス)のシナリオを、出展ブース立寄り客にアプローチして引き合いや成約の見込みを獲得するシーンを描きつつ、会期中に売りの完結を目指さずに、開催展示会に出展して何が実現できるか、何をすべきか、最低何をどれだけ達成するかなど再考に再考を重ねてみなければ、投入する手間・時間・コストのすべてを失うことになりかねない。
少なくとも「開催展示会に出展してバイヤーを対象に引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する」ことに終始したのでは、結果の出ない無限サイクル化を徒に繰り返すだけの、負のスパイラルに陥る可能性が極めて高い
6- 1- 8. 立寄りスペースと待機要員数の関係コントロール
☑ 説明を分かり易く例えると、待機要員が 3名立っている間口 1.8メートルのブースに、お客一人立寄れるか
☑ 待機要員が 2名立っている間口 1.8メートルのブースに、お客は何人立寄れるか
☑ 待機要員が 1名立っている間口 1.8メートルのブースに、お客は何人立寄れるか
☑ ブース前通行客が、間口 1.8メートルのブースに、立寄り易いスペースを常時つくり出し、無駄な空き時間をつくらないコントロールに応じて、待機要員つまり、待機後コンタクト(接客)する要員のブース内外でどのように振舞えばスマートか
☑ この間口 1.8メートルのブースを基底にして、小間サイズに合った「立寄りスペースと待機要員の員数」を計測しコントロールしているか
6- 1- 9. 引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する目的の出展は、極めて生産性が低い
開催展示会の主催者およびオーガナイザーは多くの来場者を呼び込むことを強く意識している。それに呼応してお客はわんさとやって来る。
別項で紹介したように、 日本の産業競争力を支える企業間取引のBtoB開催展示会の来場者総数で、10万人以上は全体の16%、 5万人以上~10万人未満は、23%、 3万人以上~ 5万人未満は、19.4%。 … 平均は 25,000人であるという。
展示会に出展する生産財のBtoB企業からすれば、会期 3日間で、これだけの来場者が来るのであるから、この数字を見る限り、魅力的である。
これだけの客数であるから、商談件数も大いに期待が持てると思われることから、出展の目的を「引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する」のは、理解できる。
しかし、「引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する」目的の来場者は決して多くはない。主催者に問い合わせれば、調査結果を教えてくれるであろうから、参考にしたいのであるが、それはそれとして冷静に考えれば、BtoBにおいて、開催される会場を中心にして地域内に想定できるターゲットアカウント総数にたいし、会期が3日間で、全社が来るとは断言できないことから、自社が出品する商品(製品・技術・システム・サービス)の見込みターゲットアカウントは、かなり限定されるのではないか。
主催者が呼び寄せる来場者数の限界は、上記に示した員数であり、それも可成りフラットな客層とならざるを得ず、当然ながら、出展者個々にとっての出品メイン商品の見込みターゲットアカウントに絞った集客などできないのであるから、安直に「引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する」目的の出展は、生産的とは考えにくい。
と言いながらも、何%かあるいは何社かは、「引き合いや成約目的」でやって来る新規開拓先・見込み客(リード: Lead)も居るかもしれないから、その対応の準備はして置かなければ、競合他社に奪われる恐れがある。
話を戻すと、大半の退場者は、「情報収集目的」であるようであるから、出展の目的はこの見込みターゲットアカウントにたいし、コンタクト(接客)して、ビッグなビジネスになることを考えた方が賢明である。
だが敢えて言うと、質の高い新規開拓先やリードの集客を主催者任せにせずに、自社が事前活動で来場促進を図る計画は是非とも実施したいところである。
ブース前に常に多くのお客が立ち寄っている出展者ブースでヒアリングすれば容易に判明することであるが、どの出展者も共通していたことは、事前に集客していた。広報しかり、プロモーションしかり、販売活動の延長しかり、そして既存顧客の招待もある。
よくよく考えて見れば、消費財の BtoCであれば、投網式もあるだろうし、むしろそちらの方が効率的であろうが、生産財のBtoBは、一本釣り。
会期中の展示会のブースという特別の場に招待して、「引き合いや成約目的」のお客と「情報収集目的」のお客を対象にして、限られた日数と時間のなかで実施展開することで結果、投入した手間・時間・コストを遥かに上回る成果(目的・目標)を休憩することなく収獲するにはどうすれば良いかを考えなければならない。何故なら、そうしなければ収穫は根こそぎ競合他社に持って行かれるのが展示会であるからである。
6- 1-10. 来場者総数の13%くらいは市場における支出配分総額の担い手とその見込み客という捉え方
日本で開催されているBtoB開催展示会の来場者総数の平均は会期三日間で 25,000人であるという。
その 13%くらいは市場における支出配分総額の担い手とその新規開拓先・見込み客(リード: Lead)と捉えると、その彼らターゲットアカウントは、3,250人となる。
但し、およそ7カテゴリーの専門展に分配されるから、一専門展当たり、464人。
展示会という比類のないツーウエイ・コミュニケーションメディアにやって来る総数25,000人の中、出展者が三日間で直接コンタクト(接客)するメインターゲットが464人。
一日当たり155人の彼らがブース前を通行する計算となる。1時間当たりおよそ19人。10分間当たり 3人。
一人ひとりにたいし、ていねいなもてなしが必要であり、この人たちによって市場規模は拡大し、出展企業の通常のビジネスステージにおける活動において、展示会で共創された大きな集積メリットのシェアリングに影響をもたらす大切なターゲットアカウントであるから、
出展各社はこぞって、この顧客は招待しなければならない。
仮に、集客を主催者任せにして、出展者はどこも顧客を招待しなかったとして、結果、主催者の集客が的外れであったとすれば、出展成果(目的・目標)は、当てにならない。
生産財のお客は特定少数であるが、そのなかで質の高いターゲットアカウントを主催者が確実に集客することは約束できない。 7つの専門展を想定して告知して、ザックリと集客しているに過ぎない。
25,000人集客したとしても出展者にとって狙える質の高いターゲットアカウントは、主催者任せにはできない。
自社は集客せず、競合他社はそれなりの数のお客を招待したとすれば、勝負にならない。
出展成果を増大するために、競合他社共々、会期前に集客の勝負をすることからが活動の開始である。
特に既存取引先のご招待を欠かしてはならない。
招待して、もてなさなければならない。
