第四部  ブース前集客 構成

 

4- 1. ◆ 会場内を対流する

4- 1- 1.  来場客は会場内を渦巻くように対流する

 

4- 2. ◆ ブース前のお客は川のように流れる

4- 2- 1.  ブース前を川のように流れるお客の中の見込み客に、立寄ってもらわなければ始まらない

4- 2- 2. ブース前通行客の職業・職位は千差万別

4- 2- 3. ブース前素通り率9798%の実態をどう読むか

4- 2- 4. 2~10秒間単位で目の前のお客は通り過ぎ、戻って来ない

 

4- 3. ブース前の集客

4- 3- 1. 自社想定ターゲット客がいつ何社(人)、自社ブース前を通るかは誰もわからない

4- 3- 2.  ブース前素通り客は自社にとっての見込み客が多いと言えそうか

4- 3- 3. ブース前での集客とセールスアプローチの機能

4- 3- 4.  自社にとって質の高いお客でなければ話にならない

4- 3- 5.  ブース前通行客が必ずしも自社にとって質の高いお客とは言えない

4- 3- 6.  出品メイン商品にたいし質の高いお客は何社ブース前で集客できるか

4- 3- 7.  会期中会場で新規見込み客獲得が見込める

4- 3- 8.  新規見込み客はブース前で集客

4- 3- 9.  展示会は大河で一本釣りしているようなもの

4- 3-10.  不確かな中、自社にとって質の高いお客を立寄らせる方法はある

 

4- 4.足止めさせ、引き寄せ、釘付けて、プール

4- 4- 1. 足止めさせる

4- 4- 2.  新規見込み客を引き寄せるには 210秒間しかない。この一瞬の単位で目の前のお客は通り過ぎる

4- 4- . 引き寄せて、プール

 

4- 5.立寄らせる

4- 5- 1.  立寄りの動機づけは不可避

4- 5 - 2.  質の高い見込み客をブースに立寄らせる目標数の算出法

4- 5 - 3.  ブース立寄りの意思決定は 3/1000 秒間。まばたきの一瞬

 

4- 6. ◆ ブースパフォーマンス

4- 6- 1.  PR中心のブースパフォーマンスのみの出展は有効か

 

4- 7. ◆ 訴求/ アピール

4- 7- 1.   ヒトは目的で行動する

【ヒトは目的で行動し、日常的なものや、インパクトに欠けるものは相手にしない】

 

4-1. ◆ 会場内を対流する

4- 1- 1.  来場客は会場内を渦巻くように対流する

 

呼び込まれたお客がわんさかやって来て幾つかの入り口から一斉に会場内に来場客は雪崩れ込む目的を持ってやって来たお客の多くは専門展 7~8ゾーンに分散され流れる。もう一方の流れは、主催者の仕掛けたホットスポットに向けて強制動線でや客動線に沿って会場内を回遊する。

また、非日常の商空間の熱気に包まれ川の流れのように対流する。そして、熱心に会場内で対流興味・関心を抱いたブース積極的に立ち寄ろうとする

 

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4-2. ◆ ブース前のお客は川のように流れる

4- 2- 1.  ブース前を川のように流れるお客の中の見込み客に、立寄ってもらわなければ始まらない

 

会場内を対流した来場客の内何割かのお客は、やがて自社ブース前をやって来るが、新規見込み客獲得を主たる目的で出展した場合、この目の前を通行するお客の中から、自社にとって質の高いお客がブースに立寄ってくれなければ何も始まらない

なのであるが、当て外れで戸惑うことも多くあって、お客は容易に立寄ってくれないものである。折角の機会をつくったものの当て外れであるから、止む無くブース前で商品(製品・技術・システム・サービス)カタログを配布しながら「よろしくお願いします」と語るだけのことで終始する出展者があったり、ノベルティ・粗品・記念品を見せながら、それを配布し、代わりにバーコードをスキャニングしたり名刺を回収して、会期終了後の報告書に、「延べ何人に商品説明した」と記載して終わる出展者もある。

会期前の企画や準備と研修やミーティングを繰り返し、立派な大規模ブースを設置するなど、万全を期したつもりで出展して、立寄り客が無いことに唖然としている出展者もある。

ステージ上でプロのMCがインカムを付けて高らかにPRしている出展ブースに、それなりの集客をキープしたが、パフォーマンス終了後、商品(製品・技術・システム・サービス)展示・陳列コーナーに引き寄せることが出来ずに、ステージパフォーマンスを繰り返すだけのことで終えて、会期後も何ら売りに結びつく結果が得られなかった出展もある。

PRさえすれば結果が出ると思い込んで、懸命に商品の優れた点を強調したものの、「購買行動や購買予定行動を起させる」商談行為に至らず、会期後のアフターセールスのターゲット顧客を獲得できなかったため、出展効果が実しなかった出展者も多々ある。

だが、何につけ、先ずは質の高い顧客をブース内に立寄らせなければ何も始まらないどころか、一巻の終わり

 

