第五部 展示会と顧客 構成
5- 1. ◆ 待機・出迎えの機能
5- 1- 1. チマチマし過ぎた待機の仕方では、成果は他社に持って行かれる
5- 1- 2. 名刺情報程度では間の抜けたアプローチにしかならない
5- 1- 3. ブース展開を見れば「企業力や社長の顔が見て取れる」
5- 2. ◆ 展示会の歴史・定義・タイプ等考察
5- 2- 1. 展示会の歴史
5- 2- 2. 展示会の定義
5- 2- 3. 商談の定義と商談の狙い
5- 2- 4. 売りの結果を出すことを目的とする展示会とそうでない展示会
5- 2- 5. 会期中に売りの完結を目指す展示会は有りか
5- 2- 6. 展示会タイプの再確認
5- 2- 7. 会期中の契約やBtoB取引など商談に特化した展示会や見本市にこだわっている開催展示会コンセプトは、成果の規模は期待できるのか
5- 2- 8. ブース前通行客のプロフィールで分類すると、ターゲットとすべきお客のプロフィールが 2タイプ見えてくる
5- 3. ◆ BtoB開催展示会の主たるタイプ
5- 3- 1. 自発的に顧客に直接需要を喚起し農耕型営業スタイルで展開する日本の産業競争力を支える企業間取引のBtoB企業の基軸に置く考え方
5- 3- 2. 農耕型営業スタイル企業が活用する展示会の主たるタイプ
5-4. ◆ 出展スタイル概要と生産性の高いブース展開の着眼
5- 4-1. 需要を自発的に直接創り、その営業スタイルが農耕型のBtoB企業が出展する開催展示会の、出展スタイル概要と生産性の高いブース展開の着眼
5-5. ◆ 顧客(取引先)への対応
5- 5- 1. 既存取引先と展示会との関係
5- 5- 2. 既存取引先は決して、ないがしろにできない
5- 5- 3. 新規見込み客(リード: Lead)厳選のパターンは、「BtoB取引行動や取引予定行動を起こしたリード」と、「情報収集目的でやって来て興味・関心を持ったお客」
5- 5- 4. 情報収集を目的にやって来るターゲットアカウントのニーズと出展の目的を乖離させてはいけない
5- 5- 5. クラスアップ策のテーマ
5- 5- 6. 既存取引先とリードの26セグメント
5- 5- 7. BtoB企業の取引先(ターゲットアカウント・安定取引先)への向き合い方
5- 1. ◆ 待機・出迎えの機能
5- 1- 1. チマチマし過ぎた待機の仕方では、成果は他社に持って行かれる
だから、祭りの露天商に見られるような、お客が入って来るのをひたすら待つスタイルでは、チマチマし過ぎて出展の目的・目標の願望には届かない結果になりやすい。出展者の大半はこのパターン。この実態は会場をこのチェックで一巡すれば、誰にでも容易に判明する。
中には、出展者の責任者と思われる人がブース前に仁王立ちしてお客の流れを睨みつけるような面持ちで見続けている。上司と思われる人がたむろして、腕を組んで雑談もしている。ブース内で、テーブル囲んで小声で密会しているような光景も見かける。コンパニオンの女の子とブース前でじゃれている人も居る。
ある受付嬢が私が通り過ぎようとするときクスッと笑ったので「どうしましたか」と聞いた。すると「これだけ大掛かりな準備をしたのにお客様がさっぱり入って来られないからつい、苦笑いしました。失礼しました」とこぼされたことがあった。マネジメント感覚を持った受付嬢だった。
出展者総数を100.0としたとき、ブース規模の大小を問わず、全体の87パーセントは、この出展者と同類である。
チマチマし過ぎた待機の仕方では、生産性が高まらない。少なくともイノベーションの形跡が無い。マーケティングも機能していない。戦略もない。企業の事業においてこのどれ一つでも欠かしては持続可能な成長どころか、維持すら難しいことから、生産性の向上・イノベーション・マーケティングそして戦略は必須である。
その出展企業の担当者も先輩も上司も、部署の責任者も経営管理者や経営者もこの実態に気づいていないか、見て見ぬ振りしているのかはわからないが、大半の出展者はこの待機のスタイルで、ブース立寄り客が極端に少ない実態に変わりないと言えるくらい昔からこうである。
主催者やオーガナイザーも同様、このことに一言も触れないし、サポートしようともしていない。これでは出展者は結果を思うように出せないから、手間・時間・コストに見合う利益はおろか、マイナスであるこの出展者に頼って開催展示会が成り立っているのであるから、主催者やオーガナイザーにとって死活問題のところ、彼らは口をつぐんだままである。
この待機法が恐ろしい結果を生んでいることに気づいていないのかもしれない。もしそうであれば、主催者やオーガナイザーも出展者も展示会出展の学習が出来ていないという程度のことで済まない大問題である。何故なら、早晩すべてが消える可能性を秘めている。事業はどこにせよ、持続可能な成長を遂げなければ成り立たないのである手を付けようとしているところは極端に少ない。
展示会で特に情報収集が目的の来場者の方から、ブースに立寄ることは基本しないものであるから、出展成果(目的・目標)を例えばROI効果を計画通り達成するには、そういう結果をもたらす効果を狙うことであり、そのためには展示会メディア特性を生かして、展開できる訓練と、その前段階の出展企画を練り上げておかなければ成就しない。
集客の工夫も、考えて・考えて、考えなければ、成果は出来ている他社に行く。そうなれば、本来見込める売上げと利益にプラスして投入した手間・時間・コストのマイナスの総額も失っていることになる。これを出展のつど毎年、何年間も何十年間も同じ失敗を繰り返していて、このことに経営者も気づいていない。
5- 1- 2. 名刺情報程度では間の抜けたアプローチにしかならない
この時点で、顧客情報は何一つ持っていないから、セールスアプローチしても商談にはならない。
コンタクトして名刺を受領することに専念している出展者を多く見かけるが、その企業が会期中および会期後に販売(セールス)に成功して、投入した手間・時間・コストに見合うあるいは遥かに超えた利益を生んだ話は聞いたことがない。
セールスアプローチするには、それに役立つお客情報を必要とする。名刺情報程度では間の抜けたアプローチにしかならないから、その程度で終わらせたのでは出展した意味がない。名刺情報を基にメルマガなどを送信するのはまったくムダである。
5- 1- 3. ブース展開を見れば「企業力や社長の顔が見て取れる」
出展者の「出展力」と「企業力を瞬時に、ほぼ確実に観察できることに気づいているか。
言い換えれば、それは競合他社をはじめ業界団体からも業界紙等プレスなどからも、そして何よりも大切なお客からも見抜かれていると、思わないか。
前項で語った「ブースへの立寄らせ方」が出来ていない問題も、ブース前に佇み、立寄り状況の把握は、ブースウオッチングすれば誰でも容易に確かめられる。
工夫の無いその企業の社長の顔が、ブース前を素通りするだけで誰にも見えているのである。
開催展示会の 87パーセントくらいの出展企業は、立寄り客が入って来るのを待っている。これが事態だ。
だから、出展者の責任者も、主催者も、広告代理店もこの実態を見て「立寄らせ方の稚拙さ」をしるべきだ。
そしてその対策を講じなければ、なにもかもが衰退の一途を辿ることになる。
特に出展者は、たとえば30分間に自社にとって質の高いお客が、商談に結び付く情報を交換し、その後訪問して売上げにつながる営業活動ができるお相手を、目標の何社を見つけ出したか。実態把握を推奨する。大手企業ほど手が打てていないその傾向がある。
そればかりではない。
通常のビジネスステージにおける活動でも完了させていなければならない諸課題を山積み状態にしたままになていないか。
そのうえで、解決しなければならない大きな課題は、展示会メディアの特性と限界特性をはじめとする制約特性に関係しての出展特有の考え方、出展ならではの展開を駆使する必要があるし、これは避けて通れないテーマである。
5- 2. ◆ 展示会の歴史・定義・タイプ等考察
5- 2- 1. 展示会の歴史
我が国の展示会の歴史を振り返ると、1871(明治4)年の「京都博覧会」が博覧会のさきがけ。その後1877(明治 10) 年、ときの明治政府主催による第1回「内国勧業博覧会」は、 5回開催された。以降、昭和 40 年代の中頃まで、全国で様々な博覧会が数多く開催された。
この博覧会に対し、貿易振興を旗印とした総合展示会「日本国際見本市(大阪)」が1954(昭和 29 )年に開催された。
見本市と展示会の相違は後述するが、ともかくこれが我が国の「展示会」のはじまり。
これを皮切りに、1954(昭和 29 )年見本市の「東京モーターショー」が、1962(昭和 37 )年には展示会の、「エレクトロニクスショー(現 CEATEC)」が開催され、今日に至っている。
戦後の高度経済成長期を中心に、同じ頃から産業と貿易の振興を主眼とした業種別の各種産業展示会・見本市が次々に創設され、これまで盛んに開催されて来た。
産業振興の展示会と貿易振興の展示会と二分されそうであるが、厳密に言えばこれに加えて、産業振興の見本市と貿易振興の見本市となる。
こうして我が国において展示会と見本市が産業や貿易の振興に大きく貢献してきた。
1986(昭和61年)以降、米国のTrado Show・Trado Fair(取引関係者のみの専門展)を模して持ち込み、我が国の展示会業界はこれによって、展示会と呼称しながらも見本市に似た展示会として変貌した。
この間、現在まで展示会は統一された定義がないままに、主催者銘々の思惑に従って推移したが、2006-7年頃から、「展示会に関する専門用語等の国際標準規格」の準備が関係者から進められ、さらにまた、展示会を東アジアの中の日本と位置づけ、日本を世界市場の中心とした国際見本市を海外企業を参加させて大々的に開催するには展示会場のスペースが狭いことから、東京ビッグサイトの規模を遥かに超える国際見本市会場の建設計画が進められている。
大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」に建設の大阪IR(Integrated Resort=統合型リゾート)には「イノベーションゾーン」が予定され、MICE施設が設置される。これは、世界水準の MICE拠点を形成するもので、最大収容人数6,000人以上の会議室を中心に「国際会議場施設」が、それに併設される「展示等施設」、2つのホール合わせて約 2万m2の広さを確保しているので、世界的な展示会や見本市を開催することが可能、という。ここでも「展示等施設」と表現されているが、狙いは「国際見本市」であろう。
結構な話ではあるが、これを推進したオーガナイザーは東京や千葉幕張をはじめ既存施設ホールを満杯にできていないことから、約 2万m2の広さを維持できるのだろうか、と懸念されている向きもある。おそらくオープンされればそのオーガナイザー独占の会場となることも考えられなくもない。
5- 2- 2. 展示会の定義
展示会の定義に入る前に確認しておきたいことがある。
それは、この項の末尾で語る「日本で開催される展示会は、
「国際見本市」のタイプと「日本型展示会」に大きく分けられ、
前者は、「販売や契約を成す商談中心」となるが、後者は大半の来場者が「情報収集が来場の目的」であるから、その場で売り急ぎする行為は、生産性が極めて低くなるから得策ではない」
と関連して、商談について触れておきたい。
展示会出展に伴う商談とは、
商談目的で自社ブースを訪れた顧客に対し、商品・製品・技術・システム・サービスの優位性や利用方法およびそれによって得られるベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)等の説明を織り交ぜながら、
導入価値・利用価値あるいは利用者サイドに立っての不安や疑問を晴らし、価格交渉・納期相談などを行い、具体的な取引(売買・成約)へつなげる活動である。
単なる製品に関する説明だけではなく、顧客のプロフィールや課題をヒアリングし、その解決策を提案する場であり、商談・受注の起点から成約後導入・アフターフォローとなる一連の行為。
と、商談について概要をまとめてみた。
「日本型展示会」に出展して、「販売や契約を成す商談中心」となるブース展開を実施しようとすると、
呼応してくれる客数が少ない結果に合わせ、
短い会期の短いコンタクト(接客)で出きることは名刺交換だと体験上感じて、立派なノベルティや記念品と引き換えに名刺回収に専念する出展者が後を絶たないが、
この結果、半年以内または一年以内に会期中に回収した名刺の何枚が商談成立し、成約に漕ぎ着けたかを現実に確認すれば、
「情報収集が来場の目的」でやって来る大半のお客のなかの見込み度の高いターゲットアカウントにアプローチして、顧客のニーズを充たす対応の延長として会期後にヒアリング内容を深め、個別の見極めをした提案を手始めに親交を深め、
成約に向けて誠実で、熱心で顧客目線に徹して商談を進めなければ良好な結果にはならない筈であることを理解し、
「日本型展示会」に出展して、短い会期の短いコンタクト(接客)で「販売や契約を成す商談中心」となるブース展開では極めて非生産的となるから、「情報収集が来場の目的」でやって来る大半のお客のなかの見込み度の高いターゲットアカウントとし、このターゲットアカウントにマッチしたブース展開を実施することが、出展成果の最大化となる。
さて、この項の本題の「展示会とは」に以下話を進める。
『広辞苑』は、「展示会」とは「品物・作品をならべて展示する会」とあるが、
経済産業省作成の『展示会産業概論』
https://www.nittenkyo.ne.jp/other/document/H2603_gairon.pdf
の、「展示会の定義」によれば、
「展示会」については、展示会の他に、見本市、トレードショー等、様々な言い方がありますが、ここでは“商品やモノを陳列して見せる”という意味の展示ではなく、国や地域を越えたモノ(財)やサービス、情報の売り買い(トレード)と商談目的としての展示会を言います。
と説明し、
日本国内に止まらず世界標準の展示会との位置づけから「国や地域を越えた」云々とし、「売り買い(トレード)と商談目的としての展示会を言う」としている。
つまり、契約やBtoB取引目的の商談中心の、という意のようである。
そして、
「展示会」の考え方は、関係団体・組織や地域ごとに多様に存在します。そのなかで、定義の統一化を進める動きがみられます。
その中で
米国をはじめ、海外の展示会は、バイヤー(BtoB取引権限を持った人)や企業の決済者が商談相手を探しに来るケースが多く見られる、この見本市・展示会が主力となっているが、
展示会に関する様々な要素の定義
展示会に関連する様々な要素(来場者、来場者のカウント方法、海外来場者、海外出展者、出展面積、国際展示会)についても、関係団体・組織や地域によって考え方が異なります。国際的な比較や、企業として参加すべきかどうかを判断するための価値・質を検討するうえで、それぞれの定義や指標が異なると不都合が生じてしまうため、考え方の統一が望まれます。
我が国では、ISO25639 定義に準拠する形で、各要素の定義付けを行っています。・・・ と、国際標準化機構(ISO)では、「展示会」の定義(ISO25639 定義)を定めています。
とし、
国際標準化機構(ISO)は、「商品、サービス、情報などを展示・宣伝するためのイベント」と、展示会を定義している。
だが、経産省はこれを、準拠する形で、
我が国における「展示会」の定義を「商品、サービス、情報などを展示・宣伝するためのイベント」(ただし、フリーマーケットや路上販売は含まない)と設定した。
一般社団法人 日本展示会協会は、
「展示会とは」で、
展示会は単に商品を展示(陳列)する場ではなく、出展者が商談を通じて商品の販売につなげたり、正確な商品情報を伝えたりする場です。同じ呼称で美術館や博物館で行われている「展覧会」とは異なります。「見本市」と同義語です。
とホームページに掲載しているにとどめている。
ちなみに、見本市 =
Trade Exhibition または Trade Show ないし Trade Fair(商品(製品・サービス)見本を見せて商談のために開催される催しで、主としてビジネス目的の来場者を対象とするもの)で、Tradeは上掲したとおり「売買」。
☑ 単に商品を展示(陳列)する場だと出展企業は思っているということか
☑ 出展者が商談を通じて商品の販売につなげたり、正確な商品情報を伝えたりする場です、というが、企業のショールームと展示会に出展しての展示・陳列コーナーをどのようにそれぞれを位置付けると良いか
☑ 日本展示会協会は、展示会メディアの本質や特性に少しも触れていないが、展示会そのものをどう思っているのだろうか
プロモーショナルマーケティングで言えば、課題解決テーブルにおける手段として展示会は「イベント的手段」の範疇となるが一般社団法人 日本イベント産業振興協会やイベント学会で展示会は「イベント」のこと以上には踏み込んでいない模様。
国際標準化機構が同じく展示会を「イベント」としているが、広告代理店の視点に捉われすぎている発想である。しかも領域が広過ぎて、更にクライアント企業の営業成績には絶対的に触れないなど広範な機能を発揮する展示会には手に負えないと見ている。
むしろ「クローズドメディアのニュアンスに近い「コミュニケーションツール、マーケティング手段としての「展示会メディア」を確立すべきと考える。
何故なら、プロモーションによる課題解決手段は以下の 5手段で、一般に展示会は「イベント的手段」の一つであると位置づけられている。
「マスメディア」/ クローズドメディア」・「商品的手段」・「人的手段」・「イベント的手段」・「組織・制度的手段」による総合ソリューションメディアであり、展示会メディアパワー活用機能・インストアマーチャンダイジング機能・マーケティングセールス機能・推奨販売機能・小売店の推奨販売機能・小売店の対面販売機能・セールスイベント機能・ブーシングプロジェクト機能・セールス機能・フロントマネジメント機能・コントロールタワー機能等々のクロスファンクションで展開されることから、この展示会の定義「イベント」は、課題解決手段の一部でとしか捉えられていないから、抜本的に見直さなければならないと考えている。