自社の取引先は競合他社がその関係を断ち切ろうとする。その願望達成に向けて、自社の既存取引先にたいし招待してもてなすことも考えられる。自社は招待せず競合他社が招待してもてなしたとすれば、結果はどうなるか。
と言えば、目と鼻の先に出展している競合他社と火花を放ちながらターゲットアカウントの奪い合いを激しくやっている印象が強いかもしれないが、
日本型のBtoB展示会は本来的には、競合他社と健全で秩序ある競争をする立場ではあるが、開催される共通の場の展示会を共創する役割があるのである。
双方のターゲットアカウントで構成されている市場における支出配分総額を、双方の競争と共創で、既存取引先のクラスアップと、新規開拓先・見込み客(リード: Lead)の育成で、支出配分総額を大きく増大させ、産業を活性化させることの実現が、来場客にも恩恵を与える結果となる。
出展戦略次第でシェアリングが大きく変動するのが展示会であるし、この成果(目的・目標)が通常のビジネスステージにおける活動に於ける成果を着実に増大するための展示会利用なのである。
展示会を開催している価値の源泉はここにあるという認識を全員持つべきである。
この招待すべき重要なお客を出展者は軽視して、主催者もオーガナイザーも互いに目先の利益に血眼になって、出展者にとってのターゲットアカウントの集客が十分できないままで推移したのでは、大きなチャンスロスを生み出していることになる。
そもそも日本型のBtoB展示会は、短期決戦型販売戦略の場ではなく、
産業を振興し市場規模を拡大する中長期のマーケティングを展開し、需要の喚起・拡大と顧客づくりをする場である。
1986(昭和61)年以降の40年間、商談会のような展示会にしてしまって、経済を低成長化してしまった。
ここにも大きな問題が内在している。
短期決戦型販売戦略の展開は通常のビジネスステージにおいて実施すべき活動であり、展示会に出展しての年間販売量の先取り・売り急ぎは本末転倒で、折角の展示会開催の良い機会の場で、大きな収穫を取り損なっている。
その結果、出展成果が芳しくないことに気づくべきである。
これでは展示会メディアのズバ抜けた威力(パワー)を利用したことにならないから、展示会効果を生み出すことをしていない。
だから、市場規模を拡大していないし経済効果も生み出していない。
6- 3-11. もてなし
通常のビジネスステージにおける新規開拓は、当方から新規開拓先・見込み客(リード: Lead)を一軒一軒訪問しているが、展示会は、既存取引先をはじめ、新規開拓先とリードも仕事の手を休め、やって来てくれる。
であるから、感謝の気持ちを込めて丁重に出迎え、もてなす。
既存得意先の場合、担当者は訪問の日時に合わせて出迎えたいが、お相手はお客故、その時間通りに動いてくれないものであるが、お出迎えする時間を調整することができればそうしたいし、その言動で、大切にしている姿勢も伝わるであろう。
やって来る既存顧客は、接客担当者からの誠意ある出迎え方に、殊更喜ぶであろう。
ブースに立寄ってくれた既存顧客をマグネットスポットでのデモンストレーションやセールスイベントを一緒に見聞し、商品の基本価値・付加価値・利用価値などに結ばれたお客へ提供するベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)の確認を実施し、施策上クラスアップをその場で働きかけたい。
楽しみながらしているその姿を、通行している新規開拓先やリードにお見せし、お得意先と和気あいあいとした姿に連れられ、自分もこのような関係性を持つ企業と取引したいものだと思わせたい。
当然のことであるが、既存得意先をご招待しておいて、何も対応しないまま済ませてはならない。ブース内で、既存得意先対策を実現させる。
そのためには、日頃利用していての問題点や課題などの答えを用意しておく。新製品のお披露目は事前に先行公開しておき、会期中のブースで見聞でき、価値にふれさせる。デモンストレーションの動画を特別に提供も一案。
その基調は、日頃のご愛顧に感謝する気持ちを終始忘れずに実行である。そしてどのようにもてなすかについても留意しなければならない。利用価値を高めたり、更なる顧客満足の提供を準備するなり、「来てよかった」・「取引を継続して良かった」と感じさせなければならない。
そのうえで、上司ほか役員や技術開発の責任者を紹介し、感謝の意を重ねて伝え、ボンディングの強化を通じて、共鳴的信頼関係を創造して対応する。
そして、共に参考になりそうな出展者ブースなどにアテンドすることもあっていい。そうすることで、仮に競合他社ブースに立寄ったところで、十分な時間をそこで費やす余裕をなくすことで、殊更、競合他社への関心を抱かせないようにしたい。
ノベルティやお土産・記念品は、引換券を手渡し、後日持参。
展示会での既存顧客へのおもてなしは、その後の案件化や関係深化に直結する大切なステップ。
お見送りは、上司ほか役員や技術開発の責任者も一緒でが望ましいが、それらの人が他の顧客と接待中であれば、「お客様がお帰りです」と彼らに伝え、彼らからも笑顔で立礼させるくらいの心遣いはしたいものである。
新規開拓先やリードへのもてなしも既存のお得意先ほどでなくても、同じように気遣う。
6- 1-12. 240分間の会場滞留中、ブースに立寄ってもらって商談に応じてくれなければ、出展の成果につながらない
このことで言えば、会場滞留 4時間の来場客が立ち寄る 6 箇所の内その一つに自社ブースを選択してくれなければ、出展の結果は出ないことになる。
言い換えれば、240分間の会場滞留中、ブースに立寄ってもらって商談に応じてくれなければ、出展の成果につながらない
6- 1-13. 新規客を増やそうとして既存顧客を減少させていないか。中期マーケティング戦略の成果を軽視して短期決戦型の販売では大損する
販売計画・販売戦略は、年間・半期・四半期・月間の目標を追う短期にたいし、中期目標があり、展示会出展による販売計画・販売戦略を、短期とすると割に合わない。結果はそれなりの小さなもので終えるからである。
☑ 「購買や契約など商談を目的とする来場客」が、会期中に何社(何人)やって来て、その内何社(何人)「販売や契約など商談目的の出展」をしている自社ブースに立寄ってくれるかが分かる出展スタイルを取っているだろうか
☑ そもそも、「購買や契約など商談目的の来場客」は来場者総数の何パーセント居て、何社存在するのだろうか
☑ それを誰も確実に予測できないまま、「購買や契約など商談を目的とする来場客」が自社ブースに立寄ってくれて、投入した手間・時間・コストを上回る利益を獲得できる保証は、まるでないと思わないか
☑ 米国などのTrado ShowやTrado Fair(取引関係者のみの専門展)、またはドイツ型のMesse(専門業者限定見本市)としてバイヤーを集客する商談中心の展示会を開催するのであれば、大半は「購買や契約など商談を目的とする来場客」となる。
主催者やオーガナイザーがその気になってその呼びかけで告知し集客して展示会を開催しても、日本国内の開催展示会は、そうはならず、やって来る大半の来場客は、情報収集目的ではないか
☑ 直ぐのその気になっていない情報収集目的のお客に売り急いで結果が出ると思うか