☑ さて、どうする

 

 
 

4- 2- 2. ブース前通行客の職業・職位は千差万別

 

来場者総数とブース前通行客数の多さから、来場客の多さに驚くかもしれないが、生産財の出展者の立場で一般に、ブース前通行客を頭に描くとき、情報収集、出展者との契約を目的として展示会に参加する人」を想定しているかもしれないが、通行客のなかに、実際は出展スタッフ報道関係者サービス提供者主催者スタッフ以外に様々な職業や顔を持っている人が多く通行している

セミナーなどコンベンション受講の目的で来た来場者、

自社テリトリー以外の地方客、海外展示会ビルダー等関連企業、海外出展者、海外展示会関連企業、お役人、

協会関係者、展示会主催者、オーガナイザー、本部事務局要員、後援・協賛・協力者、主催者スタッフ、他の展示会主催者、他の施設関係者、

競合他社関連企業、

出展者対象に名刺交換にやって来た売込み客、保険会社のセールスマン等売り込み目的に来た人、大学/研究所関係者、学生、

出展企業、出展企業の関係者、出展スタッフ、競合他社、流通関係者、市場調査会社、取材などで巡回しているPR関係者、通訳とその関係会社の担当者、報道関係者、広告代理店、販促代理店、サービス提供者、

施工業者・ブース・デザイン・設計のデザイナー・ディスプレイや設備・レンタル業者など展示会関連の各種会社、他の施設関係者、

イベントコンパニオン派遣会社担当、運送会社集配人、警備員、

展示会マニア、コンパニオン撮影を目的に来場したアマチュアカメラマンたち等々が含まれる。この他に、トイレ利用者も頻繁に往復している ・・・

そして同じ人が何度も通っていることもあり毎日来ている人も居る

 

そしてターゲット顧客。… 招待客、既存客、新規見込み客、競合他社や関連市場の顧客、競合の射程を超える大手企業の顧客、セミナー受講の目的で来た来場者の中で自社製品の価値に合致するテーマを受講したお客 …

ブース前を通過する来場者は様々な職業や顔を持っている

 

4- 2- 3. ブース前素通り率97~98%の実態をどう読むか

 

 

独自調査によれば、あるブース前素通り率は、9798%であった。100人に2~3人の割合でブースに立寄ったが、100人中97~98人はブースを素通りしている。ブース前を通行する人が、自社にとって望ましいお客が100人中97~98人に含まれているのかは未調査であるから不明である。

逆に言えば、自社にとって望ましいお客が自社ブース前にやって来た時、100%ブースに立寄ってくれれば言うことはないが、何人かが素通りしているとすれば、ロスを生んでいることになる。

自社にとって望ましいお客という見方は、出展企業がそう思っているだけのことで、お客のほうからすれば、望ましい出展者かどうかは、ある程度知名度や好意度次第で多少そう受け止められるだけのことだ。

ある目的を持って歩いているお客は好奇心の強い人でないかぎり目的に向かって歩くので自社ブースは見落としがちになるのは歪めない。

そして素通りしたお客の殆どは戻って来ることはないから、会期中ブース前を通行する人はほぼ全員違う人である、と云うことは、素通り続けたとすれば、殆どブースへの立寄りはない、ことになる。如何に立派なブースつくりを大規模に徹底したとしても、立寄りがなければ一巻の終わりである。

これは何を意味するかと言えば、立寄って欲しければ立寄ってくれる仕掛けを施すが必要があるということ

 

4- 2- 4.   2~10秒間単位で目の前のお客は通り過ぎ、戻って来ない

 
 

来場したブース前通行客は、間口 3 メートルの基礎小間ではおよそ 2 秒間15 mの間口では 10 秒間で川のように絶えず流れ通り過ぎて行く

 

「いらっしゃいませ。如何ですか」と呼びかけている人も居るが、素通りされていて、そのお客たちは戻って来ることはしない

 

4- 3. ブース前の集客

4- 3- 1. 自社想定ターゲット客がいつ何社)、自社ブース前を通るかは誰もわからない

 

自社ブース前を通るかどうか。通るとしても、いつ何社かは誰もわからない。それは、暗闇に目を閉じ、手さぐりで模索しているに等しい。

通常のビジネスステージでの営業活動では、候補リストを入手して、狙い定めて訪問しているではないか。

出展して、新規客のみを対象にする企業のすべては、この問題化から逃れる訳にはいかない。何も手を打たずじまいであれば、不確実なまま推移することになる。

☑ これで投入した手間・時間・コストに見合う利益を生むことができる保証はどこにあるのか

 

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  4- 3- 2.  ブース前素通り客は自社にとっての見込み客が多いと言えそうか

 

ブース前を通るお客は、参加した専門展のお客ばかりでない。まったく疎遠の他の専門展のお客も居れば、結構出展者もそこに交じって通行している。施工業者も含め、主催者がターゲットとして集客しなかった様々な職業や顔の人が多いため、つい皆来場客に見え、惑わされがちになるが、出展者の見込み客はそう多いとは言えないかもしれない。