現在進んでいる大阪IRのカジノに隣接するイノベーションゾーンのMICE施設に併設される約2万m2の広さを確保している「展示等施設」で、世界的な展示会や見本市を開催する「国際見本市」を見据えれば、経産省としても一般社団法人 日本展示会協会としても、主たるオーガナイザーにしても国際標準化機構の定義に準拠せざるを得ない事情がありそうである。
かつて経産省は、デパートの催事場で繰り広げる「物産展」も展示会のひとつに加えていたが、さすがにこれは外している。
外したことは正解であるとの視座で言えば、売り買い(トレード)と商談目的としての展示会、契約やBtoB取引目的の商談中心の展示会も「物産展」と同様である点で言えば、経産省が、「モノ(財)やサービス、情報の売り買い(トレード)と商談目的としての展示会」が展示会であると断言するのには違和感がある。
それは何故か。詳細は別項に譲るが、端的に言って、
経産省が言う「商談目的の展示会」で得られる成果(売上と利益)は何もわざわざ手間・時間・コストを投入して展示会で獲得するものではない。通常のビジネスステージにおける活動で稼ぐ話である。余分な成果(売上と利益)をすぐさま得ようと考えるなら、通常のビジネスステージで行うべき活動である。
☑ そもそも需要という市場配分総額の年間の額はほぼ読めていて、それを競合他社と競争して奪い合っているのであるが、その通常のビジネスステージの年間で得られる収獲を何も先取りしているのに過ぎない。それを担当者を編成して、何か月も企画や計画・調整・制作・製作・準備・訓練・告知・実施・報告・見直し・再構築を行う意味がどこにあるのだろうか。
☑ 「非日常の商空間に質の高い顧客を招待して、フェースツーフェースでコンタクト(接客)して、通常のビジネスステージ活動では稼げない大きな収穫を展示会のメディアパワーを活用して明日の需要と顧客を創造する」この視点で展示会を見直すべきではないか
それにしても、この様態の展示会であるなか、「国内では年間約700本の開催件数と推定されています。展示会の無い産業は無いといわれており、毎年増加傾向にある」という。
これまで述べた商談の定義を踏まえ、以下のように展示会出展における商談を捉えた。
商談とは何か。
展示会出展に伴う商談とは、商談目的で自社ブースを訪れた顧客に対し、商品・製品・技術・システム・サービスの優位性や利用方法およびそれによって得られるベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)等の説明、価格交渉、納期相談などを行い、具体的な取引(売買・成約)へつなげる活動である。単なる製品に関する説明だけではなく、顧客のプロフィールや課題をヒアリングし、その解決策を提案する場であり、商談・受注の起点となる一連の行為、と言えそうだ。
だが、日本展示協会も経済産業省も展示会は商談の場あり、経済効果を生み出すほどの商いが展示会で発生するかのニュアンスであるが、
では、来場客の会場内滞在時間の平均は 4時間であるが、この短い時間のなかでどこまで達成できるのであろうか。
通常のビジネスステージにおける活動において、ファーストアプローチからクロージングまでの所要時間は延べ何時間であろうか、それで行けば、出展ブースでの商談はどこまで進めるのだろうか。
日展協や経産省の捉えどころに、ムリはないか。
日本で開催される展示会は、「国際見本市」のタイプおよび買付け目的の「見本市」と「日本型展示会」に大きく分けられる。
前者は、「販売や契約を成す商談中心」となるが、後者は「大半の来場者が「情報収集が来場の目的」であるから、その場で売り急ぎする行為は生産性極めて低くなるから得策ではない。
「日本型展示会」に出展し、この「販売や契約を成す商談中心」の「売り急ぎ」をブース展開すると、来場客の目にその狙いが容易に見えるため、寄り付こうとしない。
この「大半の来場者が「情報収集が来場の目的」の日本型開催展示会に、「販売や契約を成す商談中心」となると勘違いして出展している海外企業は、会期中戸惑った挙句「売り」につながらないため落胆して、日本市場導入を諦める羽目に陥っているのが実態である。
「国際見本市」のタイプと「日本型展示会」の相違は、本来オーガナイザーが徹底して説明を加え、乖離を無くさなければならない立場であるが、「展示会の本質などどうでもいい」と考えている彼らは、乖離を無くす努力をしようとしないので、結果、新規の出展者探しに翻弄して、この新規開拓が仕事の大半となるため、やがてその展示会は消滅するのであるが、そうなるとは思ってもいない。
動機づけられない展示会には、「情報収集が来場の目的」のビジネスに前向きな来場者は、魅力の無い日本型展示会などは見向きもしない。手が届かない位置にある魅力などには食指は動かさない。客観的な根拠やデータに基づく実現の確かさが低いものに対して、顧客は一般的に懐疑的、あるいは否定的な反応を示すから蓋然性の低いものにも日本型展示会から足が遠のく。開催に不可欠の十分な客数に満たない日本型展示会には益々行かなくなる。
消滅すると多くの出展者の「需要の喚起・拡大と顧客づくり」の場を失って、出展企業の事業も必然的に衰退し、企業も消滅する。つまり、発展し続けなければならない事業にとって、日本型展示会のアンラーニングは不可欠な関係性が存在しているだけに日本型展示会の主催者・オーガナイザーと出展者は、開催の都度、当該展示会を持続可能な発展の共創関係にあるのだ。
「販売や契約を成す商談中心」となる「国際見本市タイプ」の展示会はさておいて、「情報収集が来場の目的」の「日本型展示会」の開催は、告知の仕方、開催の仕方、出展者説明会の在り方、会期中の運営方法など抜本的に改善すべきであるが、
● 産業振興の「エンジン」としての再定義 ● 日本経済の「祭典(アニマルスピリット)」の復活 ● これらをミックスして
「26%の精鋭出展者がが牽引する、ブーシング10分単位で成果を生む商空間」の創造 …などがテーマとなろう。
この体質を変えられるのは出展者で、来場者の「情報収集が来場の目的」に顧客ファーストの立ち位置で呼応することが不可欠であるため、同じテーマを共有できる他の出展者と検討会を開始されることを希望したい。
5- 2- 3. 商談の定義と商談の狙い
『展示会産業概論』https://www.nittenkyo.ne.jp/other/document/H2603_gairon.pdf
に目を通すかぎり、展示会・見本市において、経済産業省も日本展示会協会も定義付けがなされていない。
3- 3. 「一部主催者の企図に日本展示会協会が呼応し、経産省が方向性を示した「来場客のイメージ」の項で、来場客のイメージングで用いた解説のなかの「商談」に関して、来場客をいきなり「バイヤー」と表現したところから始まっている。
「展示会は、企業等が商品・製品を販売するために販売先(バイヤー)と商談を行ったり、市場動向(ニーズ)等の情報収集・情報交換等を行う場です」、の解説のように、「商談」と「市場動向(ニーズ)等の情報収集・情報交換等」を区分けしていることから、展示会や見本市は、売り手側主導で強い売り込み、主に会期中会場内での売りの完結を促した商談と言い、印象としては商談の場であると強調しているように受け止められる。しかし『展示会産業概論』で、商談とは何か、が見えてこない。
商談の定義を、仮に「商談とは、取引やビジネスにおいて、主に売り手側主導で、買い手の引合いや契約の意思決定を促す活動の手段としての交渉や、買い手側からの相談や確認事項などについての話し合いのこと」 … としたとしても、未だ伝わってこない。
「売り手が提供する商品(製品・技術・システム・サービス)の価値、および提供価値にたいし発した情報(シーズ)とヒアリングによって働きかけ、買い手が抱く利用価値のニーズの度合いのすり合わせの結果、売り手の商品の機能の優位性、提供条件、価格、納期などについて買い手が理解、了解したうえで納得し、BtoB取引の意思決定する過程の、発展した話し合い」と、肉づけると、少しは読めてくる。
最終的には、「相手方と取引についての交渉や話し合いをすることで、売り方と買い方双方のベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)を目指して行うこととなり、商談成立後、新たな取引の機会が生まれ、売り手側のビジネスの発展に寄与することになるため、更に発展させ顧客価値を高めるプロセスに向けた重要な活動手段を言う。…
と、仮説して改めて『展示会産業概論』を見直すと、それに記載があるように、「展示会は、出展者が商品を販売するための場」となっており、このことから「商談会」を意識してしまう。
随所にメイン来場者は「商談目的」のお客であると、ちりばめ語られているが、片や(日本の)展示会・見本市は、「情報収集を目的とする来場客が多い」ことにも触れている。
「商談」を定義づけることなく、暗に、「契約やBtoB取引目的の商談中心の展示会」にやって来る「契約やBtoB取引目的の商談客」を展示会や見本市のメインターゲットアカウントとしているかのようである。
「情報収集を目的とする来場客が多い」が、出展者にとって「展示会は、出展者が商品を販売するための場」 … ここに乖離が生じる。
この発想は何から来るか。おそらく、この見込み客の来場を推奨しているのは、主催者やオーガナイザーにとって、結果を出す企業に出展してほしいからであろう。
主催者は、この趣意踏襲の出展者の誘致に精力を注いでいる。経産省も日本展示会の狙いはここにあるようである。
ところが、そう呼びかけても、ほとんどの来場者は、情報収集目的でやって来ているのが実情である。経産省も日本展示会も「既存の顧客だけでなく潜在的な顧客の声も聞くなど、コミュニケーションを円滑にして、これら来場客の声をマーケティングに反映する」と、『展示会産業概論(P.139)』に、この程度しか記載がない意味で、彼らの描く望ましい来場客と実情に大きな乖離が生じている。
そこで話題を主題に戻すと、この乖離状態で進行して出る結果は、それなりではないか、という疑問が一つある。
そして、「情報収集を目的とする来場客」には、新製品開発のネタ探し程度の認識のようであるが、主催者の開催の告知に、花見客ばかりがやって来るのだろうか。告知内容。告知の相手、告知方法は検討されてのことであろうから、まったく見込みのないお客とは思えない。
冷やかし客はもちろん居る。この人は冷やかしが目的であるから、ブース立寄り率は高い。競合他社の回し者も立寄り率は高い。だが、競合他社からの鞍替え客や休眠客の立寄り率も高い。それぞれの対策を講じて、ヒューマンエラーを起こさない配慮も商談業務の一つと言える。
「情報収集を目的とする来場客について」、顧客のトライアングル構想の上位から下位までのプロフィールを概念的に想定して、以下の捉え方もあるのではないか。
来場客層をピラミッド構想で見ると、おそらく、上位 3~ 5パーセントのお客は、その産業界・その市場・業界にとって、他に最も影響力を持つ顧客であろう。最大限のもてなしが必要である。だが、この層が展示会にやって来て具体的な商談には発展することはない、と見ている。
その下位の15パーセントくらいのお客は、事業にたいして積極的に何らかの変化に適合しようとして、イノベーション(技術革新+しくみや制度の革新+運用や利用の革新など継続した改善)のダイナミズムに触発された顧客であろうし、進取性に富んでいるであろう点において、新しい製品・新しい商品・新しい技術・新しいシステム・新しいサービス・新しい利用方法・新しい情報・新しい動向に敏感であろうことから、出品され紹介されていることには強く興味・関心を抱いてやって来るであろうし、新規開拓先・リードも大いに期待できるお客と言えよう。
おそらく展示会出展において、この層が大いにマッチングすると思われる。その場で商談に入ることも考えられるが、会期中は情報収集が主であれば、会期後最優先してアプローチする相手であろう。
その下位にある 35パーセントくらいのお客は、上位 20パーセントくらいのお客ほどでなくとも現況、市場・業界を支えるビジネスに活発な活躍をしているであろうし、その中には市場新規参入企業も混ざっているであろう。
このトータル 55パーセントくらいのお客は、ニーズが顕在化していると言えよう。
では残りの 45パーセントくらいのお客をどう見るか。中にはニーズが顕在化しているお客も居るだろうし、その強弱ははっきりしているかもしれない。あるいは、潜在化のお客もあるだろうが、休眠客や、相手にすべきでないお客も内在しているであろう。特段、有用情報を収集することを来場の目的化していないお客も立寄るだろう。このお客は花見客であるが、立寄った以上軽視できない。すると悪口を言いふらされないとも限らない。早々に他の立寄り客に乗り換えれば、不自然さは感じさせない。
こうして見てくると、
幾つかのプロフィールに分類できるから、それらに応じた対策も良し、一本か二本に絞った対策で、ターゲットを明確に定めたうえでの対応が望ましいのではないだろうか。
展示会はバイヤーをふくめ、わんさとお客がやって来るから、販売先(バイヤー)と商談を行ったり、販売するための情報交換等を行う場です」との印象と、強い売り込み、主に会期中会場内での売りの完結を促した商談を行うのが展示会と認識しているかもしれないが、
お客情報を収集し、ニーズを確かめ、キーマンが誰でいつ満足を求めていて、商談を進める前段階で適切なベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)を提示し、商品 ( 製品・技術・システム・サービス)の機能や品質の優れた点をアピールして、商談行動や商談予定行動を起させ、成約に取り付けるまでのコンタクト ( 接客 ) 回数や日数を通常のビジネスステージにおける活動で、どれくらい要しているか。受注率 ( 成約率 ) は何パーセントか 、 などにたいし、
いつ何社ブース前を通過するか誰もわからない環境の展示会にあって 、商談が行なえる機会は誰が保証できるのであろうか。
短期決戦型販売活動は、引合いや予約受注および売買契約でやって来る販売先のバイヤーをターゲットアカウントとする商談中心の国際見本市や国内向けの見本市または、商談会的に商談一本に絞った展示会に限られるから、出展者はその対応をとなるのであろうし、それでいいなら仕方ないが、その見本市や展示会に、質の高い・見込み度の高い情報収集目的の来場客も多く来るから、このタイプは有力な潜在顧客として、顧客育成をブースから開始と捉えることが有効である。
日本で開催される展示会・見本市は、海外のそれらと違って、日本独特の、だから日本型と呼ばれる展示会および見本市であるから、短期決戦型販売活動や、引合いや予約受注および売買契約の商談会的な展示会は主たる来場目的にたいしふさわしくない。不適当であるし、日本型展示会を定義づけて、徹底して日本型展示会を開催し続け、開催力・出展力を高めなければ、経済効果は生まれないし、いつまで経っても負のスパイラルから脱却できない。換言すれば、短期決戦型販売活動や、引合いや予約受注および売買契約の商談会的な展示会は、極めて非生産的であるが故に、早晩、出展者・来場客・主催者・オーガナイザーは衰退する筈であるし、この日本社会から出展者・来場客・主催者・オーガナイザーは消滅する危惧を感じてならない。
5- 2- 4. 売りの結果を出すことを目的とする展示会とそうでない展示会
日本国内で開催されるBtoBの展示会は、見本市(国際見本市、国内向け見本市)と、展示会に大きく分類されている。
一般的には前者は「流通向け(リテール向け)」であり、後者は「ユーザー向け(ソリューション向け)」といった言葉で呼び分けられることが多い。
流通向け(リテール向け)は、小売店、卸売業者、商社のバイヤーを対象にした「流通・仕入れ型(トレードショー型)」と言えるように、「引合いや予約受注および売買契約」を目的とするから、名実ともに、売りの結果を出す展示会。
§ 補筆: 「展示会について」のこの箇所で、「展示会ではバイヤーと商談を行う」との説明であるが、
これは消費財を対象に開催されている国際見本市で、「引合いや予約受注および売買契」を指してのことであろう。
バイヤー(Buyer)とは、小売業や流通業などで、売れそうな商品を市場から探し出し、仕入れ(買い付け)、販売計画までを行う「仕入れのプロ」のことで、
生産財等BtoB直接需要企業の来場客が展示会にやって来た人を一般に、「バイヤーとは言わない筈である。
出展者の商談に応じる人は、立場等によって言い方は変わるけれど、「導入検討者」もしくは「商談対象者」と一般に捉え、または端的に「商談相手」と呼称する。
ユーザー向け(ソリューション向け)は、法人の既存・新規客が、自社の業務に活用・導入するために検討する「導入・ソリューション型(商談展型)」であるから、商談中心型・短期決戦型の販売には、展示会の構造上不向きである。旧来から展開されて来たパターンを、
経産省作成の教材『展示会産業概論』
https://www.nittenkyo.ne.jp/other/document/H2603_gairon.pdf
から拾うと、
「展示会は、新製品や新技術の発表・商品・製品のサンプル(見本)を展示・企業の販売促進・企業イメージ、製品イメージの向上・情報収集と伝達・情報交換等を行う場・正確な商品情報を来場者に伝える場・ブランド力向上に寄与・出展する企業の販促活動やマーケティング活動、コミュニケーション手段として活用されるもの・
商品に対する評価やニーズを把握するためのマーケティングの場・商品説明を通して来場者のニーズを把握することにより、マーケティングや新たな商品への反映、商品の今後の販売促進につなぐ・直接触り説明を受けることができる展示会・来場者と対面で接することにより、効率的で効果的な販路開拓(ビジネスマッチング)や交流促進(マーケティング・ コミュニケーション)が可能・競争を通じた技術開発につなげる・出展者のイノベーションが図られる・技術交流・他社の技術展示を把握・市場動向(ニーズ)等のまたは最新技術など業界の情報収集・顕在顧客や潜在顧客へのマーケティングの場・「ヒト(出展者)」「モノ(商品や技術)」・「情報(消費者動向など)」の交流促進を行う・基礎技術、商品開発、 販路開拓、流通など、それぞれの立場において技術や知識が磨かれていき、それらが有機的に結びつくことになれば、その産業全体の活性化につながる」 etc.