☑ 会期中、「購買や契約など商談を目的とする来場客」をターゲットにして「販売や契約など商談目的の出展」に専念するスタイルの展示会はほとんど開催できていない。では、情報収集目的のお客にPR中心のブース展開を実施して、売りにつながっていると言えるか。会期中売りの完結を目指して、受注中心のセールスに専念する出展の目的の条件に叶っているターゲットか
☑ 会期中販売の完結に向けて、受注中心のセールスに専念する短期決戦型を出展の目的にしたのでは、ロスが多過ぎると思わないか
☑ 仮に、会期中販売による営業利益が出展投入コストを上回ったとしても、それは展示会出展の効果と言えるか
☑ その結果の実績は、通常のビジネスステージでのセールス活動においても充分達成可能ではないか
☑ それをわざわざ展示会に出展して、行うのか
☑ PR中心のブース展開を実施して、売りにつながっていたのは、高度経済下までのことであって、その後は、宣伝広告もプロモーショナルマーケティングを展開しても直ぐのその場で買うお客はほとんど居ない。では、この情報収集目的のお客をターゲットに出展して、何をどのように展開すれば、非日常の商空間化したブース展開にふさわしいROIまたは費用対効果B/Cの「1」を遥かに超える大きな成果が得られるか
☑ ライバル企業/ 競合他社の居る傍で何故それをやるのか
☑ その程度の結果のために、何か月もの月日を費やして、企画や計画・準備に追われ、多額のコストを掛けて大勢のスタッフが会期中会場に釘付けになって、わざわざ非日常の商空間に出展して行う行為か
6- 1-14. ブース平均滞留時間 4~7 分間くらいのなかで、不確実な新規見込み客を対象に、主催者やオーガナイザーが推奨する商談が成立できるのか
生産財(機械、部品、原材料など)の 日本の産業競争力を支える企業間取引の BtoB展示会において、
一環した広報や宣伝広告・プロモション・マーケティング活動のスタイルから、
商談型展示会に一変し、
ブースに立寄ったお客にセールスアプローチを実施して、その場で商談を行う手法が BtoB展示会の主流をなして開催されて久しい。
出展企業のすべての活動や業務が、売上げに直結してそれを高い生産性で推進する考え方は的を得ている点において、会期中ブースのなかで実施されるすべての活動や業務は、売上げに直結させる行為であるから、異論はまったくない。
だがしかし、
実質、ブースでファーストアプローチから始まって、具体的な課題を持つ買い手と売り手をマッチングさせ、その場で商談を行う商談会スタイルの手法は、日本型 BtoB展示会に適しているとは思えない。
その実現のためには、
会期前の仕込みがかなり具体的に進行して、買い手のその立場にある人が、お出迎えする足る売り手の信頼に応えた担当者がブース内でマッチングし、
その場で商談を行う環境が調ったうえでのことになるところ、
現実的にこの方法で商談が実質、実施されているのは、
年間にして何件くらい発生しているのだろうか、疑問である。
セールス・リードタイムで言えば、
生産財の企業において、通常のビジネスステージでの営業活動で、見込み客(リード: Lead)や新規開拓先にファーストアプローチを行って、
引き合いから見積もり提示、あるいは試作・テスト段階へ具体的に商談の話が進展するまでのリードタイムは、現実、延べ何日間の所要であろうか。
それに対し、
年間365日の中の三日間に限定された会場は、主要都市に存在しているから、往復の所要時間もそれなりの犠牲が発生する。多忙な業務の手を休め、わざわざやって来る。
その人の抱える課題や問題を解決できる道筋をつくってその担当者がタイミングを合わせてお出迎えし、もてなしながら、コンタクト(接客)する時間は僅かしかない。
この短い限られた時間内に双方の呼吸を合致させて、ざわつくブースで集中できるのだろうか。
ブース前のマグネットスポットでは、デモンストレーションやセールスイベントが出展者の意向が強くアピールされている。商談コーナーの傍も大勢の人がうごめいていて、落ち着けない。
その中で何分間で商談をまとめるつもりか。
その何分間のために、買い手のその立場にある人はなぜ展示会にやって来てそれを行おうとするのか。
しかし絶対に避けて通れない課題は、「個別の見極め」である。ここまでの深堀の無い対応で上手く行った試しがあるのだろうか。
必然的に
ソリューションで展開する。
課題や問題は核心まで掘り下げていなければ解決策には届かない。
その下準備が双方で必要になる。買い手はその内容を整理して、実際の現場でのシステムや関連部署あるいは技術開発部門との関りなどが、売り手側の接客担当者に読み込まれて、理解し、了解し、納得しなければ、適切な解決の方向すら見えて来ない。
見えて来て、それを売り手はゴールに向けて案内標識を立てて示さないかぎり解決には成り得ない。
そこまでに辿り着くまでは、
かなり細部まで立ち入ったお客情報を入手し、整理しなければ理解から納得には至らない。
この僅かな時間で、コトを進めるには、
会期前の事前活動でそのきっかけを創り出し、
買い手のその場にある人と売り手がブース内でマッチングし、
その場で商談を行うことになるというものの、
買い手が向き合う相手先の担当者は、信頼のおける気楽に相談できる人でなければ話は進めにくい。
信頼関係が起きない間、買い手は一切問題点や課題について開示しない。仮にそのような話を持ち掛けてくるような買い手があったとすれば、要注意である。
しかも解決させようとする課題がかなり具体的でなければならないから、
売り手側もそれを熟知していて、期待に応える準備をある程度行ったうえで課題解決にふさわしい売り手でなければ、話は進められない。
とうことは、そもそも、買い手のその立場にある人がやって来る動機形成ができていなければ成就しない。
その準備を調えて、会期中ブースで商談会型の展開を実施する計画であるか。
1社~ 2社程度では話にならない。10社~ 20社あったとして、それは会期中に処理できるのか。
時間配分と体制は整えているのか。
個別の見極めに関連すれば、ブース内でのフィニッシュワークは買い手ごとに何とする計画か。
その一連の対応について、社内調整を完了してのことか。
複数人が絡むとして、それぞれの担当する任務の機能と役割分担と調整およびコントロールはあってのことか。
受注率は何パーセントでと、計画していてのことだろうか。
このように見てくると、
主なパターン別のセールス・プランニングの設計デザインが必要と思われるが、準備して臨んでいるか
と、問いたい。
通常のビジネスステージにおける活動でのセールス展開は、どのような業務設計を完了させているだろうか。
ファースト・アプローチから引き合い・成約(受発注)または見込み引き合い・成約に至る一般的なセールス展開を手順に沿って描いてみる。
売り急ぐと、その気になったお客も身を引くものである。だから、誠意をもって熱意と努力で、リードや新規開拓先客のために対応することが有効。
( 1) 自社対象商品(製品・技術・サービスなど)にたいし、質の高い見込み客はどうであるべきかを特定後、セールストークなど営業・販売(セールス)に必要な業務設計に基づき、トレーニングを終え、任務遂行に必要な知識を得て、経験を積んでスキルアップしてから、営業活動を開始