これも前項で述べたことと一緒で、他人事のように何も手を下さなく、ひたすら待つ姿勢では、成果の目的も目標も達成は難しい

 

自社にとっての見込み客を分析するまでもなく、そのお客を主催者やオーガナイザーが集客できると思うか。

直接法・間接法を含めて、出来るのは自身と競合他社の共創ではないか。それを実行しなければ、いつ何人(社)がブース前に現われるか不確かで不確実なビジネスに終始していることになる

 

来場客の多さは出展者にとってどう受け止めれば良いか。

ここで言えることは多さに幻惑されてはならず冷静に自社にとって質の高いお客に絞るにはどうするべきかを考えたい。

特に、既存顧客よりも新規見込み客の開拓を目的に出展している企業にとって、ブース前通行客の集客は最優先テーマとせざるを得ない「チマチマし過ぎた工夫のない待機では、成果は他社にプレゼントとなる。」の項で述べるように、集客できなければ全巻の終わりである。

自社にとって質の高いお客は多いとは言えそうにないその中からこのお客に絞ってブースに立寄らせなければ出展成果目的・目標は獲得できない

 

そのためには、先ず優先すべき課題は、「自社にとって質の高いお客を定義づけることである。それには「メイン・ターゲット顧客のプロフィールと商品製品技術サービスなど利用・使用・消費の T・P・O を先ず具体的にイメージ形成し描き関係者間でそれを共有することになる。

 

これが出来れば、次にそのお客の見出し方が検討のテーマとなる。例えば会期中ブース前通行客の中から自社にとって質の高いお客を見つけ出すには何をどのように実施して発見するか、である。

見つけ出したなら、次にどうやってブースに立寄らせるかの策を講じる

 

そこでここまでのことの事前の業務設計であるが、具体的にイメージ形成のなかに潜むセールス・キーワードを思いっきり摘出しそのキーワードのなか自社にとって質の高いお客が注意を喚起し次に興味関心を抱きそしてそのお客が自主的に踏み込みたいと思わせるにはどのようなトークが有効となるかの検討をおこない、テストを重ねる。そしてその結果何をどのようにおこなえば期待するお客がブースに立寄るか企画立案となる。

手段は様々であり、一様の方法では効果薄も考えられるから、複数案を駆使して出展のつど効果を確かめる

ブース前通行客から、ターゲットとすべきお客のプロフィールは、こうして見えてくる。

 

次に立寄らせたお客に最初に行なうべきことがある。これを実行しないで、いきなり「いらっしゃいませ」と声を掛けると、とかくお客はその場から離れて立ち去るものである。答えは、先ずはブース内で気ままに泳がすことである。するとファースト・アプローチの絶好のチャンスが必ず到来する。このときはじめて、「いらっしゃいませ」とjか「メイアイ・ヘルプユー」である。

 

このようにして、商談への足掛かりを掴んでいくことになる。

単に、「商談しましょう。」では答えは出ない

 

 4- 3- 3.  ブース前での集客とセールスアプローチの機能

 

ブース前を川のように流れている来場客を集客して、釘付けにしプールして、アピールするまでは、イベント機能である。

このイベント機能の強みを活用して目的・目標を達成するシナリオとなる。

この作業を出展企画段階で固めておかなければ、実現はあり得ない。

 

また、ブースの商品展示コーナーに引き寄せて、コンタクト(接客)し、ポイントを衝いた商品(製品・サービス)説明は、

小売店の対面販売機能となる。

 

商品展示コーナーに佇んだお客にいきなりセールスアプローチすると、そのお客は早々に立ち去る可能性が増すことから、様子見して、アプローチのタイミングを見計らい、絶好のタイミングをつかんでのこととなる

対面販売機能を持たない出展企業は、これを修得する必要が生じる

 

 4- 3- 4.  自社にとって質の高いお客でなければ話にならない

 

特定の来場者(主にビジネス関係者)を対象とする開催展示会において、出展者にとって質の高いお客(優良なお客様)とは、

出展者の実質の商談相手となる対象出品財製品・商品や技術・サービスなどの継続利用が可能な使用者・購入者で、ボンディングを通じて顧客価値を高めるに値する顧客である」と言える。

 

自社にとって質の高いお客は出展企業にとって極めて重要で、展示会に出展するからには、このお客とコンタクト(接客)しなければ何も始まらない

☑ では具体的に、「購買行動や購買予定行動を起させる」実質商談相手となる自社にとって質の高いお客のプロフィールと利用・活用・消費のT・P・Oをどのように描いて対応する計画であるか

 

そのうえで、最優先して商談すべき見込み客など相手の状況に合わせて商談の優先度や関心事、そしてニーズの内容とその強弱、あるいは対象者の社内における位置づけや権限などを、読み取って、即座に対応して短時間でコンタクト接客の目的と目標が達成できる準備で臨んでいるか

 

☑ このように具体的に、自社にとって質の高いお客をどのように位置づけてどのような商談を描いて目的と目標を達成しようとしているか

 