これらは、展示会はプロモーション課題解決テーブルにおける「イベント的手段」であるとか、宣伝広告にて成果を狙うとか、広報活動の一環として展開するなど、展示会が、コスト面・リスク面・効率性において効果を発揮する利点で活用されて来た。そしてその展開は結果的に、技術開発競争の進展など産業の活性化につながる点で出展企業はビジネスにおいて不可欠とされている。
とこらが、「第3章 我が国の展示会産業 1.我が国の展示会産業の沿革と位置づけ」のなかで、「 … 展示会がビジネスの場として十分に機能していない」 … と、経産省が言い切っている。
そしてそのうえで、「商品販売、展示即売、商品・製品の売買・販売・ビジネス・商談・実物を見て商談を行う・販路開拓・来場者との商談を通じて商品の販売につなげる・国内外からの誘客促進などの文言を随所に散らばせて「商談中心型の展示会」に出展して、あたかも「短期決戦型の販売や契約を成す場」のニュアンスが色濃いように感じている。
しかしながら、「イベント」・「PR」・「広報」・を目的にした出展はともかくとして、先述した「新製品や新技術の発表 ~基礎技術、商品開発、販路開拓、流通など、それぞれの立場において技術や知識が磨かれていき、それらが有機的に結びつくことになれば、その産業全体の活性化につながる」出展も、売りの結果を出すことを目的としたものであろうことから、間違いなく「売りの結果を出す展示会」である。
一方、同じく、「1.我が国の展示会産業の沿革と位置づけ」のなかで、「 … BtoC タイプの展示会(エキシビジョンやエキスポ:展示会)が主流となっています。」
表記となっているが、おそらく経産省の人は分かっているとは思うが、「エキスポ(Expo)は、Expositionの略で、博覧会のこと。博覧会は一般展・小規模博覧会のPublicShow(パブリックショー)と同様に、展示会の領域外である。
また、『展示会の定義』で触れるところの、「フリー マーケットや路上販売」は、これも展示会の領域外である。
昔、経産省は、「物産展」も展示会の領域内にしていたが、『展示会産業概論』から外されている。
しかしながら、「商談中心型の展示会」に出展して、あたかも「短期決戦型の販売や契約を成す場」のニュアンスが濃いパターンは、「物産展」に近いやり方を感じる点は歪めない。
そして、プロモーションや宣伝広告、あるいは広報・PRやイベント活動を伴う展示会を「 … 展示会がビジネスの場として十分に機能していない」 … と言って肯定していないことは、「はじめに」に記載の「 … 本書では具体的な実務にまでは触れていませんので、参考文献等をご参照下さいとあるが、
「§ 補筆: 「経産省作成の教材『展示会産業概論』から、上記のフレーズをチョイスして見ると、
どのような開催が効果を生んでいるのか。現況どこに問題があって、根本的になにをどのように改善すべきか。
出展者の出展に関して効果を出すにはどのような考え方で構想を練って、どのような展開をし、会期後どうあるべきか。
来場者の内、見本市で「引合いや予約受注および売買契約」を予定してやって来る来場客」や展示会で、「商取引につながる商談行動や商談予定行動」を予定してやって来る来場客」とのブース内での展開はどうあるべきか。
あるいは、「契約誘発効果」を出すため、どのような着眼でどのように行うべきか。
なぜ展示会か。
展示会の本質と日本型の特異性。その要点をまとめると次のように言える。
開催されるBtoB展示会の来場客の大半は、「情報収集が目的」でやって来る。このお客をメインターゲットアカウントとしての、
日本型展示会は、
「出展者とのツーウエイ・コミュニケーションメディアで、
会期が短いという限界特性を好転させるため、生産性(創造的・有効的・効率的)とイノベーション(技術革新+しくみや制度の革新+運用や利用の革新など継続した改善)を基底に置いたマーケティング装置で、戦略展開される。
このクロスファンクションによる戦略で開催されるのであるが、これらを主催者が仕込んだものを出展各社(少なくとも26.12%の出展力と勢いのある)が同じベクトルでブーシングするから、
ここでお客とコンタクト(接客)してビッグな成果(目的・目標)をもたらすのである。
展示会はこの開催で、「市場・業界内での支出配分総額(市場規模)」を競合他社と健全で秩序ある競争と共創で増大させつつ、産業を振興し、経済効果を高め、産業全体の持続可能な発展に弾みをつけるのである。」
「お客と直接接触して結果、ビッグな成果をもたらす
この二つ要件を充たすメディアやマーケティング装置あるいはプロモーション手段のなかで、展示会に費やすコストと同額のものは無いから、出展企業にとって展示会は比類がないから、展示会は出展者にとって不可欠なのである、と。
そこで、この展示会に出展して会期中の効果を最大化して通常のビジネスステージの商機にブリッジングし、その通常のビジネスステージと次回開催の展示会につないで、事前プロモーションの実施を経て、再び継続出展し、前回より高い出展力でブーシングを展開する、「ビジネスのレギュラー・サイクル化戦略としての通年化」を繰り返し「売上げを拡大し、安定した大きな利益を得て、競合他社に勝利し、マーケットシェア(市場占有率)を高める」ことに寄与するこの一連の作業が、日本型展示会出展における「売りの結果を出す」の「売り」と「結果」であると解釈している。
だが、経産省の『展示会の総論』で、この種のことも、
展示会の効果と出展者の成果(目的・目標)および来場者のベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)
の記載は一切欠落している。
では、参考文献等にこの出展の情報は記載があるのだろうか。
また、予断になるが、「 … 商談の場としての我が国の展示会は、海外の企業にとっても魅力があり、国内外の企業間取引を実現する場となり得る」 … という大問題もある。
日本型で海外式の商談・リード獲得を展開すると、来場者ニーズと乖離し、出展者も成果が出ず、生産性が極めて低くなる。特に海外企業が「海外と同様の商談の場」と期待して出展した場合、成果が出ないという大問題(ギャップ)に発展する。
この問題は、タイプがどうあれ、日本型を徹底しなければ展示会は成り立たない現実を直視すると、一切記載が欠落している展示会の本質問題にメスを入れ、諸刃の剣を名刀にしなければ、早晩展示会は衰退するだろう。
5 - 2- 5. 会期中に売りの完結を目指す展示会は有りか
目次
01■ これは展示会ではない
02■ 展示会は以下の3パターン
03■ 見本市は引合いや契約など商談目的の来場客対象の短期決戦型商談の展示会
04■ PRやプロモーションは目的達成のための解決手段で目的化してはいけない
05■ 出展企業のすべての活動の目的と商談の意義
06■ 会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会への認識は、大いなる勘違い
07■ 生産財やサービス・情報(ソフト財)のセールス展開 13ステップの基本手順
08■ 会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談をブースで実現には、かなりのムリが生じている
09■ 「商談」中心型は展示会のスケール(π=パイ)が小さい
10■ 会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会の構造的な病巣は1987年頃から始まって今日も引きずっている
11■ 日本で開催されるBtoB展示会と出展企業ブース実装 ⑴ ~ ⒀ の要約
12■ ブースに立寄らせることを実施しなかったら、願望は達成できない
13■ セールスの命題達成のための機能と役割をブースで発揮できているか
14■ 安定取引先(固定客)が減少するからと言って固定客を棚に上げて新規取引先(リード)開拓は本末転倒。手痛いしっぺ 返しが待っている
15■ 結果の出る準備をして出展しなければ、「商談」も「出展効果」も「出展成果」もない
16■ 改めて、会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会は有りか
17■ BtoB のお客は特定少数
18■ 顧客のトライアングル構造で客層を想定
19■ 短い会期という限界特性のなかの、会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会の成果(目的・目標)は、それなりでしかない
20■ 情報収集が目的でわんさとやって来るお客をどう読み取るか
21■ 情報収集の熱量は何に依って湧き上がるか
22■ 開催される展示会のそこは「明日の市場・明日の産業・明日の業界」
23■ 持続可能な成長を見込んで適合すべき変化
24■ マンネリにしない … 熱心なお客もそう思っている
25■ 展示会は新しさを訴求する場
26■ 展示会は、「○○が出来る」の観点で、その為すべき仕事の一例
27■ 来場者総数の 10~20% を対象にしての短期決戦型商談中心展示会は、日本型展示会に出展しての仕事の一部
28■ それは、単に売り急いでいるだけのことで、展示会でやる仕事ではない
29■ 情報収集が目的の来場客の行動とそのお客への対応
30■ 会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会は、絵空事ではないか
31■ 一つだけ実施可能なパターンが有る
32■ 限られた時間内でBtoB取引態度変容のステップを踏む
【売りの結果を目指す展示会はどのようなベクトルとなるか】
33■ 日本型展示会のメインターゲットアカウントこそ、情報収集が目的でわんさとやって来るお客
34■ 日本型展示会の特異性と本質
35■ 「BtoB日本型展示会のベクトル」はどう開催し、出展すべきか
36■ 有用情報の入手に力を入れるお客に提供する情報と伝え方
37■ 何を以って熱心に求めて有用な情報と化すか
38■ 展示会と出展の唯一無比の優位性と展示会活用のベクトル
39■ 目指す日本型展示会および出展の「ベクトル」は経済効果を生む
40■ 現況開催のBtoB展示会は、経済効果を生んでいるか
41■ お客が商談行動や商談予定行動を起すために出展しているのであるが、展示会での「商談」は、中期販売計画達成のため のマーケティング・テーマとしての「商談」
42■ 日本型展示会の出展者ブースは、商機をつかみ、情報を制し、質の高い顧客を他社より多く獲得するプラットホーム
01■ これは展示会ではない
「フリー マーケットや路上販売」は、これは展示会の領域外であるから「無い」。
「エキスポ(Expo)は、「エクスポジション(Exposition)」の略で、博覧会・展覧会の意味で、展示会ではない。
パブリックショー(PublicShow)も小規模博覧会であるから、これも展示会ではない。
02■ 展示会は以下の3パターン
1. 流通・仕入れ型(トレードショー型)の国際見本市
2.流通・仕入れ型(トレードショー型)の国内向け見本市
3.導入・ソリューション型(商談展型)の展示会
展示会は以下のとおり。
⑴ 海外からも出展者・来場者を広く募集し、世界的な基準で開催される大規模な商談の場の国際見本市
⑵ 国内の企業来場者を対象とし、国内の特定業界の商談・販路開拓を目的とする特定のニッチな業界や、国内の地域経済に特化した国内向け見本市
⑶ 国際的か国内向けかは問わず、現在のBtoB展示会の主流とした業界・テーマ特化型特定の技術、製品に特化した展示会
03■ 見本市は引合いや契約など商談目的の来場客対象の短期決戦型商談の展示会
海外からも出展者・来場者を広く募集し、世界的な基準で開催される大規模な商談の場の国際見本市(インターナショナル・トレードショー)、国内の特定業界の商談・販路開拓を目的とし、国内向け見本市は、短期決戦型の商談型
04■ PRやプロモーションは目的達成のための解決手段で目的化してはいけない
商談型出展にたいしてプロモーション型(デモンストレーション等)や宣伝広告型、あるいは広報・PR型(ステージショー等)あるいはイベント型出展と捉えられている向きもあるが、これらは商談行動の推進において生産性(創造的・有効的・効率的)の向上を狙った手段であって、これらは出展の目的ではない。
05■ 出展企業のすべての活動の目的と商談の意義
しかも元来、出展企業のすべての活動の目的は、
「売上げを拡大し、大きな安定した利益を得て、ライバルとの勝負に勝利し、シエアを拡大する」。
この一点にあって、
社長から一兵卒まで寝ても覚めても片時も忘れてはならないことで判るように、
何をやってもそれら達成に向けての商行為であるから、お客と対面しての活動は徹頭徹尾「商談」を外してはならない。
このため、留意しなければならないことが様々あるが、一例を挙げれば、
お客のこと、お客の事情、解決したい課題、利用のされ方、その企業の信用度、支払い能力、リスクの有無、決定権者の性格等々、も把握しながら、慎重且つ顧客ファーストの誠実さと熱心さで対応することは言うまでもない。訓練などの準備は調ってのことか。
ここで、もう一つ留意しなければならないことに、目と鼻の先で競合他社も出展しているから、このお客はおそらくそこにも立ち寄って、願望を充たそうとするに違いない。勝てる力を備えて、待ち構えているか。
情報交換を進めて行くうちに、近日中に再会したいと感じさせる濃厚な見込み客か。もう少しコンタクトが必要なお客であるから、
もう一度会いたいと思わせるお客か。
近い将来見込めるポテンシャルが高いと思われるお客か。将来見込めるだろうお客か。将来見込めるか不明のお客か。
06■ 会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会への認識は、大いなる勘違い
ところがステージショー等イベントを絡めてPR型に特化して、それを実施することを目的化と勘違いしている出展企業があるのにたいして、
「商談型」と言うからこれも勘違いして、
「会期中、売上増大を目指して商談しよう」と、あたかも「会期中に売りの完結を目指す短期決戦型販売」に集中するブース展開を描く過ちと化している。
07■ 生産財やサービス・情報(ソフト財)のセールス展開 13ステップの基本手順
生産財 / 産業財 (BtoB)および「サービス・情報(ソフト財)」・公共財 (GtoC / GtoB)企業においての、
セールスの段階の基本は、
⑴ 下調べと選別のうえでの見込み客(リード: Lead)の発見 ① リード: 資格評価 ② リード選別 ③ 瀬戸物の卵(China eggs)選別
⑵ プリアプローチ ① 自分の売込み ② ディスカッション
⑶ 顧客情報把握 ① 顧客情報把握 ② 問題や課題認識の確認 ③ 不明点確認 ④ ディスカッション
⑷ 問題点や課題の重要性と緊急度および解決法のポテンシャル等確認 ① 相互利益の確認 ② チャンス確認把握
⑸ 課題解決法の方向最終確認
⑹ アプローチ
⑺ プレゼンテーション ① 劇的表現 ② テスト ③ 視覚化 ④ デモンストレーション(製品の特徴とニーズをつな ぎ、ベネフィットを加えてのシナリオで)
⑻ 試しのクロージング
⑼ 反論の発見
⑽ 反論の克服
⑾ クロージング
⑿ 見積もり ① 製品仕様の決定 ② 数量決定 ③ 納入スケジュール ④ 支払い条件
⒀ 信用調査
⒁ 権限を持っている人に会う
⒂ 取引意思決定の確認
⒃ 導入・納品のタイミング確認