( 2) 自社対象商品(製品・技術・サービスなど)にたいし質の高い見込み客であるかどうかを見極めることからブース展開
( 3) **** を提供する
( 4) プリアプローチを開始する
( 5) プロモーション手段を講じてプロモーションで解決する課題は、次の⑴~⑽へ向けてステップアップ
(a.「存在認知(知名度)拡大・向上」 b.「内容認知層の拡大(理解度の向上)」 c.「好意、関心保持層の拡大」 d.「接触促進」 e.「商品接触層の拡大」 f.「試用・体験層の拡大」 g.「見込み客(リード Lead)の顕在化と発見」 h.「購買層の拡大」 i.「購買層の刺激と活性化」 j.「継続愛用・利用固定層の拡大」)
… これらの実施を通じて、その過程でニーズなど含めて、購買意欲などターゲットアカウントの心理を確かめる
( 6) この対象のなから、有資格のリード かどうかの資格評価に照らし合わせて、商談に値するリードに絞る
( 7) *** を与え、*** を持たせる
( 8) ヒアリングし、対象商品(製品・技術・サービスなど)にたいするお客情報(利用・使用中か利用していない新規客か・*** の強弱や **** 度合い、**度、重要度の認識や導入の緊急性などで選別する
( 9) 欲しいものを明確に *******
(10) ********* に役立つお客情報として更に、需要・業種・営業スタイル(業態)・対象商品継続利用・消費の T・P・O 確認・見込み客が抱えている問題点を確認
(11) ****** を探る
(12) *** と **** のバランス度を探る
(13) 選別した見込み客に有効なベネフィット(利益・恩恵・メリット・期待どおりの満足・利便・便益)を盛り込んだソリューション提案のプレゼン(企画 A~C 案)を実施
(14) ** の *** めをおこなう
(15) その * にさせる
(16) 提案にたいして、ターゲットアカウントの ** 度を確かめる
(17) 使う担当者とその責任者と購入決定権者が誰であるかの見定める
(18) 関連部署との関係性を確認
(19) 相互の質問を繰り返す
(20) ** を克服
(21) 比較検討させる
(22) 品質保証に関する情報提供
(23) 期待を超えた満足を与えるなどする
(24) セールスアプローチ
(25) 次第に ** 関係( ** ール)醸成
(26) 購買心理を刺激
(27) 購買意思把握
(28) 販売(セールス)戦略を具現化する
(29) 販売に確信を以って背中を押す
(30) クロージングなど ****** ワークに転ずる
(31) 購買を促す
(32) スペック特定と数量決定後、見積もる
(33) 購入者とのコミュニケーション醸成
(34) 支払条件の確認
(35) 与信管理条項とのすり合わせ
(36) 購入意思確認・引き合い・成約(受発注)または見込み引き合い・成約
(37) 契約の取り決め確認
(38) 納品立ち会いについての説明
☑ これら 38アクションを手順に沿って、もれなく行なうことで、着実に結果を出すことになることを前提にして、展示会出展におけるセールス展開をどのように再設計するか
支払い能力やリスクマネジメント上、問題ないという条件は整っているのだろうか・
この時点で予算化されているとは思えない。
システムの全容を把握し、整理し、スペックを特定し、数量を確認し、見積もって、他社と比較され、ようやく予算化に漕ぎ着けるたとしても、それが準備できるのは早くて会期後の半年経ってのこと。
このようなことが容易に想像できるのに、
会期中のブース内で商談を進め、短期決戦型の販売活動を展開し、「売上(商談)を直結させるための機能的なビジネスの場」としようして、
特にバブルは崩壊した1991(平成3) 年初頭から、
リードや新規開拓先をターゲットに、販売や契約など商談目的の出展を推奨し、
告知して来場したお客を頼りにして、が主流を成して展示会スタイルが一転して商談会的展示会になって今日に至っているが、販売や契約の商談中心とする出展を推奨する商談が成立できているのか。
この36年間、何件の受注が発生し、どれだけの経済効果をもたらしたのであろうか。
経産省の『展示会産業概論』には、この経済効果を示す文言はひとつもなかった。経産省は実態を把握しているのだろう。
6- 1 -15. 商談は10分間で成立できるか
☑ 展示会出展の目的を、短期決戦型販売戦略のタイプを想定して会期中ブース内で売りの完結もしくは質の高い見込み客(リード: Lead)や新規開拓先にたいしアフターセールスで成約に漕ぎ着けようとしたとして、現実的にどれほどの成果(目的・目標)が見込めているだろうか
☑ 通常のビジネスステージにおける営業・販売活動で、初回訪問から契約を取り付けるまでの所要時間にたいし、会期中ブース内で実現可能であろうか。
☑ 契約に漕ぎ着けるまでの間、複数人の顧客にセールスアプローチすることになり、通常のビジネスステージにおける活動での平均受注率に照らし合わせて、ブース内で何パーセントで可能と読んでいるいるのだろうか。
☑ 予算化されるまで半年間待たなければならないとの問題は、考えてのことだろうか
☑ リスクマネジメントは考慮してのことか
☑ 展示会に出展して、商談を実施するとして、計画では顧客一社当たり何十分間で組み立てているか
☑ ブース前を川のように流れている来場客を展示・陳列コーナーへ立寄らせ、ヒアリングでお客情報を得たうえで商談に持ち込もうとする計画に於いて、立寄率・10分間内の立寄り客数・ニーズや抱えている問題等お客情報の把握・それに対する解決案の提案・商品(製品・技術・システム・サービス)説明・プチクロージングで打診・もてなし・購買行動や購買予定行動を起させての結果把握・契約意向確認 … それらの所要時間と接客担当者の員数などローテーションを組んで、現実的な計画と研修を完了して実施しているか
☑ また、リードジェネレーションのオフライン手段として展示会に出展と銘打って、記念品やノベルティ、謝礼品との交換で名刺やバーコード、QRコードを読み取るだけに終始しているケースもよく見かけるが、この種のコンタクト(接客)で、その後何か前に進むのだろうか
☑ では、例えば商談の所要時間を10分間と設定したとして、この時間内で何ができるか。何が有効であるか
6- 1-16. 展示会に出展するだけでは結果は、それなり
「品定めを行い購入の決定を行う商談目的でやって来たバイヤーをメインの来場客として、生産財(産業財)の商品・製品の品定めを行い購入の判断を行う B to B スタイルの商談による展示会に出展して、結果を出す」には、単に出展するだけでは成就しない。
結果を出す準備を調えなければ願望は果たせない。
展示会に出展しさえすれば結果が出ると思い込むと大けをする。
よく誤解するところであるが、対象商品の説明用パネル製作を以って準備完了の出展者をよく見かけるが、会期中そのパネルの記載内容に触れたお客が購買行動や購買予定行動を起したであろうか
6- 1-17. ない・ない・ないの出展準備
☑ 企画立案以前の、構想が描かれていないのではないか