☑ しかも、それは、幾つかのタイプに分類して置かなければ現実化しないその準備は出来てのことか

 

☑ そもそも開催展示会において主催者およびオーガナイザーは、自社にとって質の高いお客の来場者総数をどれだけと見込んでいるのか

 

☑ 自社にとって質の高いお客を会場に呼び寄せるためどのような働き掛けをどの程度行ったかを確かめているか

 

☑ だが、自社にとって質の高いお客を集客するのは自社がメインでなければならない

 

☑ 主催者側が、自社にとって質の高いお客何社と明確に言えないことにたいし、その責任はない。

依って出展者は対応策を講じなければ終始闇雲で暗中模索し手探りでとなる。結果、成果目的・目標が見出される保証はない曖昧なまま出展して良いのか

☑ 計画段階で自社にとって質の高いお客は延べ何人来場すると推測してのことか

 

☑ 成果目的・目標を獲得するために一日当たり何社と購買行動や購買予定行動を起させる商談を実施する計画か

 

☑ 購買行動や購買予定行動を起させる商談を実施する所要時間は見込み客一社当たり何分間で設定しているか

 

☑ その基本設定ために一日当たり何社)とコンタクト接客する計画か

 

☑ 自社にとって質の高いお客コンタクト接客するために、一日当たり見込み客一社当たりの商談商談を軸にして何社ブース内商品展示陳列コーナーへ立寄らせる計画か

 

☑ いつもと変わらいことに来場客は関心を示そうとしない魅力のないブースには立ち寄らない。余程のことがない限り、お客の方から立寄ろうとはしない注意を喚起し関心・興味を抱き、即発される何かがなければ、立ち寄る気にならない。その相手にたいし、祭りの露天商のような待ちのスタイルで居たのではほとんどのお客は立寄らないし、自社にとって質の高いお客は誰も確約できないこの認識に立ったうえで、自社ブース前通行客をブースに立寄らせる企画や計画を立案したか何を準備したか

 

☑ 出展成果目的・目標達成計画に則って、ブース前で自社にとって質の高いお客の集客活動を2~10秒間単位で繰り返す具体的な策を講じて実施しているか

 

自社にとって質の高いお客を集客ターゲット顧客として集客し商品展示陳列コーナーで計画に則ってコンタクト接客しなければ、出展成果目的・目標の達成はない

それどころか、自社にとって質の高いお客競合他社にとっても質の高いお客で、展示会は、その競合他社質の高いお客の争奪戦を 2~10秒間単位で繰り返しているのであるから、企画や計画はそのことを見越してでなければ勝負に負ける

展示会と通常のビジネスステージにおける活動とは因果関係にあるから展示会出展で勝負に負けるということは通常のビジネスステージにおける活動でも負けることになる

 

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 4- 3- 5.  ブース前通行客が必ずしも自社にとって質の高いお客とは言えない

 

ブース前を素通り客は自社にとっての見込み客が多いとは言えず、自社ブース前を通るかどうか。通るとしても、いつ何社(人)かは誰もわからないことは、先述したそれと同様で、ブース前通行客が必ずしも自社にとって質の高いお客とは言えない

しかし確実に言えることは、このターゲット顧客と商談しない限り成果など出よう筈がない

ビジネスは質の高いお客の多い方が勝利する」ものであり、「販売の量は、自社にとって質の高いお客とのコンタクト接客数に比例する」のであり、「売上=単価×客数という不変の公式」にあるように、単価は基本増減を見ない訳だから、売上は客数を増やすことで増大する。ビジネスの基本の「き」のこれらを頭から外して、自社にとっての質の高い見込み客が多いか少ないか、居ないかもしれないブース前を素通り客を当てにして商談が成立するのだろうか

 

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 4- 3- 6.  出品メイン商品にたいし質の高いお客は何社ブース前で集客できるか

 

☑ ブース前集客活動でのブース立寄り客数は目標管理されているか

☑ 会期中ブースに一日当たり何人のお客を集客すべきか

☑ その目標数は、どのような方法で算出するか

☑ 会期中ブースに一時間当たり何人のお客を集客すべきか

☑ その目標数は、どのような方法で算出するか

☑ その算出法は適当か

☑ 会期中ブースに一日当たり何人の質の高いお客を集客できるか

☑ 会期中ブースに一時間当たり何人の質の高いお客を集客できるか

☑ 自社にとって質の高いお客はそもそも集客できるのか

☑ できるとして、どのような手段・方法で集客する計画か

☑ できなければ、どのような手段・方法で集客するつもりか

 

その質の高さは、出品されるメイン商品製品・技術・サービスなど対象の顧客であるべきであるから、集客数の目標は、メイン商品別となる

 

☑ これを見据えて、対策を講じているか

 

☑ そもそも、出品対象商品の自社にとって質の高いお客は集客できるのか

☑ そもそも、出品対象商品の自社にとって質の高いお客はブース前を通行しているのか

☑ 不明、不確実の展示会に出展して、どのように期待どおり、計画どおりの成果(目的・目標)をあげるつもりか

 