⒄ 受注および成約・契約
⒅ 関与者説明会実施
⒆ 導入・納品の事前準備立ち合い ① サポート体制
⒇ 導入・納品の立ち合い
アフターフォロー
08■ 会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談をブースで実現には、かなりのムリが生じている
… 通常のビジネスステージでの営業活動での流れになるとして、展示会の会期のなかでこのステップにたいし、何が現実実施できるか、と見た場合、
会期中に、このステップを展示会出展タイプに構成を変更せざるを得ないが、踏むべきステップはもちろん避けて通れない訳であることから、
「会期中に売りの完結を目指す短期決戦型販売に集中するブース展開」にはかなりムリが生じると思える。
09■ 「商談」中心型は展示会のスケール(π=パイ)が小さい
「商談(米国型Trade Show)」という言葉に限定されるから、来場者数は絞られ、専門的で静かな場になり、
開催展示会も出展者ビジネスもスケールが小さいままで推移することになる。
日本の展示会業界の大手主催企業が抱える構造的な歪みである。
10■ 会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会の構造的な病巣は1987年頃から始まって今日も引きずっている
が故に、1987(昭和62)年頃から俄かに、日本で開催されるBtoB展示会は、このスタイルが蔓延して、構造的な病巣と化し、何ら経済効果を生まないものにしてしまって今日に至っている。
11■ 日本で開催されるBtoB展示会と出展企業ブース実装の要約
日本で開催されるBtoB展示会の実相を、言葉少なく語ると以下となる。
11-⑴
「 … やって来た来場客が、 およそ7つの専門展に分散し、
会場内に平均 4時間の間、会場内設置のセミナー会場・イベント会場あるいはスターブースでのPR型イベントなどのホットスポットに立寄り、平均 6箇所のブースに立寄るようであるが、
その来場客はブース前を川の流れのように流れ去る。
歩行速度は 3~4Km/h であるから、およそ 2 秒間 ~ 10 秒間でブース前を通り過ぎて行く。去ったお客はほとんど戻って来ない。
この通行客がいつ何人やって来るかは、誰もわからない。サッパリ読めない。
質の高いこの立寄客が居るのか居ないのか不確実な状態で、出展者の多くは売りの見込みに期待して大海で餌も付けずに一本釣りのスタイルで出展しているから、
出展者ブース前の大半の素通り率は 97~98パーセントである。
11-⑵
時々刻々流れ去っているのであるから、
例えばブース前集客を 10分間単位に規定して、集客の生産性を高めることが、限られた時間内での勝負であるからこの規定は必定である。
その考え方で実行しなければ話にならないのが展示会出展である。
11-⑶
素通り率の逆算で推定すれば、
専門展に分散後 1,000人通過する客数の中から、質の善し悪しは別にして、立寄ってくれる客数は一日/ 480分間に 20~30人しか確保できない。
3/ 1000秒という瞬きの一瞬で立寄るかどうかを判断し、
注意喚起後の興味関心の気を起こさせ、このブースは、自分にとって立寄るに値する魅力があり、それを手にできる蓋然性が感じられるから、となる。
11-⑷
質の高いお客が立寄らなかったら、この時点で水の泡と化す。
つまり、全巻の終わりである。
お客を立寄らせる動機付けを仕掛けなければ立寄らない。この準備をせずに出展するから結果が出ない。
11-⑸
立寄ったお客は平均 7分間ブース内に滞留する。
その内の一人か二人が30分間くらい滞留したとすればその他の立ち寄人は早々に立ち去ったことになる。
例えば 30分間くらい滞留させる構成で計画したとしてその時間内で「短期決戦型販売」はどこまで進捗する考えで計画しているか。
11-⑹
しかも、そのお客が自社にとって質の高いお客かどうかもこの段階ではわからない。
その大前提で重要なことは、主催者が開催前、商談を強く訴求して告知を実施しても、来場者総数の約80パーセント以上の来場者は、
「情報収集」を目的としてやって来る。
11-⑺
元来、ヒトの行動を変えるのは難しいうえに、
展示会にやって来るお客は、「主体的・能動的・積極的」という特徴があることも
隅々で考慮しておかなければならない。
11-⑻
その来場者にいきなりセールスアプローチしたのでは乖離が生じるのは明白。
では、いつ何人立寄るか不確かな環境での、あいまいな待機や対応で、
商談に呼応する僅少のお客の中から、自社にとって質の高いお客でなければ結果は出ない。
それでも「短期決戦型販売」をターゲットアカウントと位置付けて対応したとする …
11-⑼
寄った時点ではどこのどのようなお客であるか、何に関心を持っているのかも、問題点も課題も、企業規模も経営者の考え方もその企業の販売先の顧客のプロフィールも社内システムも販売実績も信用度も
まったく知らない状態からのブースでのコンタクト(接客)となる。
それで「短期決戦型販売」は成立するのか。
11-⑽
お客からの様々な質問に答えなければ折角のお客は容赦なく離散する。
本稿2- 1. ◆ 来場者のイメージ 2- 1- 1. 一部主催者の企図に日本展示会協会が呼応し、経産省が方向性を示した来場客のイメージ
後半に列挙した「具体的な一例には、以下の要素が挙げられる」の諸項などの確認作業は、
必ず個別の見極めで一つひとつ解決しなければ、結果など出ようはずがない。
それらをクリアして、はじめて商談は進行すると思わないか。
11-⑾
そして、目と鼻の先に出展している競合他社ブースにも立寄るかもしれないし、
立寄った後の立寄客であるかも探らなければ、的外れの対応となり、
解らず仕舞いでは前に進められるのだろうか。
11-⑿
海外の一週間くらいの会期にたいし、日本の多くは地理的な距離や市場サイズから自ずと、短い会期で開催となる。
11-⒀
会期三日間の開催中に、お客と接する時間は初日と二日目でそれぞれ 8時間。最終日は 7時間。合計で 23時間。1,380分間。
例えば 10分間単位でブース前集客を繰り返すとすると、計算上同パターンで 138回の集客活動 …
単純計算で一日 46回。
これを繰り返さざるを得ないのが、展示会であり、
この時間内に質の高いお客と信頼関係を醸成したうえで濃厚な関係づくりをして、
目と鼻の先の競合他社と勝負し、勝利しなければ、やられるのが展示会の場である。
やるところが稼いでいるし、やらないところは、やるところへ自社で得る成果もやっている。
12■ ブースに立寄らせることを実施しなかったら、願望は達成できない
出展者のブース前素通り率の数字が示すように、
お客のほうから立寄る姿勢の待機では、立ち寄りは期待できないのであるが、
大半はそう思い込んでチャンス・ロスを生じさせている。
こんなことで、本当に願望は達成できるのか。
13■ セールスの命題達成のための機能と役割をブースで発揮できているか
寝ても覚めても片時も忘れてはならない命題を
どのように達成しようとの計画・戦略・体制・企画・構想・準備・訓練・スペースマネジメント・コントロールタワー・フロントマネジメント・ブーシング・実施管理・セールス活動・
会期後の計画と実施で組み立てているか。
14■ 安定取引先(固定客)が減少するからと言って固定客を棚に上げて新規取引先(リード)開拓は本末転倒。手痛いしっぺ返しが待っている
しかも多くの出展者は、
「短期決戦型販売」にせよ「情報収集が目的」のお客にせよ、
新規開拓先に焦点を当てるという間違いを犯している。
確かに「固定客(安定取引先)は、減少する」から
その穴埋めに新規顧客を獲得しなければならないが、
既存取引先をご招待しなくて本当に問題を引き起こさないのか。
目と鼻の先の競合他社のお客でもあると思わないか。
既存取引先を減少させて新規客開拓して辻褄が合うのか。
「ビジネスは質の高い取引先の多いほうが勝利する」。
既存取引先の質を高める余地はないのか。
あるとすればクラスアップの絶好の場がブースだと思わないか。
15■ 結果の出る準備をして出展しなければ、「商談」も「出展効果」も「出展成果」もない
この調子の不出来な準備の出展であるから、質の高いお客の立ち寄りは期待できない。
だから、「商談行動も商談予定行動」も出来る機会がない。
なければ、何のための展示会出展であったか。それで仕事したと言えるか。
16■ 改めて、会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会は有りか
この項のタイトルを改めて見ると、
「会期中に売りの結果を目指す展示会は有りか」であるが、
あえて、「会期中に売りの完結を目指す短期決戦型販売」に集中するブース展開は有りか」に置き換えての答えは、
一つだけ実施パターンが有る。(31■)
17■ BtoBのお客は特定少数
BtoBのお客は消費者のように不特定多数ではなく、特定少数。
そのお客がわんさと各地からやって来て、わくわくドキドキしながら、主体的に、能動的に、積極的に会場をくまなく回遊し情報を収集する。
18■ 顧客のトライアングル構造で客層を想定
この特定少数のお客のトライアングル構造で見ると、
頂点に位置する層は、同業者から尊敬される最大規模のビジネスを展開しつつ、同業全体のことに気遣いしているであろう。
この頂点に位置する層の企業にたいし、展示会場で新製品のお披露目はしてはならない。
会期前の仕事で、展示会にご招待し、もてなす。
何を以ってのもてなしか。それはブースにて現物のもつ価値に納得いただくことでのこと。
その下位の層は、
同業者の中で最も勢いがあって、同業者の質を高めるお手本であろうことから、
ブース展開の照準をこの層当ててお披露目。
デモンストレーションやセールスイベントのメインターゲットアカウントとしながらも、ブース内で他のお客に製品の価値の優位性を訴求してもらうデレゲーションを展開していただく。
その下位の追随する層の企業も勢いのある企業で、この層も先取性に富んでいる。
中にはシーズやニーズが顕在化している企業もあるだろうし、顕在化一歩手前も、ニーズが潜在している企業も存在するであろう。
このようなプロフィールをもつお客がやって来ている。
ブースに立寄って、商談を切り出すお客とは別に、こうしたお客が情報収集を目的にやって来ている。
19■ 短い会期という限界特性のなかの、会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会の成果(目的・目標)は、それなりでしかない
このパターンで何社と関係を深めるかがテーマであり目標となるが、
この短期決戦型の販売に集中したところで、
会期中という時間的制約があるから、やっても成果はそれなりでしかない。
「その結果程度の収穫」で事足れりで、満足するのか。
20■ 情報収集が目的でわんさとやって来るお客をどう読み取るか
通常のビジネスステージでの営業活動は
こちらから客先に足を向けて訪問し、何回かのコンタクトの末、課題解決策を提示し、
幾つかの調整のうえ成約に漕ぎ着けるが、
このお客が展示会にはお客のほうから往復 4時間費やしてやって来る。
そして会場内に時間滞在し、会場内を川のように流れ、
平均 6箇所のブースに立寄るこのお客の反応の初めは、
通常のビジネスステージにおいては、おおむね客体的で、初め頃の態度は受動的で、比較的消極的であるが、
開催されている展示会場に、お客は、立場を逆転させて、
主体的・能動的・積極的に各地からわんさとやって来ている。そもそもビジネスに不熱心な人は展示会にはやって来ない。
21■ 情報収集の熱量は何に依って湧き上がるか
彼らは出展者や主催者が想像する以上に、有用情報の入手に力を入れて会場内を探し廻っている。
この点で言えば、
こちらから訪問を開始する通常のステージでは考えられないほど情報収集への熱量を強く感じる。
22■ 開催される展示会のそこは「明日の市場・明日の産業・明日の業界」
いわゆる商売熱心で、ビジネス拡大に止まらず、持続可能な成長を続けるために、
顧客に何を提供すべきかを軸にして、
変わりゆく変化を掴み、適合するために、その変わりゆく変化の場に佇み、
感じながら、変化する時代に適合する情報を得て帰りたいと思っている。
開催される展示会のそこは「明日の市場・明日の産業・明日の業界」である。
23■ 持続可能な成長を見込んで適合すべき変化
時代のその背景にある大きな流れの変化、
潮流の変化など社会環境に起因しての変化、天変地異に起因しての変化、
政治・政策・規制緩和の進展の変化に起因しての変化、
戦争・暴動・革命に起因しての変化、
経済の変化・景気の変化、
時流・流行・トレンドに起因しての変化、
産業に起因しての変化、情報技術の変化、市場環境の変化、情報技術の変化、業界に起因しての変化、
お客のシーズやニーズの変化、環境と企業との関係に起因しての変化、
競合他社に起因しての変化、自社企業の規模や社歴に起因しての変化、経営者に起因しての変化、経営に起因しての変化、事業環境に起因しての変化、推進プロジェクトの体質と体力の変化、
社会人としての企業人としての個の変化 … これら変化に適合してこそ持続可能な成長が見込める。
24■ マンネリにしない … 熱心なお客もそう思っている
日々に忙殺すると、とかくマンネリを招きかねない。
日常化はマンネリを生む。新しくするとは、マンネリにしない。
成長は常に新しさを求める。「常に新しく」なければならない。
マンネリであってはならない。
衰退させないためには新しくを繰り返し、継続する。 …
熱心なお客もそう思っている。
25■ 展示会は新しさを訴求する場
ヒトはなぜ大勢集まるか
と、
何故ヒトは展示会に見込み客が大勢やって来るか
という根源的な課題を基底に据え置いて、質の高いお客の集客を誰が創造するか。
創造すべきか。
マンネリ化した展示会はこれらを失っている。
停滞しない。マンネリにならない。常に新しいが故に成長し、そこに魅力を感じヒトが集まる。
新しさが無ければ展示会ではないから、ブースもブーシングも何もかも新しくすることが鍵となる。
展示会は新しさを訴求する場。
商談のマンネリ化からの脱却。
26■ 展示会は、「○○が出来る」の観点で、その為すべき仕事の一例
何を為す展示会とすべきかを、「○○が出来る」観点でその一例を下記に示す。
B2Bマーケティングにおける展示会とは、
商談会・物産展・即売会・プライベートショー・内見会を除く見本市・展示会(ビジネスフェア)のことである。
大勢の見込み客に成り得るお客がやって来る。
商談行動や商談予定行動を起させながら、見込み客を発見することが極めて簡単にできるのが、展示会である。
ソリューション提示とマッチング創造の場が展示会である。
ていねいなプレゼンテーションや、製品説明で「新しさ」・「希少で特別性」を前面に押し出してアピールすることができる場が展示会である。
ツーウエイ・コミュニケーションメディアの展示会は、
課題解決に向けて、出展のつど毎回新しいアピールの工夫と演出で
お客を支援し、デモンストレーションやセールスイベントに参加させ、刺激を与え、
見せて、聞かせて、価値に触れさせ、試用経験など体験させ、学習効果で自社にとって良好なイメージを焼きつけ、気づかせ・動機づける策を絡めてお客を育て、展開実施。
想起率や再生知名度や再認知名度を高め、口コミ効果で話題を波状化し、残存便益を高めるなどを、創造的・有効的・効率的に展開することが、瞬発的に一挙に結果を積み上げ、他の出展者のブーシングイメージを打ち消すパワーをもつ。