☑ 展示会出展とは何かが、実務に反映されていないのではないか
☑ 経験を継承する文化が、根差していないのではないか
☑ 推進プロジェクトの体質と体力が、強化されていないのではないか
☑ 成果(目的・目標)達成の適性能力(知識・経験・スキル)と、達成意欲が見られないのではないか
☑ 上司は、責任を取ろうとしないのではないか
☑ 担当者も、その場しのぎで適当な報告で終えているのではないか
☑ 経営者や経営管理者は、このことに気づいていないか、気づいていても何の対策も講じようとしないのではないか
☑ そもそも、経営者や経営管理者も担当者も、「たかが展示会」と蔑視していないか
こうしたことは、ブース前に 1分間も佇むまでもなく、ブーシング(質の高いブース展開)の光景を見るだけで、誰もが読み取れるこのことを確かめてみないか
6- 1-18. 成功と失敗および出展の効果測定は実施すべきでない
展示会で成果を出すとか、出展で成功するには …、の類のアドバイスやサポートは、一般にあるにはあるが、それはワンオブゼムであって、参考にはなるだろうが、その程度では質の高い出展での成功とは成り得ない。中には純度の低い正論があって、一見有用と思われるが輝いていないアドバイスやサポートがある。
ほんの少しのことを上手くやったところで容易に成功はしない。逆に、優れた3割打者も、7割は失敗している。
成功も失敗もその要因は同根である。成功の要因は失敗の原因。
成功しようとすると、多くの要因のほとんどをクリアすることが必要となるが、僅かの原因が重なると失敗となる。
成功事例は、個別の見極めにおいて環境や経営者の指導や、企業リソースや実力など諸条件が合致しないかぎり参考にならない。だが反面、失敗の事例こそが解決すべき課題でありテーマとなる。
失敗の本質や改善の仕方を知ることは、成功の仕方を知ることにもある。
どのように行えば成功するかの姿は見えにくいが、失敗の本質は見えやすいもので、が故に、失敗しないようにと、未然に手を打ちやすい。
先ず、現状何に失敗しているかは、当該サイトの☑マークを 5段階評価で複数人で行えば、ある程度見えてくる。
開催展示会をウオッチングすれば容易に判明することであるが、一部出展者は出展して確実に成功している。
但し、おそらく当該サイトの冒頭の「想定対象者」の ⑴~⑻ の要件を充たしていると思えるブース展開を実施している。それは、スタッフの動きにそれらが露呈している。その企業の平均単価と顧客平均単価が判れば、会期中から会期後の展示会出展に伴う販売実績は推定できるものだ。
そして、「想定対象者」の ⑴~⑻ の要件を充たして居れば、ほとんどは大抵の出展者でヤレバできる。
要点は、失敗したことや負けたことをノウハウにすることだ。
失敗の原因がどこにあったのかの検証と、それを克服し、失敗の確率を極端に軽減しなければならない。ロスの削減を図ることで同じ失敗は繰り返さない働きから、成果が生まれ増大する。
この努力が成功への道である。
ところで、出展に伴って、効果測定をやろうと考えないことだ。
因子値の設定と精密なデータを用いて関数などの数式で算出の要因分析など本格的で専門な複雑な計算式を用いる効果測定は、やるべきでないと否定する者ではないが、如何に巧みに分析加工(インテリジェンス)したところで、前以て結果・結論は見えているから、投入した1,000万円を下らない費用は 0(ゼロ)円の価値も生み出さない。
☑ さて、それは何か。何故か
6- 1 -19. ROI(投資効率)「1」を得るため一日何人(社)ブースにお客を立寄らせるか、の試算
経済産業省pdf『展示会産業概論』第5章 出展企業側からみた展示会「1.出展の目標と効果」「①ROI 算出の意義」で、
「出展目標が定まると、その目標を達成するために必要な費用及び出展により得られる利益を事前に推計し、効果を試算することが肝要です。この効果の推計方法の一つとして一般的に用いられる指標が ROI です」
「投資効果(ROI:ReturnOn Investment) を求めることにより、企業が選択した展示会は適切だったのか、そして展示会での戦略は正しかったのかということがデータとして示されることになります。厳しい競争時代の現下、今後は ROI に目を向けることも重要となってきます」
「なお、展示会場で売買が行われなくても、展示会をきっかけにして後日に商談がまとまる(売り上げにつながる)場合もあるので、ROI は短期的視野だけでなく長期的な視野をもって判断することも必要です」
「当初の推計値との比較による評価(相対評価)をすることも重要です。絶対評価がプラスであっても相対評価がマイナス(利益が当初計画に達していない)であれば、期待したほどの成果が得られていないことになります。この場合、計画段階あるいは実行段階のいずれか(もしくは両方)に課題が生じたこととなり、次回までに課題の解決が求められます。絶対評価がプラスで、相対評価もプラスになるようであれば、次回出展の可能性が高まります」
と語られ、「目標を達成するために必要な費用及び出展により得られる利益を事前に推計し、効果を試算することが肝要」としている。
更に、『展示会産業概論』の、第3章 我が国の展示会産業 1.我が国の展示会産業の沿革と位置づけ 「(3)我が国の展示会産業の特徴」 <我が国の代表的な展示会>」展示会事例⑤ TOKYO INTERNATIONAL Gift Showでは、
・出展者数:2,314 社、うち海外は 202 社(2014 年2月の第 77 回)
・来場者数:196,378 人、うち海外は 3,360 人(2014 年2月の第 77 回)
出展者 1社当りブース立寄数 509人(来場者数:196,378 人÷出展者数:2,314 社×推定1人ブース立寄数 6ブース)
会期中の引き合い件数は及び成約高は1社平均 60 件・648 万円(2013年の第 76 回)、
出展者1社平均引き合い及び成約率11.8% = 出展者1社平均引き合い及び成約件数60 ÷ 出展者 1社当りブース立寄数 509人×100.0
今後6ヶ月間の見込み引き合い件数及び見込み成約高は、1社平均 53 件 1,124 万円(同)
出展者1社平均成約見込み件数 = 113件数
出展者1社平均引き合い及び成約件数60 + 今後6ヶ月間の見込み引き合い件数及び見込み成約件数53 件
の数字が示されている。
しかし、この展示会は、おもちゃショーや、東京モーターショー、FOODEX JAPAN(国際食品・飲料展)などの消費財の一例であるが、
「展示会事例」項目を含めて、Gift Showで示された上掲の数字は、他の消費財BtoB開催展示会では開示されていない。
生産財BtoB開催展示会も同様、どこにも記載がない。
記載がないが、「出展の目標と効果」、「出展に対する効果の算出」、「ROI(投資効果)」、「市場規模、総支出額及び経済波及効果の考え方、算出方法及び算出事例」、「契約誘発効果の考え方、算出方法及び算出事例」などが説明されているように、『展示会産業概論』には、「効果に対する指標の意義」や「算出方法」について解説されていて、このビジネス・ガイド社のデータは大変参考になる。