策を講じなければ、結果は当てずっぽとなるが、そうしないために質の高いお客をブース立寄らさなければならない

 

☑ 手段・方法は考えれば出てくるものだが、具体的にそのアクションを起こして出展しているか

☑ そのお客自社にとって自社の商品製品・サービスにとって質の高いお客か

☑ 会期中ブースに一時間当たり何人の質の高いお客を集客すべきか

 

 4- 3- 7.  会期中会場で新規見込み客獲得が見込める

 
別項で、情報収集が来場の目的客」をメインターゲットとし、その中から自社にとって質のある見込み顧客をブースに立寄らせるにはどうするか。プロモーショナル・マーケティングで解決すべき、と提言した。
このテーマは出展においてテーマとして不可欠であるが、ブースに立寄らせてフェースツーフェースでコンタクトするターゲットは、この人たちだけではない。
 
☑ ところが多くの出展者は、会期中に会場で「情報収集が来場の目的客」の中の見込み客獲得のみで終始している。
この着眼に少しも間違いはないが、これを主たる目的にして出展すると顧客政策・顧客戦略・顧客獲得計画などで
とてつもなく手痛い結果を招くことになる。さて、それは何か

 

 

4- 3- 8.  新規見込み客はブース前で集客

 
 

事前に招待したり、広報活動で呼ばないかぎり、新規見込み客は会期中ブース前で集客しなければならない。出展の目的が、新規見込み客獲得であれば、尚更のことであるが、事前にこの対応策を講じて臨まなければ、痛い目に遭う憂き目遭遇することが支配的となる。

多くの出展者は、展示会はお客の方からわんさかやって来て、ブースに立寄るものだと早合点していて、対策を講じていないからでもあるが、そもそも企業の持つ機能に、「集客機能が存在していないことに起因している。

集客機能」で最も代表的なものは、「イベント機能それと「推奨販売機能で、である。

大手出展企業が、ステージを設けてパフォーマンスを実施しているのも対策の一つであることは言うまでもない。だからと言って、すべての出展者は不可能であるから、ステージパフォーマンス以外の、例えばイベント機能を果たすことは必須課題である。

そうせざるを得ない理由が展示会には幾つも内包されている

会場内を対流しているお客が、ブース前を通行するとき、出展者側でその様子を見ると、川のように流れて行く。自社ブースを視認することなく過ぎ去るお客も結構多い。

チラッと見てくれてもそのまま立ち去るお客も多い。

歩行速度は 3~4Km/h であるから、およそ 2 秒間~ 10 秒間で通り過ぎて行く。

この通行客がいつ何人やって来るか、誰もサッパリ読めないから、云わば暗中模索で手探りを続けることになる。

お客のプロフィールやニーズなどもわからない。

立寄ってくれるお客は、自社にとって質の高いお客でなければ結果は出ないのであるから、集客行為は大河で一本釣りするようなもので、何も策を講じないかぎり極めて難題である。

そのお客を引き寄せるのには 2~10 秒間しかない。しかも絶えず目にするお客は違う人であるから、引き寄せることができなければ元の木阿弥。

質が良かろうが粗雑であろうが、流れている来場客が「このブースに立寄ってみようか」と意思決定する時間は何と 3/1000 秒。まばたきの一瞬。

その気になったのは、注意を喚起し、促される何かがあったからで、何かの存在を認知したからであって、それに興味・関心を抱いた結果である。

だがこれは、お客の方が勝手にそう思っただけで、誰もがその気になるものではない。

そしてヒトの行動は目的によって動いているから、目的化しないかぎり立寄ろうとしない。 … 

これらの問題点を考えての企画と準備でなければ容易に立寄ってくれないのであるが、イベントや呼び込み、デモンストレーションなどを実施することで、創造性のある内容次第であるが、有効となる。

効率的でもある。また、ブース前に多くのお客がプールされている出展者にヒアリングすると、事前のパブリシティ狙いが利いているが、大抵は新製品・新技術・新システム・新サービスあってのことであったから、広報を打つにせよ、イベントや呼び込み、デモンストレーションなど集客策は施す必要がある

 

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4- 3- 9.  展示会は大河で一本釣りしているようなもの

 

ブース立寄りの動機づけを行ないつつ、質の高いお客と巡り合うため狙いを定めて集客の活動を、会期中、115回繰り返されることになるその行為は、川での魚釣りに似ている。逃した魚が戻っては来ないだろうから、間口 15 m の小間では、ターゲット顧客一人当たり釣り上げるタイミングは 10 秒間の猶予があるが3 メートルの基礎小間ではおよそ 2 秒間しかない

 

このことで言えることは、市場地域・立地に大きく関連して ブース前通行客数の多さは集客のための有効化のファクターと言えそうだ。

 