このビジネスに勝利する原則をフェーストゥフェースで実現する場が展示会であり、こうして需要の喚起・拡大に合わせて、集中的、重点的に継続して顧客づくりを実施する場が展示会である。
個別の見極めでのコンタクトが、展示会ならではで、出来る。
出展して結果を出すために、エネルギーを込めて絞って集中し、加速度をつけてスパイラル状に引き上げる努力が求められる。この成長する努力が展示会というビジネスステージを成り立たせている。
他社のストロングポイントもウイークポイントも露呈しているのが展示会である。
お客と人間関係の強化が比較的容易にできる。このような仕掛けを講じやすいのが展示会である。
既存取引先、ことに安定取引先へのご恩返しのできる場が展示会である。
様々なタイプの見込み客を発見し、それごとに対応することになるのが展示会である。
競合他社よりも関係づくりを深める。このような仕掛けを講じやすいのが展示会である。
次なるコンタクトを有効にする場が展示会である。
展示会は効果性が高い費用対効果が高い短期間で答えが出る環境が展示会にある。
ROI効果や費用対効果(B/C)「1」を遥かに超え大きな収穫を得ることが期待できるのが展示会である。
短期間で答えが出る環境が展示会である。
まとまった大きな結果を比較的容易に得ることができるのが展示会である。
そして、刈り取りのチャンスの場となるアフターフォロー活動につなぎ、マーケティング・ピリオドまでに効果を最大化するのが展示会である。
市場規模拡大とセールスの命題達成のために顧客づくりと需要の喚起・拡大。そのステージが展示会である。
投入した手間・時間・コストを遥かに上回る安定した大きな利益を会期後の商機に獲得するメディアであり、マーケティング装置であり、質の高いお客を競合他社と招待して成り立つのが展示会である。
ビッグな成果を、短期間で、比較的低コストで展開する。このことにおいて、展示会ほど投資性の高いメディアはない。比類のない優位性が展示会にある。
戦略的、計画的、継続的な対策が講じやすい利点と、ターゲットを絞って狙い撃ちできるなど、コストパフォーマンスの高さが展示会にある。
出展の結果、「明日の大きな売り」と「安定した大きな利益」を得、累積効果もふくめ、大きな成果を生み出すビジネスステージである。
展示会を共創しようとする出展者の参画のステージによってエネルギッシュなパワーが加速度を加えて発揮される。この努力が展示会と産業振興の仕掛人と出展者を成長させ来場者の満足と質の高い来場者が増幅される。
現在便益を高め、残存便益を高めることができる再生知名度・再認知名度を向上させることができる。
etc.
これらをビジネスゴールの明確化 → 目標の設定 → 戦略の策定 → 活動の設定 → KPI設計
重要業績評価指標で数値化し、計画・実施・コントロール・調整で実績を示す。
通常のビジネスステージにおける活動と展示会出展をセットにしたところの、ビジネス・レギュラー・サイクル化戦略として通年化して、通常のビジネスステージにおける活動に弾みをつける。
開催されるBtoB展示会は、大半の来場者が「情報収集を来場の目的」にしている。これが、日本型展示会で、ある。
「引合いや予約受注および売買契約」を目的とする見本市でも「情報収集を来場の目的」にしている来場者が大勢やって来る日本型展示会である。
27■ 来場者総数の10~20%を対象にしての短期決戦型商談中心展示会は、日本型展示会に出展しての仕事の一部
それなのに目先の売りに目が眩み、10~20パーセントをターゲットアカウントとして、「短期決戦型販売」に集中しようとするのであるが、
なぜそれを、80パーセント以上の「情報収集が目的」の来場者を結果軽視することをして、
短い会期だけれど、
ビジネスにとって極めて重要な意味を持つ会期中の出展ブース内で
わざわざ、目先の売りを急いで達成せねばならないのか。
それは通常のビジネスステージでの営業活動に集中する活動ではないのか。
28■ それは、単に売り急いでいるだけのことで、展示会でやる仕事ではない
「情報収集が来場の目的」のそのお客を対象に、
会期中に売りの結果を出す短期決戦型の販売をすると、結果どうなるか。
「ヒトの行動は目的によって動いている」から、
「情報収集が来場の目的」のお客は対象外。
そして「ヒトの行動は基本、変えられない」から、
そのお客からうるさがられるだろう。
結果が出ないばかりか、大半のお客を対象に不快感をつくり続けることはやるべきでない。
この活動は通常のビジネスステージで達成すべきテーマで、
手間・時間・コストを大幅に投入してわざわざ展示会に出展してすることではない。
短期決戦型の販売は、単に売り急いでいるだけのことで、
「出展の結果、「明日の大きな売り」と「安定した大きな利益」を得、
累積効果もふくめ、大きな成果を生み出すビジネスステージで売り急ぎする行為は、
生産性が極めて低くなるから得策ではない」。
その実績は、年間販売量の先取りでしかないことを認識しなければならない。
現状年間の販売量はおよそ読めているはず。
ビジネスにとって極めて重要な意味を持つ会期中の出展ブース内でわざわざ達成せねばならないのか。
29■ 情報収集が目的の来場客の行動とそのお客への対応
来場客は平均的に往復 4時間費やして会場内に 4時間滞在する行動は、
およそその日の大半は「欲しい情報を探す」ことを目的にし、
他のことを犠牲にして、自発的に「探しにやって来ている」。
通常のビジネスステージでの営業活動ではお客は客体で受動的であるから、
お客は聞く耳を持っている。
だから、売り手の「この人は何を言いたいのだろうか」との姿勢で臨んでくれるが、
展示会に情報収集の目的でやって来るお客は、主体的に能動的に、積極的に有用情報を探し求めるから、
それを受けて、
有用情報提供の対応をしなければ、お客は失望して去っていく。
ブースで商談を強く意識している出展者は、情報収集の目的でやって来るお客を軽視してはならない。
何故なら、
主体的に能動的に、積極的に有用情報を探し求めるお客は、質が悪いお客ではない。
しかも
この質の高い情報収集客をターゲットアカウントに据え置いて、
どのようにアプローチして
個別の見極めのうえ、
有用情報を提供する。
商談目的の来場客は商談に関心を持ち、情報収集の目的でやって来るお客は、
あくまでも、
有用な情報が欲しいだけのこと。
「ヒトは目的で行動する」から。
しかし、かなり具体的にイメージを掴んでのこともあれば、情報を付け足したいと思っている場合もあろうが、
大半の情報収集の目的でやって来るお客は、
その他は、何かないか、新しい、珍しい、ためになる、特別の、話題性のある情報はないか、と模索している。
このように、情報収集の目的でやって来るお客の 95パーセントくらいの人は
自分が欲しいものをイメージすら描き切っていないことを想定して臨まなければならない。
自社商品・製品・技術・システム・サービスの機能の素晴らしさを高らかに謳いあげている出展者があるが、
お客はそれを聞く振りをしていたとしても、実際は聞いていない。
聞く耳を持っていない人が大半である。
何故なら、それが聞きたいとは思っていないから。だからお客にとって、お客が欲しいと願望する情報なのだ。
関心事はお客のベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)
であるから、
訴求/ アピール内容は顧客ファーストとしなければ、相手に響かない。
では、ここで云うところの「有用情報」とは何か。
それは、
自社商品(製品・技術・システム・サービス)の基本価値や付加価値および利用価値と
メインターゲットアカウントのニーズを結んで、
それにお客へ提供するベネフィットを加えての提示スタイルで、
共感・共鳴する短いトークに … 。
これが、
次回はこちらから訪問してもっと詳しくご説明できます、と繋ぐ。
情報収集を目的のお客と、個別の見極めを行ったうえで有用情報を提供する出展者。この双方が向き合うからこそ情報交換に弾みが付き、
お客はもっと知りたいとか、踏み込んで相談してみたいと思うものである。
30■ 会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会は、絵空事ではないか
この条件下で、会期中に何社と商談を進め、何千万円の受注をしようとする計画か。
「会期中に売りの完結を目指す短期決戦型販売」に集中するブース展開」が本当に実現できるのか。
絵空事でないか。
「会期中に売りの結果を目指す展示会は有りか」の本当の答えは、「否」である。
「売りの結果を目指す展示会は有りか」の答えは、「有り」である。
「会期中に、通常のビジネスステージにおける活動で売りの結果を目指す展示会は有りか」の答えも、「有り」である。
31■ 一つだけ実施可能なパターンが有る
それは、
「会期直前にセールス展開のクロージング段階を過ぎた時点で、最終の意思決定の直前まで漕ぎつけたセールス活動のフィニッシュワークとして、
ご招待し、
ブースで実演などを通じて現物を見て、または具体的なイメージ構想を確認し、
理解を深め、価値に触れ、了解し、納得し、確信を得てブースでその見極めができるよう導く商談の場合のみ」である。
これができれば、不確かなお客を「相手にせずとも「短期決戦型販売」が実現できる。
そして、
商談もしくは契約を目的にやって来るこの来場客は、自発的にやって来るから、自発的に立寄りたいブースを探す。
だがそのために商談コーナーに引き込んで行ってはならない。
セールスイベントやデモンストレーションに参加させて進行。
その光景を、他の立寄客に見せる演出が他の好機を生む。
32■ 限られた時間内でBtoB取引態度変容のステップを踏む
セールスのステップ対策で言えば、
このお客にブースで「注意を喚起する」必要はない。「興味・関心」も、ほどほど持っていると思える。
では、この「ほどほど」はどのように確かめて、実際に「興味・関心」段階から
次の「理解させ、連想させ → 確認させ → 願望を抱かせ → 欲求度を高め → 記憶に止めさせ」
更に、「比較検討させ → 選択させ → 絞込ませ → 了解させ → 製品と無言の対話をさせ → 見直しと心の整理をさせ →
納得させ → 確信させ、商談行動に押し上げる」 …
この「BtoB取引態度変容のステップ」を、
限られた時間内で、どこまで達成可能であろうか。
もちろん相手次第で、
お客とコンタクト(接客)して、ヒアリングを行ったりお客の言動で
今どの段階のステップを踏んで居るかを確かめて初めて
商談行動のリードが出来るのである。
簡便に名刺を受け取り、その名刺でセールスアプローチしても皆無に近いくらい結果は出せない。
【売りの結果を目指す展示会はどのようなベクトルとなるか】
33■ 日本型展示会のメインターゲットアカウントこそ、情報収集が目的でわんさとやって来るお客
日本型展示会で、会期中に売りの完結を目指す短期決戦型商談中心の展示会重きを置いたのでは大損する。
ここで直視しなければならないのは、「お客が主体的に能動的に積極的にわんさとやって来る展示会に何を成果(目的・目標)と決めて出展したのか」というテーマである。
基本的には、
需要の喚起・拡大と顧客づくりを展開することで、
市場・業界内での支出配分総額(市場規模)を増大させつつ、
集積メリットのシェアリングを通じてライバルに目と鼻の先で勝利し、
産業を振興させ、経済効果を生み出すために、
情報収集目的のお客をメインのターゲットアカウントにし、ブーシングを組み立て実施することで、
一社でも多くの質の高い見込み客(リード: Lead)と出会って、そのお客を固定した安定した取引先として育成し、
ライバル企業より一社でも多く良質の得意先増やし成約することで、
「売上げを拡大し、安定した大きな利益を得て、競合他社に勝利し、マーケットシェア(市場占有率)を高める」。
この視座で、出展の成果(目的・目標)を最大化するために何をどうするかが見えてこないか。
結果を出すためには、
ブース前の通行客のなかから自社にとって質の高いお客を集客し、立寄らせるための準備が必要であるが、
一方で会期は短く、コンタクト(接客)時間も短いだけに、
結果を出すためにエネルギーを込めて、ターゲットを明確に絞り込み、そのお客にたいして重点的・集中的・継続的に、スパイラル状に引き出す工夫と演出が有効になるのである。
この主体的に能動的に積極的にわんさとやって来る情報収集目的のお客の期待や願望にたいし、応えてあげようとしない出展者の前を通行するお客は、
容赦なく素通りする。
素通り率が97~98パーセントと高いのは、お客の期待や願望を認識も意識すらもしていない証拠である。折角、主体的に能動的に積極的にわんさとやって来ているのに、である。
しかも、その期待や願望と出品したメイン商品の訴求を結んでのセールストークは準備されていないことや、若手の社員を説明要員や接客担当者にして、お客は充足するのだろうか。
ブース内でお客が充足する体制を構えておかなければ、始まらない。
34■ 日本型展示会の特異性と本質
要点は、「日本の特異性」である。
海外の見本市や展示会の生い立ちや国民性に大きな相違がある。その大半の海外から見れば、「日本は特異」であると思われるのであるが、それが「本質」であるから、単純に海外と同一視する訳にはいかない。
経産省や日本展示会協会などは国際見本市を海外水準に合わせようとしているが、別物であるから合わせられない。
海外企業が日本の見本市や展示会に出展して多くが宛外れで泣いているのは、会期中に取引を成立させる商談型で開催したところで、80パーセント以上の来場者は「情報収集が目的」であり、
その誘いには乗らないお客がそれまた大半なのである。
これが実態であることを前提にしなければ、総崩れとなる。日本型展示会とはそういう本質の特徴を持つ。
35■ 「BtoB日本型展示会のベクトル」はどう開催し、出展すべきか
主催者が開催前に、商談を強く訴求して告知を実施しても、
来場者総数の約80パーセント以上の来場者は、「情報収集」を目的としてやって来る日本型展示会は、
この来場者をどう捉え対応するかのテーマである。
36■ 有用情報の入手に力を入れるお客に提供する情報と伝え方
「新しさ」、「希少」で「特別」なものをはじめ、
「文化性」・「オリジナル性」・「インパクト性」・「意外性」・「共感/ 共鳴性」などの情報を「面白く」・「楽しく」・「参加させ」、「学習させ」、「伝えきる」ことに強い関心を示す。
ここで大切なことは、
有用情報を求めるお客の熱量に出展者は、その提供者として熱量で対応してあげることであり、
すなわち、
ご招待し、お出迎えを行って、
お客のためになる有用情報を出品製品・技術・システム・サービスなどの商品価値・付加価値・利用・消費価値などを
お客ファーストで提供することで、お客は充足する。
「ヒトは目的で行動が替わる」から、出展者は、製品や技術の優秀性など売るための情報を一方的に伝えようとするのではなく、
有用情報を求めるお客の熱量に出展者は、お客の立場で応える。このように、お客の願望を充たす情報をどのように伝えるかの姿勢で臨むことが有効となる。
37■ 何を以って熱心に求めて有用な情報と化すか
そのお客は、既存の取引先と新規見込み客(リード)に大別できるが、
基本双方とも、
来場客はその企業のお客を対象に日夜のビジネスに励み、その末端のお客のために何をプラスして顧客満足を提供できるかや、どのようにすればビジネス規模を拡大できるかetc.