が、生産財BtoBに当てはめることはできない。消費財BtoBとまるで違いがあるからである。
さて、経済産業省の『展示会産業概論』https://www.nittenkyo.ne.jp/other/document/H2603_gairon.pdfの、
第3章 我が国の展示会産業 2.我が国の展示会産業の動向 「(2)市場規模、総支出額及び経済波及効果の考え方、算出方法及び算出事例」で、
「展示会開催の効果を生産や消費の動向から捉える指標として、市場規模、総支出額及び経済波及効果があげられます」
の前置き後の、
「図表 53 ②展示会出展者経費の内訳」で記載の
造作関連人件費 18.3% 17,671百万円 造作材料費(レンタル料除く) 16.7% 16,064百万円
レンタル料 8.3% 8,032百万円 電気、水道、ネットワーク費用等 3.3% 3,213百万円
企画、デザイン等 8.3% 8,032百万円 印刷物、販促品費用等 3.3% 3,213百万円
MC、コンパニオン等運営人件費 33.3% 32,129百万円 その他雑費 8.3% 8,032百万円
合計 100.0% 96,386百万円
の「割合(%)を
「ROI(投資効率)「1」を得るため一日何人(社)ブースにお客を立寄らせるか、の試算」の参考にすれば、
第5章 出展企業側からみた展示会 1.出展の目標と効果 (2)出展に対する効果の算出 ②ROI の算出方法 <展示会出展に要する費用> に「費用項目と費用」を当てはめると、以下のようになる。
【ブース賃借料】(一区画:9㎡) 250,000円
【ブース装飾代】 200,000円
企画、デザイン等 8.3%
造作関連人件費 18.3%
造作材料費(レンタル料除く) 16.7%
レンタル料 8.3%
電気、水道、ネットワーク費用等 3.3%
【人件費】(2名、旅費を含む) 450,000円
【その他経費】 100,000円
MC、コンパニオン等運営人件費 33.3%
印刷物、販促品費用等 3.3%
その他雑費 8.3%
【費用合計額】 1,000,000円
この費用項目で良いのか、という問題はあるが、ここでは一応このままで流用し、「ROI(投資効率)「1」を得るため一日何人(社)ブースにお客を立寄らせるか、の試算」を算出してみることにする。
そこで、第3章 我が国の展示会産業「 2.我が国の展示会産業の動向」では、
「生産財については、「環境・エネルギー」が最も多くなっており、話題性の高さが反映されています。次いで「IT・オフィス機器」「機械要素・部品・工業材料」「エレクトロニクス・電子部品」となっています」と紹介があり、
生産財と消費財を織り交ぜて、
3)経済波及効果の考え方及び算出方法 「5)契約誘発効果の考え方、算出方法及び算出事例」には、
「出展企業は展示会会場において、販売促進策やコミュニケーションを駆使することにより、売上額を増加させていきます。この売上増加額を「契約誘発効果」と定義します。また、②の経済波及効果と同様に、こちらも売上増加に伴い全産業への連鎖的な波及が生じます。この波及効果を「契約誘発効果に伴う経済波及効果」と定義します。
(中略) 「契約誘発効果」の算出は、出展企業の売上増加額を足し合わせる合計値となります。(中略)東京ビッグサイトが平成 19 年に行った推計によると、「契約誘発効果」は全国で約 2.7 兆円、東京都内だけだと約 1.7 兆円でした。「契約誘発効果に伴う経済波及効果」は全国で約 5.8 兆円、東京都内だけだと約 2.9 兆円でした」
と、この「経済効果」が語られていないが、「展示会の効果」が、強調されている。「契約誘発効果」と表現され、あたかも生産財BtoB開催展示会は「経済効果」にそぐわないと思わせるのであるが、生産財は、客数は少ないが、「全体的な傾向として消費財市場より大規模」であるから、遜色はない筈だ。フェア・マーケティングあるいはフェアリングという観点の展示会ビルディングと出展力を強く伴ってのブーシングの構築次第で、華々しい消費財開催展示会同様の経済効果を生むことができよう。
が、(「第3章 我が国の展示会産業」で、「経済効果」に触れたのは、
「 … この第三者認証制度導入の目的は、次の3点にあります。」に関して、
1.標準化による統計の正確性確保と展示会産業の経済効果の適格な把握
の一行のみであったことは、示唆的である)
投資費用合計額 = 目標収益額(引き合い・成約・受注額) 1,000,000円で設定して、平均原価率を 65% とすれば、売上目標は 1,538,500円となる。
目標成約件(社)数を算出するために、平均単価を 70,000円 とすれば、目標成約件(社)数は 22社となる。となる。
平均受注率を、農耕型営業スタイルのルートセールスと同じで設定すれば、12.6%であるから、目標商談件(社)数は、175社となる。
単純に会期三日間でそれを割ると、一日当たりの目標商談件(社)数は、58社となる。
ここまでのことを整理すると、
投資費用合計額 = 目標収益額(引き合い・成約・受注額) 1,000,000円
平均原価率を 65%
売上目標は 1,538,500円
平均単価を 70,000円
目標成約件(社)数は 22社
農耕型営業スタイルのルートセールスの平均受注率 12.6%
目標商談件(社)数は、175社
一日当たりの目標商談件(社)数は、58社。
ここからは、時の流れに沿った客数を割り出して算出する … 。
毎日、毎回12分間単位のブース・パフォーマンスで、1回当たり15名のお客をステージ前等マグネット・スポットでプールしてブース立寄り促進のテーマで繰り返したとすれば、一日35回(7時間÷12分間)すれば、
一日(7時間)に525人ブース内展示コーナーへ誘い込む計算になるが、全員自社にとって質の高いお客とは言えず、見込み違いのお客も含まれているから、そのお客が64.5%の339名だとすれば差額の186名が質の高いお客。そのお客すべてが商談に応じるとは言えないから、商談の有資格者(社)の割合を推定42%とすれば、78人(186名×42%)。その内、74%のお客が商談相手に絞られたとすれば、58人(78名×74%)。この58人(社)が一日当たりの目標商談件(社)数として、たまたまであるが符合する。
この箇所を整理すれば、
毎日、毎回12分間単位のブース・パフォーマンスを実施し、1回当たり15名のお客をステージ前等マグネット・スポットにプール。ブース立寄り促進のテーマでそれを繰り返し、一日35回実施。
その結果、
一日525人のお客をブース内展示コーナーへ誘い込むことができ、セールス・アプローチするものの、
自社にとって質の高いお客は186名に絞られる。
このお客すべてが商談の有資格者(社)とは言えないから、探って行けば、
その内、商談の有資格者(社)78人に巡り合えて、
その内ようやく58人と商談が可能となる。
設定した、投資費用合計額 = 目標収益額(引き合い・成約・受注額) 1,000,000円、つまり赤字にならないこの収益を展示会出展で求めるには、15名単位で35回のブース・パフォーマンスを繰り返す方法で集客するとすれば、
一日(7時間)に525人ブース内展示コーナーへ誘い込む計算になる。