川釣りで餌釣り法を採用して、ノベルティや粗品を配布する出展者があるが、集客目的としてはいただけない。名刺交換で配布しているのも如何なものか。アンケート調査回答者への配布も同様で、これらで仮に集客したとしても、粗品欲しさの人が商談に応じてくれる バイヤーとはとても考えにくい。

自社にとって質の高いお客を見据えてのことであれば有効である。

 

さて、ブース前通行客の集客いおいて基本的に認識しておかなければならない重要な視座がある

それは生産財の場合のターゲット顧客は非耐久消費財のように不特定多数ではないということだ特定少数である点である特定されるお客で、本来客数は多いとは言えない。

投網法で釣ろうとしても、結果は役立たずの網となる。

 

しかも自社にとって質の高い見込み客であったとしても、ニーズがまったく顕在化する見込みのないお客も居るだろうし、遠隔地から来場したお客も居て、会期中にコンタクトがあっても、その後のセールス・アプローチで宿泊絡みなどは優先できないであろう。

 

このようなことから言えることは、実は、展示会は大河で一本釣りしているようなものなのである。

 

これまで 述べてきたように、来場客はわんさとやって来ているものの会場内で分散し様々な環境下で客数は絞られそれでも多くはターゲット顧客ではないのかそれとも自社にとって質の高い見込み客なのか不確かなまま自社ブースにつながる通路から川のように流れて来てブース前を通過するお客が多い

この中から質の高いお客をブース立ち寄らせなければ商談相手と巡り合えない

 

「質の高い見込み客をブースに立寄らせる目標数の算出法」の項で述べたように、

出展の目的と目標を計画に沿って達成するために、出展における受注率・成約率から逆算して、商談の目標客数、そこに持ち込むためのコンタクト数、そのためのヒアリング数、そしてアプローチ数を算出し会期中にキャッチしなければならないとして算出した質の高い見込み客のブース立寄らせ目標数を確保しなければその時点で計画倒れの結果を招く

 

まさに大河で一本釣りとなる。

僅少の新規見込み客と短い会期中に巡り会える希少な機会である展示会で、一本釣りの知識と経験とスキルを高め、商談するための目標立寄り客数を獲得しなければ出展成果は出ない筈のところ、大半の出展企業は、待てば立寄ると信じてか、チマチマとし過ぎた待機の仕方で対応しているこの姿勢では、到底バイヤーと商談して結果を出せるものではないこの実態に、販売の責任者もマーケティング担当者も、経営者や経営管理者も、展示会ビルダーもコンサルタントや諸先生方も国も、誰も気づいていないのだろうか。この調子で海外に進出したり、これまでにない大型施設を建設して、どうなるものか。

 

売上げを拡大し、安定した大きな利益を得て、競合他社に勝利し、シェアを高めるこのことは、上は社長から下は末端の担当者まで営業や販売やマーケティングに携わるすべての者は、寝ても覚めても、片時も忘れてはならないのではないのか

この命題の足かせ諸問題にたいし真摯に向き合い、出来ることから課題を解決するのが仕事というものではないのか。

確かに、「お客が入って来る」「だから待つという営業スタイル業態は生産財企業にはほぼ無い。日々打って出ている。お客を訪問して販売セールスを完結している

ところがこのスタイルは、お客を引き寄せる推奨販売などのプロモーション機能である。先に例で出した露天商のなかには、何らかのスタイルで呼び込みを行なっているのも見かけるが、ソレである。昔むかしの話になるが、「バナナの叩き売り」や「ガマの油売り」、名優渥美清がかつて映画『寅さん』で演じた販売の一シーンの一コマ … のアレである。ソレらに替わるモノ・コト・ネタを、プロモーション機能で出来れば出展のつど新しく創り出すコレである。これで一本釣りができる。プロポーズしなければ申し込んでくれないし、愛用固定の利用者として永いお付き合いの相手にはなってくれない。

 

商談目的でやって来る来場客は、まっすぐ目的のブースに立寄るこのスタイルで立寄るお客が少なければ来場客は商談目的のバイヤーではない。他社ブースで商談を終えて情報収集に目的を置き換えたバイヤーは既にバイヤーの顔にはなっていない。このケースも含めて、展示会はブース前を素通りするお客が圧倒的に多い。こ実態が物語ることに直視すべきだ

 

主催者やオーガナイザーがやっきになってバイヤーに商談を呼び掛けて展示会や見本市を開催しても来場客は商談目的のバイヤー中心となっていない。これを強引にそうしたいのであれば、商談目的のバイヤーに限定して招待する商談会のくくりとなる。

そうすると生産財のバイヤー対象となると現在存在する展示会場では広すぎるくらいだ。何故なら実態は、どの開催展示会もスペースは 100 パーセント使用せずに終えている。

 

生産財のお客は特定された希少である

生産財の市場規模・顧客の支出総額を売上=単価×客数の公式でもって客数を割り出してみれば納得の筈である。

 