自社ビジネスに心血を注ぎ、ライバル企業との差別化を図り、あるいは独自的に展開するためにどうあれば良いかなどのヒントも含めて有用な情報を求めて熱心にやって来ている。
つまり、来場する大半の生産財なの企業は、その企業の
顧客のためになることにつなげる情報を求めていて
企業がその顧客に商材を販売もしくは提供
入手後は、その情報を役立てて、顧客からの熱望や渇望に応えようと、その企業の顧客にプラスになる提案を以って競合他社に勝利する予定を抱えてやって来ている。
38■ 展示会と出展の唯一無比の優位性と展示会活用のベクトル
多くのお客と次々にフェースツーフェースでコンタクト(接客)して、
通常のビジネスステージ活動では稼げない大きな収穫を低コストで展開できるメディア、マーケティンやプロモーション手段は他に無いことは、
展示会は唯一無比であり、
事業を持続可能な成長とするためのステージとして企業にとって展示会は不可欠で、
ここでの「効果」を多く蓄積して通常のビジネスステージにつないで結実させる点において、通常のビジネスステージにおける諸活動と展示会出展は切っても切れない相関関係にあり、
事業活性化の両翼と位置付けられる。
事業発展・維持に欠かせないから、出展のつど出展力を高めることが求められる。
そして、両翼のシステムを定着させるために、推進プロジェクトによって標準化することが不可欠である。
39■ 目指す日本型展示会および出展の「ベクトル」は経済効果を生む
「やって来るお客と相互に共有できる価値づくり」の視点で見れば、
「一人でも多くの質の高いお客をターゲットに絞り、
集中して繰り返し実施のうえ、
需要の喚起・拡大と顧客づくり」であろう。
顧客づくりは新規見込み客の獲得のみではなく、既存顧客をご招待してクラスアップを図る。
これらを総合して、
市場・業界内での支出配分総額(市場規模)を競合他社との競争と共創作業を行い、
結果、
会期後の通常のビジネス・ステージでの事業活動において、ブーシングの努力に見合った集積メリットのシェアリングが実現できるだけでなく、
ターゲット市場の活性化を生むから、産業振興に貢献できる。
これが日本型展示会が目指して来た「ベクトル」である。
これを目指さない展示会に出展すればこそのビッグな収穫が得られる。
それこそ、こうなればこそ経済効果も形成される。
40■ 現況開催のBtoB展示会は、経済効果を生んでいるか
経済産業省の『展示会産業概論』
https://www.nittenkyo.ne.jp/other/document/H2603_gairon.pdf に
経済波及効果の記載はあるが、
経済効果はドイツのメッセでの図表28(49㌻)の記載のみで、経済効果について触れていない。
大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」に建設の併設される「展示等施設」の計画実現を見込んで作成されたと思われるが、経産省自体、日本で開催された生産財18業種、234件の図表44の掲載はあるが、この件数を合算しての経済効果も記載がない。
現況開催される展示会も出展もベクトルがその方向に向いていない証拠ではないか。
41■ お客が商談行動や商談予定行動を起すために出展しているのであるが、展示会での「商談」は、中期販売計画達成のためのマーケティング・テーマとしての「商談」
これらすべての課題・テーマのすべては「商談」につなげるためである。
言わずもがなであるが、
「商談行動を起こすために展示会に出展している」のであるが、
よく耳にする「展示会は、商談の場」を履き違えて、
米国のトレードショーとの実施背景の齟齬を顧みず、強引に、「会期中に売りの完結を目指す短期決戦型販売」に集中するブース展開を」の甘い誘いを短絡的に本気にして出展していないか。
ところで、「中期販売計画達成のためのマーケティング」に関してであるが、
日本型の展示会は、展示会メディアとして祝祭性の非日常の商空間を基底とするマーケティング装置を働かさなければ、通常のビジネスステージに大きな成果がもたらされず、飛躍的な事業の発展にはなり得ない。
この装置が無い展示会は、単なる「箱もの」でしかなく、先行きは姿を消す。この大問題に気づいていない経営者が多過ぎる。
「祝祭性の非日常の商空間を基底とする日本型開催展示会メディア」に出展し、
「中期販売計画のテーマ実現」を目指さない限り、
効果も結果も成果もそれなりでしかなく、やがて、来場者は遠のき、出展者は減少し、開催コンセプトが乱れ、開催もおぼつかなくなる。
(3- 4- 1. 会期が短く接客時間も短い限界特性と「非日常の商空間」の関係性および6- 1- 3. 「85~90パーセントのお客をターゲットにしての出展戦略を基軸にして、展示会のメディア特性・強み・特徴を活用する出展のあり方が求められる)の項参照)
42■ 日本型展示会の出展者ブースは、商機をつかみ、情報を制し、質の高い顧客を他社より多く獲得するプラットホーム
BtoBの特定少数の企業の上澄み層・革新層・追随層の上位55%くらいのお客を最優先にしてのブース展開を、
生産性の高いチームワークではつらつ展開し、商機を先につかみ、情報を制し、質の高い顧客を他社より多く獲得し、優勢市場で優位に立つことを目指したい
そのプラットホームが日本型の展示会である。
5- 2- 6. 展示会タイプの再確認
「呼称には、展示会、見本市、ショー、フェア等々があるが、これらの定義・区分は明確に存在していないとしながらも、
ここで、「展示会タイプの再確認」をしてみたい。
取引関係者のみの専門展は、「Trado Show」または「Trado Fair」
ドイツの専門業者限定見本市は「Messe」
Showよりは取引・商談のエレメントが大で専門展の中の専門展の、「Fair」
消費財の見本市などを「Show」
取引・商談のエレメントが大きくない展示会を「Exhibition」
ドイツでの販売促進のための情報提供中心の展示会を「Ausstellung(独語:アウスシュテルング)
産業振興・貿易振興によって最終着地点を「売り」とする展示会の領域としては以上で、
Exposition(Expo)やPublicShowは、博覧会、一般展・小規模博覧会と呼称されることからもそれから外れるから、「展示会」というときはこれらを含めない方がよさそうである。
・・・ と言いながらも、我が国において現状、これら呼称を用いる展示会・見本市はほとんどないことから、整理し直すと、
生産財・消費財における展示会として
⑴ 会期中に契約やBtoB取引を中心とした商談に特化した見本市
⑵ そこまでの徹底振りはないものの、取引関係者のみの専門展・専門業者限定見本市
⑶ 取引・商談のエレメントが大での専門展
⑷ それよりも取引・商談のエレメントが大ではない専門展
⑸ 販売促進のための情報提供中心の展示会
に大別される
5- 2- 7. 会期中の契約やBtoB取引など商談に特化した展示会や見本市にこだわっている開催展示会コンセプトは、成果の規模は期待できるのか
☑ この趣旨の見本市の実際の効果測定や開催展示会トータルの売上げなどが数値化されているのだろうか
☑ もっと言えばすべての出展者のROI効果を主催者は正しく把握しているのだろうか
観察調査であるから、正確ではないが、大半の出展者ブースにビジネスになるほどの見込み客が商談している光景になっていない。
出展者は、契約やBtoB取引など商談に特化した出展を目的としている。片や来場客は「情報収集が目的」でやって来ている。
「売り買い(トレード)と商談目的としての見本市」と「契約や購買目的の商談中心のBtoB展示会」をこれからも推進する主催企業があるが、この、「会期中に商談完結を目論んだ展示会タイプに出展企業もその気になって相変わらず出展しているのであるが、来場者の大半が「情報収集を目的」にやって来ているため、多くの出展者は、思惑が外れ、結果に齟齬が生じている。
開催される展示会には来場者がわんさかやって来て、
別項で事前プロモーションの展開の延長で出展ブースに立寄らせて、「契約やBtoB取引目的の商談」を確立するオーガナイザーがあったが、このこともふくめて、顧客第一主義を踏襲して「情報収集が目的の来場客を対象とした日本型の、日本特有の、日本ならではの展示会づくり」を志向したいものである
5- 2- 8. ブース前通行客のプロフィールで分類すると、ターゲットとすべきお客のプロフィールが2タイプ見えてくる
「来場者」は、来場の目的別で区分けして定義づけされている。「情報収集、商品の購入、出展者との契約を目的として展示会に参加する人」この 3 つのパターン。(参照: 経済産業省pdf『展示会産業概論』「第1章展示会とは - 来場者の定義」)
商品の購入とは、一般消費財をシーズンごと、または年間単位で仕入れ商品の買い付け、買取、仕入れ、引き合いを目的に地方からもやって来る小売業対象の消費財 BtoB 見本市・展示会で、例えばTOKYO INTERNATIONAL Gift Showなど。
例えば スマートエネルギーWeekなど生産財の展示会で、出展者との契約が、BtoBスタイルの商談による展示会と定義されている。
この商品購入と出展者との契約を目的とした開催展示会の主催者は、商品購入や販売契約をコンセプトにして、展示会を商談の場と位置づけ、バイヤーやBtoB取引担当に告知し、来場を促進している。
また、より契約等の商談を強調して、特に米国のトレードショー(Trado Show)タイプの展示会を日本国内でも定着させようとする主催者もあるようである。
このような計らいで、出展者側で見る展示会の「来場者」は、出展者との契約目的のお客と商品の購入客がメインであると認識し、そのつもりで出展している企業も少なからずあるようである。
そして、来場者総数が 7 万人強とか 10 万人であるとアピールする。だが、バイヤーやBtoB取引担当に告知し、来場を促進しても、日本において、「情報収集を来場の目的」とする来場者が圧倒的に多く来場している。
詳細の理由は詳らかでないが、『展示会産業概論』を読むかぎりこのお客はお客と見ない主催者もあるようである。この考えであれば、情報収集目的のお客はお客と見ない傾向にあるとも言えそうである。
しかし定義付けられているように、情報収集目的のお客もお客である。日本で開催される展示会のほぼすべてに近い大半の「来場者」は情報収集目的のお客である。この来場者の割合が高いのが実際で、日本型展示会の特徴の一つである。それは、一般流通で帳合制度が直接販売を規制していることや展示会がマス4媒体に継ぐ第五の広告メディアと位置づけ、産業振興を目途に大々的なPRショーとして育って来た背景が今日の日本型を形成した。
しかもここで重大なテーマについて触れたい。それは、通常のビジネスステージにおける活動を通じて、「需要の喚起・拡大と顧客づくり」がどこまで達成できているか、である。仮に出来ていたとしても、このテーマは際限があるとすれば市場が飽和状態になるライフサイクルの円熟期以降であるが、それまでの間、追求し続けるテーマで、事業計画達成のための最重要テーマであり、短期決戦型販売戦略の遡上というよりも中期マーケティング戦略で果たされるテーマである。
このテーマに基づいて、多くの見込み客とダイレクトにコンタクト(接客)して達成できるメディアや手段は他にもあるが、コスト面で展示会を超えるものは存在しない点において、展示会は比類のない極めて優れたメディアであると言える。
そこで、企業は情報収集目的のお客を分析して、このターゲットアカウントにたいして展示会出展ブースでどのように働きかけることが生産性を高められるかを考え、そのためのイノベーションやマーケティングや戦略をどう講じるか、これを出展企画の基軸にすることが現実的な課題となる。
商品(製品・技術・システム・サービス)を販売するためのステップを踏まえると、
商談決定権者、商品(製品・技術・システム・サービス)使用責任者、法務担当者など関与者、商品使用担当者に分けられる。
商談予定行動を起こすお客も、商談予定行動を起こす予備軍のお客も、商談予定行動を起こすニーズが無いお客も、同様に分類できる。その他花見客も居る。
少なくとも、ニーズが顕在化しているお客と潜在化のお客のポテンシャリティや緊急度などは探ることを前提に、策を講じて臨むことで、見込み度の高い顧客を会期中に創り出せる見込みはある
5- 3. ◆ BtoB開催展示会の主たるタイプ
5- 3- 1. 自発的に顧客に直接需要を喚起し農耕型営業スタイルで展開する日本の産業競争力を支える企業間取引のBtoB企業の基軸に置く考え方
BtoBが、「売り手の自社to元請け」である場合、需要(市場において購入しようとする欲求。BtoB取引力に裏づけられたもの)は「派生」となるが、需要が元請けではなく市場における数多くの「法人顧客」と取引しようとした場合の需要は、「直接」となる。
自社が自社商品(製品・技術・システム・サービス)を多くの法人顧客を対象に販売しようとするとき、想定される買い手情報を得て、相手を替えて複数の人からの同意を得て行き、「ニーズ・導入時期・予算・決裁権」などが明らかになる。
複数の相手を替えるとは、利用・使用する担当者と責任者以外に、関連部署の担当者や責任者、研究・開発部署やBtoB取引部署の担当者と責任者や法務担当者も絡むだろう。予算化には財務・経理担当者も絡み、決裁権を持つ経営者や経営管理者も絡む。立場によって受け止め方が変わることもあって、それぞれの違う立場に適合した展開が求められる。
一人でも反対があれば商談は成立しないだけに、実態を把握しながら、ニーズに関して、潜在化されているときは顕在化するよう働きかけ、顕在化されたとしても利用・使用あるいは導入に伴う諸課題を個別の見極めをしつつ、営業活動は推進される。
そして顕在化したニーズを満たすためにベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)を考え抜くことになるが、このベネフィットも買い手企業の立場によって変わるであろうし、何よりもキーパーソンの同意を必要とする。
このニーズとベネフィットのテーマの先に、導入時期・予算・決裁権の問題も解決しなければならない。
しかしながら、対象の法人顧客は、市場に数多く存在しているため、一般流通の直接需要と同様に、自発的に需要の喚起・拡大策を掲げながら、競合他社よりも先に取引できるよう努めることになる。
これら一連の活動を、市場で多面展開する訳であるから、同時並行するところのシステム営業の基底に置くことは、需要の喚起・拡大策であり、商談予定行動や商談行動を起させる段階、導入以前の段階、導入決定時の段階、導入時の段階、導入後の段階、導入後の利用価値を高める段階、更に顧客のお客の満足を充足させる段階などを通じて、顧客価値を高めることが求められるのであるが、それら実現には絡む人たちとの関係づくりが重要なテーマとなる。この意味で「顧客づくり」を同時並行して進めることになる。
一旦取引が成立したとしても、利用価値を高め、顧客価値を高めることでつなぎ、販売した商品の改良版を出せば取引は続き、他部署で他の新たな需要が芽生えれば呼応して新たな供給をという風に、需要の喚起・拡大と顧客づくりは、個別の見極めをしつつ、多面展開する。