因みに、42% 64.5% 65% 74%はいずれも推定・仮定であるが、
42%は、「相対的安定シェア」
64.5%・65%は、「Aランク下限の下値」
74%は、「独占的マーケットシェア」
を是非はともかく、想定のうえ用いた。
この試算で言えることは、見込み客(リード: Lead)や新規開拓先を対象に出展して、ブース前通行客のなかの自社にとって質の高いお客がブース内に立寄り、セールス展開を経て商談客に絞って活動することで、ROIは達成されるものであり、
自社にとって質の高いお客がいつ何人(社)立寄ってくれるかは神のみぞ知ることである以上、
立ち寄らせる仕掛けを講じ、リードや新規開拓先を個別に見極めて、商談に向けて能動的に活動を標準化して展開。
彼らにこれをしないかぎり、目標達成にはならないであろうと云うことになり、
あくまでも、一日当たりブースに525人のお客を立寄らせる前提で、その客数がブース前を通行している条件となる。
投資費用合計額が1,000,000円であれば、1,000,000円の収益が無ければ赤字となるが、もっと厳密に言えば、投入した手間・時間・コストに見合う利益を生む必要がある。
ここで言えることは、
出展して商談によってROI「1」を遥かに超える実績を得るためには、積極的な集客活動を展開し、ブース立寄り客の中から商談に応じるまでターゲットは次第に減少するだけに、数値による活動の目標管理を行ない、推定して設定した数値は、出展のつど見直すことが求められるのであろう。
☑ それにしても、生産財のお客の内、何パーセントのターゲットアカウントが、商談目的にやって来ているのであろうか
☑ 主催者やオーガナイザーは、その数を正しく把握している筈であるが、それを開示している開催展示会はどれくらいあるのであろうか
☑ 生産財のお客は僅少であると思われるが故に、「商談活動中心の展示会出展」の是非は一考も二考も三考もすべきでなかろうか
6- 1 -20. 条件を調えて安定したROIを生む準備で臨んだか
展示会は主催者から未完成の小間で出展者に受け渡される。決果を出す準備をしないままであれば、元の木阿弥。「決果の出る準備をしなければ出展の意味を成さない」。出展者は、展示会に参加するとは、この「決果の出ることに参加」となる。展示会は「その目的の共創の場」とするから、「集積メリットが生まれる」。「集積メリットをシェアリングすることで、商談の成果が高まる」。「商談は、短期決戦型の販売(セールス)で終始するものでない」。
☑ 見込み客(リード: Lead)や新規開拓先を対象の商談で、「引き合いを得たり成約したり、またはそれらの見込みを得たりする出展」において、これを実現するため、何を準備できたか
☑ 「出展の成果を最大化する」には、何をどうするか。どのような着眼で臨めば大きな成果が得られるか
☑ 展示会に出展して、何を「目的」に置いて、どれだけを「目標」にしているか
生産財BtoB開催展示会は、出展者から商品(製品・技術・サービスなど)優位、機能の優秀性、特徴などをの一方的なかたちで伝えるのではなく、むしろ「来場客が出展者に情報発信場」となる。問合わせ/ 質問/意見・感想・要望/ 相談/トライアル・エントリー/ 提案の承り/ 購入条件確認など、販売につながるリードや新規開拓先の主体的な情報発信にストレートに対応できる場が展示会である。
投資効率(ROI)あるいは費用対効果(B/C)「1」は、出展成果の最低ライン。これでは「手間・時間・コストを投入した意味」を成さない。
☑ ROIあるいはB/C(ビーバイシー)「1」を遥かに超えた結果と、出展で成功した成果(出展の目的と目標)を出すその前提条件は何と何か。
☑ 展示会出展の成果は、展示会出展の効果から生じる。この効果を発揮することを実施して、その結果で成果につながる。では、「どのような効果が展示会出展で得られるか」、整理して活かしたか
☑ 展示会で優位の光を放つのは、出展成功の前提条件となる幾つかの課題を「出展力でクリアにする」ことで、となる。このクリアにする出展力はどのように身に付けるべきか
☑ 展示会に出展して、商談に臨むに当たって、「ビジネスの基底」をどこに置いてのことか
☑ ROIは、トントン(「1」)で良いとするのか。「芽を出す」程度」か、「花を咲かす」のか、「実を獲る」のか、「根の力を」か
☑ 「販売方針」を打ち立ててのことか。「販売計画」は立ててのことか。対前年比で算出か。それとも「顧客の支出総額から割り出した可能性を探っての計画」か
☑ その計画は、「セールス・プランニングを立案」してのことか
☑ それは、「何を目的にして」のことか。「目標を設定」し、「活動テーマに落とし込んでの行動プラン」が練られのことか
☑ 大きな成果を得るために「解決すべき課題/ 活動テーマ」は、出展計画で明確にしているか
☑ 「競合他社対策」を講じてのことか
☑ 「競合の域を遥かに超えた企業や、関連市場の出展企業の狙い」はどこにあるのかを把握して、それを加味しての策を講じているか
☑ 「ターゲット戦略を実現する」ことは出展結果を出す重要条件の一つとなる。短い時間という制約のなか、リードや新規開拓先と初めてコンタクトして、「何を実行してターゲット戦略を実現し、出展成果(目的・目標)を最大化するかを構築」して、「信頼関係が築く」か
☑ メインターゲットアカウントのプロフィールは「特定」してのことか。その上で「選択基準」は策定できているか
☑ 顧客が対象商品(製品・技術・サービスなど)の利用・消費する「シーンのT・P・Oは描ききって」いるか
☑ メインターゲットアカウントが、継続して利用・消費することで「満足し、更なる満足を創る」設計はできているか
☑ 「固定取引先として育成する」ことを見据えての商談か
☑ 「ビジネスに勝利する」ために、何に着眼すべきか。それらにたいし、何を実現することが、販売方針や販売計画に沿うことになるか
☑ ニュース性や話題性を告知する「パブリシティ」は実施したか
☑ 「チャンス創出」の準備は行ったか
展示会は、競合他社の付近に立って展開する「売りの最前線である」。売りの最前線ということは、戦略を具現化した施策を講じて、その有効な推進役たちスタッフによってコンタクト(接客)した大勢の質の高いお客をターゲットにして競合他社よりも大きな結果として答えを出して行く場であるということである。
このビジネスの好機となる展示会を活用することを立案して臨むから結果が出るのである。この売りの最前線に関する切り口の特性を活用しなければ、「効果」は期待できない
6- 1-21. 売り急ぎ、単に先取りの「販売や契約など商談目的の出展」の効果はスモールで終始する。出展の目的を短期決戦型にすると大損する
販売計画・販売戦略は、年間・半期・四半期・月間の目標を追う短期にたいし、中期目標があり、展示会出展による販売計画・販売戦略を、短期とすると割に合わない。結果はそれなりの小さなもので終えるからである。
☑ 「購買や契約など商談を目的とする来場客」が、会期中に何社(何人)やって来て、その内何社(何人)「販売や契約など商談目的の出展」をしている自社ブースに立寄ってくれるかが分かる出展スタイルを取っているだろうか