ブース前通行客は商談目的のバイヤーであろうがなかろが先ずは呼び込む

ブース前通行客が川の流れのように通り過ぎるのは何の刺激も動機づけもされていないからだお客は背中を押さなければ動いてくれない人が多いことは経験済ではないか。

自社にとって質の高いお客を対象に利くフレーズで注意を喚起し興味・関心をひきつけ支援し示した新しさで刺激を与え求めているニーズを具体的なイメージで形成して示し顧客ベネフィットメリット便益・)を絡ませ伝える仕掛けで、「気づきたい見たい聞きたい触れたい少しの努力で手に入れたいと思わせるサポ―トの工夫が必要なのは何故か

その理由はくどくどと言うまでもなく、通常のビジネス・ステージでの営業・販売活動で、既に実施しているそれを流用すればいいだけのこと。

 

上述の「出来れば出展のつど新しく創り出す」は市中・街中の人々と一緒でヒトは新しさを求めている日ごろ見慣れた商品などには見向きもしないその既存の商品を展示会に出品するときは、「新しい切り口新しい訴求方法などで呼び寄せるこの工夫とちょっとした演出が解決の手段である考えれば湯水の如く湧き出る

 

4- 3-10.  不確かな中、自社にとって質の高いお客を立寄らせる方法はある

 

だが、目標を設定して計画どおり実施しても実際は、商談につながる成果の確約は一切ない

限界特性という如何ともし難い制約される特性である。

自社ブース前にやって来ることもあるし、無い場合もある。むしろ無いばあいのほうが圧倒的に多い。

 

そもそも、自社にとって質の高いお客の何社いつ商談の対象者となるか、全く読めない

これも限界特性だ。

不確かな状態で待っているその中、出展者は商談したいと気持ちだけが募り、焦ることだろう。

これらの限界特性を克服しなければ、この先の活動は意味をなさない。

何としても立寄らせたい

 

そこで考え抜かなければならない。

考えれば、「あるのである

☑ さて、それは何か

 

4- 4. ◆ 足止めさせ引き寄せ釘付けてプール

4- 4- 1. 足止めさせる

 
 
ブースに立寄らせるには、先ず歩いているお客を足止めさせるくらいのことをしなければならない。
どのようなことを仕掛ければそうなるのか。
自社ブースを目視確認させるために、視認率を高めることは避けられない。誘目率を高めることもある。
そこにコピーなど文字を使う場合、一文字のサイズや配色を考慮することも忘れてはならない。
 

20~30メートル手前から歩いて来て、注意を喚起させる何かで自社ブースを目立たせる仕掛けだ。これは周辺も同じことを狙っているとすれば、際立つことが求められる。例えば、シンボルタワーを建てるのもその一つ。

音、照明の演出もある。

呼び込みの声を聴かせることもあるが、「いらっしゃいませ。如何ですか」程度ではヒトは動かない。興味・関心を引き寄せる短いトークとなるが、売りたい商品の特徴を語っても響かない。お客はどのような呼びかけに反応するか、だ。

だからイベント機能。何か新しいことをやるとか、珍しいことをするとか … 。大規模ブース(小間)でのステージパフォーマンスはこれ狙いと言える。

 

間口 3 メートルの基礎小間ではおよそ 2 秒間、15 mの間口では 10 秒間で通り過ぎて行くこの通行客がいつ何人やって来るか、サッパリ読めない。そして目の前に歩いているお客を呼び寄せてブースに立寄らせなければならない最初の仕掛けは、足止めさせることにある。

 

4- 4- 2.  新規見込み客を引き寄せるには 2~10秒間しかない。この一瞬の単位で目の前のお客は通り過ぎる

 

来場客の大半は、会場内の出展ブースの前を通過するとき、「何かないか。何か有益なものはないか。何か珍しいものはないか。ないか無いか」と歩いている。

決して急ぎ足でない。34Km/h での歩行速度はそうしたことから、と思って間違いない。

 

およそ 2 10 秒間で通り過ぎて行

新規見込み客をブースに引き寄せるのは、この一瞬」となる。この短い時間が勝負の分かれ目となる。

 

この一瞬に新規見込み客をブースに引き寄せるにはどうすれば良いか

しかも、花見客を引き寄せても仕方ない。難しいテーマであるが、引き寄せる標的のお客は自社メイン商品(製品・技術・システム・サービス)の見込み客この客でなければ始まらない

会期は短い。目と鼻の先の競合他社に勝利しなければ釣った魚は雑魚ばかりになり兼ねない。暗中模索のなか、ブース前を様々な人が流れて行っているその中の、いつ何人自社にとって質の高いお客が居るか誰も読めない一瞬一瞬に澱みなく集客。ならばどうするか

手段は、イベント機能推奨販売機能が有効である。

☑ では、それら手段を用いて、質の高い見込み客を引き寄せてプールさせたりブース内に引き込むには何をどうすれば良いか

ヒントは、お客の立場で考えるテーマである。この視点は、短い会期の短い時間内で生産性を高めざるを得ない状況下に置かれている訳であるから、すべては顧客目線で考えることが肝要である。「顧客はどうありたいと思っているか」、「何を願っているか」、「何がニーズか」、「どのようなことに悩んでいるか」、「何が問題点であるか」、「何をしてあげればお客が喜ぶか」、「求めているものは何か」 … etc.