市場において多面展開で生産性の高い営業活動をするためには、質の高い顧客が多く存在するターゲティングも重要テーマである。
市場には、優勢市場を支配することは言うまでもないが、ポテンシャルが大きいが故に拡大すべき市場、競合他社を寄せ付けないための強化すべき市場、今だからこそ重点を置くべき市場、維持すべき市場など主戦場をどこに据え置くかの視点も外せない。これらは開催展示会選択基準とも関係する。
このようなことから、畑を耕し、種を蒔き、花を咲かせて実りを収穫する農耕型の営業スタイルを踏襲することが望ましいという視点で、BtoBの展示会出展を考察する。
序ながら、自社にたいし買い手のターゲットアカウントが元請けの場合、展示会出展はそことの依存度が大きく減少することが考えられ、また営業スタイルが狩猟型の企業も展示会出展も適切でないと言える。
5- 3- 2. 農耕型営業スタイル企業が活用する展示会の主たるタイプ
一般流通における食材・化粧雑貨・文具・玩具など消費財の小売業のバイヤーなど仕入れ担当者が、シーズンごとの商材を求めてやって来る展示会は、分かり易く例えれば、デパートで実施される物産展に似て、売りたい出展者がブースを構え、仕入れたいとか買付け目的で小売店がやって来て、展示会場で商談が成立するスタイルの成果は、それなりのことで終わる。
だが、BtoBの農耕型営業スタイル企業が出展する開催展示会は、会期中に売りの完結を目的とせず、通常のビジネスステージにおける活動で不十分とされる中期マーケティング戦略のテーマである「需要の喚起・拡大と顧客づくり」を実現するため、「ビッグビジネスに向けて足掛かりのプラットホームのブースから会期後の商機にブリッジングする展示会」に出展し、この活動を通じて競合他社と共に市場規模を拡大し、集積メリットのシェアリングを通じて産業を振興し、経済の活性化に貢献する開催展示会に出展する、という視点で考察を進めてみたい。同感してももう一度考え、同感しなくてももう一度考えるに値すると思っている
5- 4. ◆ 出展スタイル概要と生産性の高いブース展開の着眼
5- 4-1. 需要を自発的に直接創り、その営業スタイルが農耕型のBtoB企業が出展する開催展示会の、出展スタイル概要と生産性の高いブース展開の着眼
需要を自発的に直接創るのであるから、展示会に出展してやって来る顧客に直接コンタクト(接客)して刺激を与え、ターゲットアカウントがBtoB取引力に裏付けられて欲しいから購入したいと求める、すなわち需要を喚起し、市場内で拡大を図る。
そのための営業スタイル(業態)は農耕型。顧客第一の姿勢で、既存取引先を育て、新規見込み客を獲得する。
日本の産業競争力を支える企業間取引のBtoBであるから、この既存取引先と新規リードがメインターゲットアカウントであることには違いないが、顧客第一の視座で言えば、「ターゲットアカウントあるいはターゲットアカウントのお客」のために、商品価値とニーズを結んだベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)を提供すれば顧客は満足であるかを考え抜いた提言を提供することが望ましい。
「顧客が求めているベネフィットは何かの提案」があれば、やって来る顧客は満足するだろう。
換言すれば、出品商品(製品・技術・システム・サービス)の基本価値や付加価値、時間価値、経済性の価値、新しさなど希少価値、顧客への提供価値・供給価値、利用価値、事業価値、事業以外の価値、企業価値、継続利用価値、更なる顧客価値、経済価値、社会価値、価値の連鎖が、ターゲットアカウントあるいは、ターゲットアカウントのお客に響く価値と顧客ニーズを結んだ提案が求められているのであって、商品の機能面の優秀性などをいきなり強調しても顧客は響かない。
展示会にわんさとやって来るお客は、このいずれかの価値の連鎖情報を収集しようとしてやって来る。
また、やって来る既存顧客は自社出展ブースを目指すと思われるが、新規見込み客はそうはいかない。会場内を対流し、川のように流れ、強く触発されたところにしか立寄ろうとはしないから、見込み客を引き寄せるには仕掛けと努力を必要とする。
この仕掛けと努力は、事前に終わらせておかなければ、間に合わないことになる。
この事前準備のための知識も経験もスキルもなく、達成意欲だけあっても、良い結果にはならない。
「解決すべき課題は山ほどある」のであるが、企業リソース・経営資源が充実している企業は、この「山」は少ないから、ブース展開においてシンプルな形ではつらつ(溌剌)とやっている。
その活発で盛況なブースは、展示会ウオッチングで容易に見て取れる。
反面、企業リソース・経営資源が充実していない企業の場合は、新規見込み客を引き寄せることができずに、ブース内は閑散としていて、接客担当者は手持ち無沙汰の様子。
この状態は、事前に準備できていないから閑散となるのである。毎回出展のつどこの負のスパイラルを繰り返せば、その企業は衰退の一途を辿ることになる。
小規模な企業も事前に効く準備を完了して出展していると、小間は小さくても活況を呈している。間口3メートルの基礎小間を構えた出展者でも終始盛況なブース展開しているところが、会場内に見て取れる。展示会出展の成果(目的・目標)は、企業規模を問わないのである。
マーケティングなどを知らなくても、⑴「生産性」 ⑵「イノベーション(技術革新+しくみや制度の革新+運用や利用の革新など継続した改善)」 ⑶「マーケティング」 ⑷「戦略」で果たすべき「コト」がバランスよく機能していると、とてつもなく大きな収穫があるのが、展示会である。
殊に、人的資源によるところが大きく、展示会に出展して他社よりも大きな収穫を獲得するために必要な機能と役割が明確化されたうえで、その機能を果たすための適性能力を持ち合わせていて、成果達成意欲のある企業の出展結果は半端じゃない。だから、通常のビジネスステージにおける活動もそうであろうことから、稼ぎ方は尋常でない筈である。
しかしながら、この機能と役割を果たしただけでは、出展成果(目的・目標)は最大化しない。何が欠落しているか。この着眼を外さずに展開している出展者が展示会で大きな成果を得ている。
この着眼とは、「展示会をメディアと捉えて、活用している」のである。投入した手間・時間・コストを上回る利益を生み出すから出展しているのであるが、その効果が展示会ならではで存在するから効果が出て成果を大きくする。
効果は効果の出ることをして初めて効果となる。効果の出ないことで終始すればいつまで経っても効果は出ない。
出展準備とは主にこの準備である。
先の項で、「マルチクライアント方式だから、わんさとやって来る見込み客に低コストでコンタクトできる展示会は比類がない」ことに触れたが、マルチクライアント方式は逆に、「目と鼻の先に競合他社も出展しているから、「展示会は勝者が容赦なく獲物を獲得する場でもある」ように、表裏の関係性を特性としている
☑ 会期中、「販売や契約など商談目的の出展」、すなわち、年間・半期・四半期・月間の目標を追う短期決戦型の販売計画・販売戦略、言い方を変えれば「販売の完結を求め受注を中心としたセールスに専念する」出展スタイルは、通常のビジネス活動となんら変わらないと思わないか
☑ 通常のビジネスステージにおける活動で行うべき行為をなぜわざわざ非日常の商空間化したブース展開で行おうとするのか
☑ 非日常の商空間化したブース展開にふさわしいROIまたは費用対効果B/Cの「1」を遥かに超える大きな成果を目指せるものを見捨てて、その機会ロスを招いていると思わないか
☑ 短期決戦型の販売計画・販売戦略は、展示会出展では割に合わないと思わないか
5- 5. ◆ 顧客(取引先)への対応
5- 5- 1. 既存顧客と展示会との関係
展示会出展者の多くが、新規開拓先・見込み客(リード: Lead)獲得中心の出展としている点において、これまで主にそれを基底に解説して来たが、
これには決定的に大きな問題がある。
☑ 既存取引先を招待せずに新規開拓先・リード獲得中心の出展としたばあい、どのような決定的に大きな問題が発生すると思われるか
この問いに関連して補足すれば、「ビジネスは取引先の多い方が勝利する」と言われるように、顧客数は競合他社よりも多くすることが求められるのであるが、問題は、「取引先減少する」のであるから、減る分の穴埋めで、常に取引先は一定数確保する必要がある。
この作業が通常のビジネスステージにおける活動で実施されて成果(目的・目標)は確保できているだろうか。
そこでは、売上げ追求とかそのための企画立案に時間が割かれて、できていないばあい、展示会でそれが実現できるのである。
もちろんその企画は、需要の喚起というテーマを絡めてのことである。そして顧客対策のテーマは顧客の育成となる。
顧客を育てるために需要の喚起をしつつクラスアップを図ることにほかならない。「花も実も根のちから」だ。
展示会出展で、このことが実現できるのである。
特に商談を重点に契約や購入客をメインターゲットアカウントにするのであれば、会期前の事前のプロモーショナル・マーケティング活動で下地をつくり、そのうえで展示会出展ブースで実機など商品(製品・サービス)の現物を見せ、価値に触れさせ、その気にさせて云々が、出展成果を高めると説明した。
これが出来るのが、見込み度の高いお客と、既存顧客となる
5- 5- 2. 既存顧客は決して、ないがしろにできない
日本展示会が示す経済産業省『展示会産業概論』で、既存顧客のことはほとんど語られていない。
反面、展示会は新規顧客が多く獲得できるとしながらも、特に、「契約やBtoB取引目的の商談でやって来るお客」を、展示会や国際見本市の来場者と位置づけている。
確かに、新規顧客が多く獲得できる展示会であり、ブースウオッチングすれば、出展者の大半がこれを目的にしたブース展開となっていることからも、出展者にとって新規顧客が多く獲得に大きな関心があることが分かる。
日本で開催されている展示会において、この傾向は1986(昭和61年)以降顕著になって来た。その後開催のつど、開催される展示会は、大規模商談会のように、米国のTrado Show・Trado Fair(取引関係者のみの専門展)を模して行われるにつれ、既存顧客対応のブース展開が縮小された。
高度経済成長期の一般流通関連の産業振興の展示会の衰退などから、展示会自体が変貌してきたことも起因するのであろうが、それまで、日本の展示会は既存顧客をご招待しての開催が主流であった。市場・業界の生み出す成果・収獲をこぞって寿ぎ、特別の僅少な会場を祭りのように非日常化し、日頃の感謝の念に感謝して特に既存顧客をご招待していた。
これが俄かに変容して、通例であった招待状は姿をほとんど消してしまった。つまり既存顧客のご招待を控えめにして、新規見込み客のなかの、「契約やBtoB取引目的の商談でやって来るお客」をメインターゲットにしてきた。
むろん、新規顧客獲得は必須で不可欠で、不可避テーマである。だが、既存顧客をないがしろにすると、大変深刻な憂き目に遭う。
☑ それは何か
この問題を見誤らないようにしなかった企業は、当該市場や業界から姿を消している。その始まりは、展示会出展を取りやめたことに依るが、取りやめたのは、新規アカウント獲得一点に絞って出展を繰り返したこのアカウント戦略を見失ったからだ
☑ さて、どうするべきか
5- 5- 3. 新規見込み客(リード: Lead)厳選のパターンは、「BtoB取引行動や取引予定行動を起こしたリード」と、「情報収集目的でやって来て興味・関心を持ったお客」
新規リードを分類すると、
⑴ 会期前もしくは会期中のブース内で、「BtoB取引行動や取引予定行動を起こした見込み客(リード)」
このお客には、① 利用・使用する担当者と責任者 ② 利用・使用する関連部署の担当者や責任者 ③ 研究・開発部署のお客 ④ BtoB取引部署の担当者や責任者 ⑤ 法務担当者 ⑥ 財務・経理担当者 ⑦ 決裁権を持つ経営者や経営管理者
が考えられ、それぞれの立場に適合した展開が求められる。準備できていなければ、競合他社ブースで「BtoB取引行動や取引予定行動を起こす」かもしれない。
⑵ 情報収集目的でやって来て後、「興味・関心を持ったお客」
⑧ この中で、ニーズが顕在化しているお客 ⑨ 更に詳しい情報を競合他社商品も含めて集めようとしているお客 ⑩ ニーズが未だ潜在化状態のお客
・・・ などに分類されるであろうから、短時間のコンタクト(接客)において、ブース内で何が達成できるのか、会期後のアフターセールスやアフターフォローでのアプローチの優先度・緊急度を明記することはしておきたい
5- 5- 4. 情報収集を目的にやって来るターゲットアカウントのニーズと出展の目的を乖離させてはいけない
来場客はBtoB取引または商談目的でやって来るお客と、情報収集を目的にやって来るお客に大別される。
後者について経済産業省は、pdf『展示会産業概論』にて、
① 展示会は、企業等が商品・製品を販売するために販売先(バイヤー)と商談を 行ったり、市場動向(ニーズ)等の情報収集・情報交換等を行う場です。
② 来場者は、情報収集、商品の購入、出展者との契約を目的に展示会に参加する人
③ 展示会開催期間は、様々な情報を収集する絶好の機会です。
の記載はあるが、開催展示会にやって来る大半のお客は、情報収集を目的にやって来るお客とまでは及んでいない。
主催者の情報にも員数は公開されていない。当該専門展の情報収集を目的にやって来るお客が初日・中日・最終日それぞれ何社(人)やって来るかが、主催者やオーガナイザーにその情報があれば、利用できるかもしれない。
☑ だが、一口に「情報収集を目的にやって来るお客」と言っても、多様であるから、更にセグメントされた情報があれば、精度の一層高まる企画が立案されそうであるが、入手可能であろうか
入手できなければ、出来ないなりに、出展企画立案で、出品対象商品(製品・技術・システム・サービス)の自社にとって質の高いお客を想定して、「情報収集を目的にやって来るお客」の中の、そのお客のプロフィールと利用・使用・活用のT・P・Oを描いて、そのお客を更にニーズ健在者と潜在者に分類し、喫緊性を考慮してのブース展開を構築することが求められる。
ところが出展の事前にこれら下準備を実施せずに出展したとなれば、例えば、出品商品のニーズがあって、アバウト利用・使用・活用のベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)を描けている有資格客が来場しても、そのお客がいつ、何社(人)ブース前を通過するかしないかは、誰一人読めない。読めないまま待つ姿勢のブース展開であれば、大海で一本釣りを行っているようなもので、出展の成果を出すのは極めて難しい。
☑ このスタイルで出展していないか
主催者の告知に期待できるかどうかはわからないが、働きかけてそれが実現できる方策が見出さられるのであればお願いすることに躊躇する手はない
出来ないとき、出来ないままにする訳にはいかないから、自社独自でどのように告知し招待するかを構築する。これも出来なければ、大海で一本釣りするなか、このターゲットを引き寄せ、釘付けにし、プールしてその気にさせて、商品展示コーナーに呼び寄せるかを立案することになる。