☑ そもそも、「購買や契約など商談目的の来場客」は来場者総数の何パーセント居て、何社存在するのだろうか
☑ それを誰も確実に予測できないまま、「購買や契約など商談を目的とする来場客」が自社ブースに立寄ってくれて、投入した手間・時間・コストを上回る利益を獲得できる保証は丸でないと思わないか
☑ 米国などのTrado ShowやTrado Fair(取引関係者のみの専門展)、またはドイツ型のMesse(専門業者限定見本市)としてバイヤーを集客する商談中心の展示会を開催するのであれば、大半は「購買や契約など商談を目的とする来場客」となる。
主催者やオーガナイザーがその気になってその呼びかけで告知し集客して展示会を開催しても、日本国内の開催展示会は、そうはならず、やって来る大半の来場客は、情報収集目的ではないか
☑ 直ぐのその気になっていない情報収集目的のお客に売り急いで結果が出ると思うか
☑ 会期中、「購買や契約など商談を目的とする来場客」をターゲットにして「販売や契約など商談目的の出展」に専念するスタイルの展示会はほとんど開催できていない。では、情報収集目的のお客にPR中心のブース展開を実施して、売りにつながっていると言えるか。会期中売りの完結を目指して、受注中心のセールスに専念する出展の目的の条件に叶っているターゲットか
☑ 会期中販売の完結に向けて、受注中心のセールスに専念する短期決戦型を出展の目的にしたのでは、ロスが多過ぎると思わないか
☑ 仮に、会期中販売による営業利益が出展投入コストを上回ったとしても、それは展示会出展の効果と言えるか
☑ その結果の実績は、通常のビジネスステージでのセールス活動においても充分達成可能ではないか
☑ それをわざわざ展示会に出展して、行うのか
☑ PR中心のブース展開を実施して、売りにつながっていたのは、高度経済下までのことであって、その後は、宣伝広告もプロモーショナルマーケティングを展開しても直ぐのその場で買うお客はほとんど居ない。では、この情報収集目的のお客をターゲットに出展して、何をどのように展開すれば、非日常の商空間化したブース展開にふさわしいROIまたは費用対効果B/ Cの「1」を遥かに超える大きな成果が得られるか
☑ ライバル企業/ 競合他社の居る傍で何故それをやるのか
☑ その程度の結果のために、何か月もの月日を費やして、企画や計画・準備に追われ、多額のコストを掛けて大勢のスタッフが会期中会場に釘付けになって、わざわざ非日常の商空間に出展して行う行為か
☑ 会期中、「販売や契約など商談目的の出展」、すなわち、年間・半期・四半期・月間の目標を追う短期決戦型の販売計画・販売戦略、言い方を変えれば「販売の完結を求め受注を中心としたセールスに専念する」出展スタイルは、通常のビジネス活動となんら変わらないと思わないか
☑ 通常のビジネスステージにおける活動で行うべき行為をなぜわざわざ非日常の商空間化したブース展開で行おうとするのか
☑ 非日常の商空間化したブース展開にふさわしいROIまたは費用対効果B/Cの「1」を遥かに超える大きな成果を目指せるものを見捨てて、その機会ロスを招いていると思わないか
☑ 短期決戦型の販売計画・販売戦略は、展示会出展では割に合わないと思わないか
もちろん、「購買や契約など商談を目的とする来場客」がやって来れば、その場で「売りの完結」もできよう。その機会を自ら失えば、その見込み客(リード: Lead)や新規開拓先はライバル企業/ 競合他社の居るブースで充足するだろう。
☑ すべての顧客が購買や契約など商談で支出する年間の総額は、基本的にほぼ一定していると思わないか
☑ 展示会に出展して、会期中、「販売や契約など商談目的」に専念する行為は、「市場・業界内での支出配分総額」を単に先取りしているに過ぎないと思わないか。出展するまでもないことをしていないか。展示会に出展しておこなうまでもないことを知るべきではないか
☑ 会期中、展示会に営業担当者やマーケティング担当者が釘付けとなって、単に売り急ぎしているに過ぎないと思わないか
☑ 展示会に出展して、非日常の商空間化したブース展開にふさわしいROIまたは費用対効果B/Cの「1」を遥かに超える大きな成果を目指すことを目的としなければならないと思わないか
☑ 展示会にライバル企業/ 競合他社も出展しているこのことは何を意味しているか
☑ 何のために展示会に出展したのか
☑ 展示会は、ライバル企業/ 競合他社と共に、顧客の年間支出総額すなわち市場規模拡大にふさわしい非日常の商空間であることに気づかないか
☑ つまり、こぞって一人でも多く愛用者/ 安定した取引先にするよう努めれば、市場規模は拡大する。これを健全で秩序ある競争によって創り出し、成果を分かち合う(シェアリング)場が展示会であると思わないか
☑ 顧客が利用価値を高め顧客価値が高まれば、「売上げを拡大し、安定した大きな利益を得て、競合他社に勝利し、マーケットシェア(市場占有率)を高める」ことが出来、通常のビジネスステージにおける活動に結果は円滑にリンクすることで市場規模は拡大し、且つ、需要の喚起・拡大と顧客づくりに最適な展示会を主催者・オーガナイザーと出展者が共創することに努める(フェアリング)ことで、開催のつど新しさを生み出し、エネルギッシュに成長させ、展示会生命を力強くさせる。これが展示会の目的ではないか
6- 1-22. ◆ 出展ブースはプラットホーム
出展ブースは売り場として幾つかの顔を持っている。
⑴ 売りの完結の場
⑵ 購買行動や購買予定行動を起させる場
⑶ その気にさせる場
⑷ 売り現場を見せて記憶させる場
⑸ 競合他社と勝負する場
etc.である。
取引を求めて商談にやって来る顧客には、手際よく威勢よく対応して、ブース内で顧客満足させることになる。
しかし、大半のお客は「情報収集目的」でやって来るから、これらのお客には売り急ぎしないことである。
ファン創りである。
言うまでもなくセールス展開には長い手順があるが、
先ず有用情報の提供をして、ニーズを探るなど顧客情報を得て、ニーズと提供価値を結んでのベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)を提示しながら見せて、聞かせて、価値に触れさせ、購買行動や購買予定行動を起させる作業展開を、
短いコンタクト(接客)時間のなか、展示会メディアパワー活用のブーシング推進力で瞬発的に一気呵成に動機づけ、学習効果を高め、再生・再認知名度を確かなものにすることで、
結果、この場をビッグビジネスに向けての足掛かりのプラットホームと位置づけ、改めての商機にブリッジングする場とする
6- 1-23. ◆ 必須20のブース展開構成と外せない手順
Q: よくあるブース展開パターンの、どこで何の活動が欠落しているか
⑴ 待機・出迎え
⑵ ブース前で集客活動を実施
⑶ *
⑷ *
⑸ アピール等ブースパフォーマンス/ セールスイベントやデモンストレーションに参加させる
⑹ *
⑺ 製品の展示・陳列コーナーに立ち寄らせる
⑻ 個別にアプローチし、コンタクト(接客)する
⑼ *
⑽ プレゼンテーションや製品説明の実施
⑾ *
⑿ もてなし
⒀ *
⒁ 商談を行なう
⒂ *
⒃ *
⒄ *
⒅ *
⒆ *
⒇ *