☑ このプランを練ったうえで出展しているか
☑ 主催者が来場したお客に呼びかけて、各社出展ブースに足を向けさせる施策をあの手この手と講じて、ブース立寄り促進が図れなければ、替わって館内放送で呼び寄せるように働きかけるべきではないか
☑ いずれにしても、「情報収集を目的にやって来るお客」の中の、自社出品商品のニーズがあって、有用情報を求める自社にとって質の高い見込み客にたいする需要の喚起と顧客の創造を講じて出迎え、呼応して安定した大きな利益をもたらす取引先に重きを置くことで、商機にブリッジングしたいのであるが、これを行う企画を立案して臨んでいるか
☑ 本来この立案は、通常のビジネスステージにおける活動でも実施すべきテーマであるが、出展した非日常の商空間の展示会でも実施せず、お客のほうからのブース立寄りをひたすら待って、結果、ブース前素通り率97~98%の状態に、多大な手間・時間・コストを投入する意味がどこにあるのか
☑ 来場者の大半の有用情報が欲しいと思ってやって来るお客を軽視して、出展の意味がどこにあるのか
☑ この有用情報を求める自社にとって質の高い見込み客は、どこに立寄れば入手できるのかを知らされていないまま、川のように会場内を流れているとすれば、それは漂流させてしまっているに等しい。商機を求めてやって来るお客に応じてあげないのは、売り手のほうからその芽を摘んでいることになるのではないか
5- 5- 5. クラスアップ策のテーマ
既存顧客になったものの、利用価値や利用方法に知識が足りないで利用が滞っている顧客にたいしてどうすればこの問題が解決するか。
成功すれば、必然的にクラスアップする。
ニーズが明確に顕在化していなければ、これがテーマの活動となる。
使用頻度が少ないとか、利用の応用がないばあい、それなりの動きとなる。
こうして、Eクラスの顧客をD、Cに、BクラスをB上クラスに、さらにAクラス、Sクラスへとクラスアップして、利用価値、顧客価値を高める。
このクラスアップによって発生する売上利益・営業利益は、安定した利益額を次第に増やすことになる。
「売上げを拡大して大きな安定した利益を得て、競合他社との勝負に勝利し、マーケットシェアを高める」この命題達成の一つのテーマである
5- 5- 6. 既存取引先とリードの26セグメント
買う気のあるなしに関わらず、自社にとっての来場客は、既存取引先と新規開拓先・見込み客(リード: Lead)に大別されるが、実際は大きく以下にセグメントされている。
1.) 招待した既存顧客の内、安定した利益をもたらす取引先でSクラスの顧客
2.) 招待した既存顧客の内、安定した利益をもたらす取引先でAクラスの顧客
3.) 招待した既存顧客の内、安定した利益をもたらす取引先でB上クラスの顧客
4.) 招待した既存顧客の内、安定した利益をもたらす取引先でBクラスの顧客
5.) 招待した既存顧客の内、安定した利益をもたらす取引先でCクラスの顧客
6.) 招待した既存顧客の内、安定した利益をもたらす取引先でDクラスの顧客
7.) 招待した既存顧客の内、時々単発的にBtoB取引行動や取引予定行動を起こす顧客
8.) 招待した既存顧客の内、滅多にBtoB取引行動や取引予定行動を起こさない顧客
9.) 招待した既存顧客の内、滅多にBtoB取引行動や取引予定行動を起こさない休眠客
10.) 招待しなかった既存顧客で、他リージョンあるいは他テリトリーの理由で招待客リストから外していたお客
11.)招待しなかった既存顧客で、何らかの理由で招待客リストから外していたお客の内、休眠客
12.)招待しなかった既存顧客で、何かの理由で招待客リストから外していたお客の内、顧客リストから外していたお客
13.)招待した新規既存顧客
14.)招待した新規開拓先・リード
15.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、競合他社の既存顧客
16.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、当該市場にかつて存在していたお客
17.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、当該市場に初めて参入するお客
18.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、当該市場の他リージョンあるいは他テリトリーに属するお客
19.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、その他情報収集目的の来場者で、近い将来見込めるポテンシャルが高いと思われるお客
20.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、その他情報収集目的の来場者で、将来見込めるだろうお客
21.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、その他情報収集目的の来場者で、将来見込めるか不明のお客
22.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、他出展者
23.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、競合他社の回し者のお客
24.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、冷やかし客
25.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、花見客
26.) ブース前を通過しようとした新規開拓先・リードの内、その他来場者
☑ 上記、26パターンのタイプ別顧客を分類せず、ひたすら待機して待った挙句、ブースに立寄られたとき、極めて短いコンタクト(接客)時間のなかで、生産性の高い適切な対応が直ちに行えるか
☑ これらの分類において、ブースに立寄った後の対応策を講じているか
☑ その対応策立案において、上記に示したように、買う気になってやって来る既存取引先や新規開拓先およびリードと、やって来て買う気になるお客を種別しているか
☑ その対応策立案において、やって来て買う気になる既存取引先や新規開拓先およびリードの内、会期後の近々に買うであろうお客対策を講じているか
☑ その対応策立案において、やって来て買う気になるお客の内、会期後の三か月以内に買うであろうお客対策を講じているか
☑ その対応策立案において、やって来て買う気になる既存取引先や新規開拓先およびリードの内、会期後の半年以内に買うであろうお客対策を講じているか
☑ その対応策立案において、やって来て買う気になる既存取引先や新規開拓先およびリードの内、会期後の 1年以内に買うであろうお客対策を講じているか
☑ その対応策立案において、やって来て買う気になる既存取引先や新規開拓先およびリードの内、会期後の 1年以上先に買うであろうお客対策を講じているか
☑ その対応策立案において、やって来て買う気になるお客と、いずれその内買うであろうお客対策を講じているか
既存取引先や新規開拓先およびリード
開催展示会に出展して、新規開拓先・リードをターゲットアカウントにしようとする場合、上記「新規開拓先・リードの厳選は 2パターン」と「既存取引先と新規リードの26セグメント」および「クラスアップ策のテーマ」と「BtoB企業の取引先(ターゲットアカウント・安定した取引先)への向き合い方」で述べたことを整理し、ストーリー化してこそ、出展成果(目的・目標)が出る。
5- 5- 7. BtoB企業の取引先(ターゲットアカウント・安定した取引先)への向き合い方
日本の産業競争力を支える企業間取引のBtoB企業の得意先数はBtoCに比べ極端に少ないことは確かである。扱い商品(製品・技術・システム・サービス)市場の規模も、BtoCと同じく、年間の販売量で見たとき、大幅な変動はない。
その市場規模もBtoCと同じく、顧客が年間に購入する総額で決まるから、競合他社と勝負しながら、この顧客が支出する総額の争奪を繰り広げ企業は存続し・発展する。
取引価格は多額で客数が少なく、購入に念入りな準備を要し、導入まで長い期間営業活動があって、購入のための予算化にも早くて半年かかり、商談時から導入後に至る過程において、関与部署の担当が複数介入し、そのすべての人の合意が必要であり、一旦取引が開始されれば、販売商品の継続利用が続き、その意味では一般流通で云うところの固定客化されるのもBtoBの特徴である。
そしてBtoCとこれまた同じく、「自社にとって質の高い取引先の多い方が勝利する」ことが基本であるが、「固定客は減少する」。
そのため、質の高いお客を増大しつつ、新規開拓先・見込み客(リード: Lead)を新規アカウントとして取り込み、育て、取引先の安定化(ボンデング)を図る。そして紹介促進を期待できるように、新規開拓先・リードを新規アカウントにデレゲーションを推進してくれたり、現代の言い回し方をすれば、顧客生涯価値の創造、顧客ロイヤリティ化など云わば顧客価値を高め、応えてもらえる関係づくりすることが、ひいては更なる「売上げを拡大し、安定した大きな利益を得て、競合他社に勝利し、マーケットシェア(市場占有率)を高める」ことにつながる。
だがしかし、いずれこの顧客とも関係性は崩れて離脱するが故に、持続可能な成長を続けるために、既存客のクラスアップと新規顧客づくりは並行して実施しなければならない。
このBtoB企業の顧客へ向き合う活動は、通常のビジネスステージにおける活動でも展開されるものであるが、顧客リストが営業担当者単位に配分され、営業担当体制を限度として限られた日数の範囲で行われている。当然活動テーマは相手先ごとに違う。
⑴ 既存顧客の場合は、顧客情報はそれなりにあるから、その情報で次なるテーマは何かは判明している。
⑵ 新規開拓先・リードは、ある程度顧客情報を掴んでいて、次なるテーマは何かが見えていてセールスアプローチできるケースと、
⑶ 特定エリアまたはリージョン内のどこにどのような新規開拓先・リードが居るのか、それとも居ないのかサッパリ判らない暗中模索の手探り状態で展開せざるを得ない。
⑷ また、その中には、競合他社の顧客もある。
⑸ 自社商品(製品・技術・システム・サービス)周辺関連市場の顧客もある。
⑹ まったく新しい需要から新規見込み客となった顧客もある。
上記⑴⑵⑶⑷⑸⑹すべてのケースに該当する顧客にたいし、セールスアプローチするとき、通常の場合はこちらから個別にアタックするが、
開催展示会の出展はその逆で、すべてのケースそれぞれに該当する顧客が向こうから、やって来る点で、留意しなければならないことが多々ある。
自発的に行動するからには、それなりの問題点や課題を抱えていて、あらかじめ情報の下調べを終えて、
その解決の糸口を探ろう 確かなものを掴もう 比較検討してみたい 値あるものに触れてみたい 新しい何かを見てみたい 相談したい 良きパートナーと巡り合いたい 活気があって盛況な企業に巡り合いたい …
「直近で、緊急性があって、重要性が高く、容易に着手できて、ベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)が魅力的で、直ぐにでも、いつでも手に入り、ポテンシャルのある課題を解決したい」と思って、半日仕事を中断して遠方からやって来て、4時間近く会場を回遊する。
熱心に探し回っての顧客と向き合う準備を整えて感謝の気持ちで出迎え、
「来て良かった!この企業と継続取引したい!近々是非ゆっくり会いたい」
と思わせることに徹した特別で希少性の高い活動を実施してはどうか。
中には、
① 導入をほぼ決定していて、最終的に現物を確かめ比較して、関与者の複眼で見聞して、ふさわしい価値はどこの商品(製品・技術・システム・サービス)であるかを確かめようとするケースもあるだろう
② 決め兼ねていて、同様の行動を開催展示会で起こすこともあろう
③ 単に商談予定行動を起こす程度に留める顧客もあるだろう
④ あるいは、ニーズは顕在化しては居るが、導入には時期早々で、一先ずどのような商品(製品・技術・システム・サービス)が存在するのか、情報を得る目的の顧客もあるだろう
⑤ ニーズこそあれ、導入は先の先と思っている顧客もある
⑥ 何かしらの問題を抱えていて、解決する手段・手法を模索している顧客も居るだろう
⑦ まったく問題は抱えていなくて、改めて見直す必要はないが、世の中の変化や時流を確かめて置きたいと思ってやって来る顧客もある
⑧ まったく必要性は無いが、世の中の変化や時流を確かめて置きたいと思ってやって来る顧客もある
… まだまだ列挙できるが、概ねこう云った顧客が通常のビジネスステージにも居るし、開催展示会にもやって来ている
☑ これら分類から、活動テーマは当然変わってくるが、さて、それぞれの基本的な対応策は既に構築されているだろうか
基本的な対応策を打ち出すだけでは商談は進まない。ましてや、名刺を貰ったくらいでアプローチのしようがない。その程度では問題の解決をして差し上げる提案が出来ないことは云うまでもない。
個別の見極めのため、個々の事情の違い状況を先ず把握することからセールスアプローチは開始される。
この基本的な対応策も打ち立てていなければ、収穫は競合他社に持って行かれる覚悟を決めなければならない。だが、それではなぜ手間・時間・コストを投入したのか、仕事は、「売上げを拡大し、安定した大きな利益を得て、競合他社に勝利し、マーケットシェア(市場占有率)を高める」ためにではないのか、と現場で思うのではなく、事前準備して臨むべきである。
開催展示会にやって来る顧客は、少なくとも新しい製品。技術・サービス・利用方法などの提案情報を比較したいと思ってやって来る。
その結果、何らかの結論をそれぞれに応じて出すのであるが、顧客はどのような理由で取引先を決めるのだろうか。
☑ あるいは、会期中どのようなことに関心を示したか。興味を抱いたことは何であったと思われるか
☑ どのような利用の仕方をすることが有効で、効率的で創造的であると、理解したのだろうか。
☑ 先述したタイプの組み合わせ別顧客の、想定されるプロフィールと利用のT・P・Oは、描き切って臨んでいるか
☑ そこからシーズとニーズが結ばれたベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)を織り込んだ提案ができるから、その講じた対応策を顧客からヒアリングで得られた情報にフィットさせてこそ相手の購買意欲を着火させるのであるが、顧客を沸点に達する手立ては準備できているか
☑ 着火や沸点の程度を把握したうえで、会期後の商機にブースで得た顧客情報を活かす実施計画はできているか
☑ これらを含めた一連のセールスストーリーはブースに立つ関与者で共有されて臨んでいるか
☑ これらが準備できている出展者だけが大きな収穫を得ていて、準備できているない出展者の働きかけや無為がその成果に反映されているのが展示会の実態である。ビジネスの勝敗を展開する時・場が展示会であって、競合他社に収獲(購入客と販売商品)をプレゼントするために出展したのではないのではないか