呼び込みの方法は複数あるが、どれも云わば「開口一番がポイント1~2秒間で惹きつけることをする

これらは何も展示会に限ったことではないが、ブース内でこの視点が感じられないとすれば、通常のビジネスステージにおける活動でも同様の結果を日々招いていると、少なくとも質の高い顧客には見抜かれている。質の高い顧客は充足したいが故に質の高い出展企業のお客になりたいと思うのが心情ではないか。情報収集を目的にやって来るお客にはこの情報も求めている筈である。

外すとお客は容赦なく流れ去る。その目と鼻の先の競合他社に先取りされる可能性が高いことも視野に入れておかなければならない

 

会期三日間の間口 15mブースの出展総予算が 500万円であったときの10秒間のコストは 36,232。間口 3mブースの出展総予算が 50万円であったときの、2秒間のコストは 12,000円である。

ブース前での集客は川釣りに似ている。間口 15mブースの10秒間の餌代 36,232円。間口 3mブースの2秒間の餌代は 12,000円で、この単位でお客を逃し続けている

出展料は小間代との捉え方とは別に、時間を買っていると言える。展示会は会期が短く、立寄り客とのコンタクト(接客)時間も少ない。この限界特性のなかいつ何人ブース前を通過するかは誰も分からないだから質の高いお客を集客する策は講じなければならない。無策で終始すると、暗中模索・手探り状態のまま500万円、50万円を回収できない結果となる。

この無策の実態を生み出している出展者の多さは、開催展示会でウオッチングすれば容易に見て取れるばかりか、毎回繰り返している。どの開催展示会も同様で何年間も負のスパイラルを繰り返している。これでは生産性は上がらず、出展を取り止める企業も出てくる。お客も次回来場する気にならないから、来場客数は減少する。展示会は活気がなくなり、これに原因して主催者やオーガナイザーは新規出展者開拓に追われて疲弊し、来場客数増大に必要以上苦戦する結果を招く。このような展示会に魅力はあるか。

魅力がなければ何も動機づけられない。せめて200社中 53社以上の出展者は、ブース前で集客活動を活発に展開したいものである

 

出展者が質の高いお客をブースに立寄らす集客を瞬時瞬時に実施し続けることで、その結果、ダイレクトにコンタクト接客出来てツーウエイコミュニケーションを非日常の商空間で活性化させることでボンディングが一層深まるだから短時間で成果目的目標が達成できるのだ。

仮に、無策のままで出展すれば早晩比類のない優れた商環境の場を自らが失うことになるばかりでなく、この自縄自縛行為だけでも、多くの来場客・主催者およびオーガナイザー・競合他社・出展関係者・会場関係者・会場周辺で経済波及効果の恩恵を被っている商店・交通機関・その他にまで悪影響を及ぼす結果となる

 

 

4- 4- 3.  引き寄せてプール

 
 
 
ステージパフォーマンスを実施しているステージ前には、大勢のお客がプールされている。
何故プールするか。注意を喚起したお客が興味・関心を抱き、もっと知りたい・もっと見たい。もっと聞きたい。もっと触れてみたいと思えばこそ、お客は自発的に歩み寄り立ち止まるこの人が増えれば人だかりが形成される
 
それを見た通り掛けのお客は、釣られるように近づきその輪に溶け込む。
 
この光景は、ブースウオッチングすれば判るが、間口3メートルの基礎小間の出展者も十数人溜めている。だからやり方次第である。
規模の大小ではない。考え抜く課題の一つだ。
 
そのうえでのもとであるが、プールする適正客数というものがあって、多過ぎてはお客の注意力が散漫になり少ないと潮が引くようにその場から次第に立ち去って行って、殆どのお客は、商品展示・陳列コーナーには立ち寄ることがない。釘付けされている小規模ブースでのお客の頭数を丹念に見て回ると、およそ適正客数が何人であるかは判明して来る。
 
この適正客数をキープすることで主導的にお客の心を誘導し商品展示・陳列コーナーに引き込むことが効率的に出来てくる

 

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4- 5. 立寄らせる

4- 5- 1.  立寄りの動機づけは不可避

 

そもそも、新規見込み客をターゲット顧客としてブース前通行客のなかから立寄らせるには、立寄らすことを実施しなければならない

「質の高い見込み客をブースに立寄らせる目標数の算出法」の項で、質の高い見込み客ブース立寄らせ目標数をゲットしなければ商談は初めから成立しない、と言った。

稀少例があれば別だが、来場客がバイヤーであろうとなかろうとブースへの立寄りが無ければ商談どころか何も得られないこの段階で一巻の終わりとなる。

しかも、立寄らなかったお客が競合他社に立寄った挙句受発注に応じることはないとは言い切れない

通常のビジネスステージでの営業・販売活動も同じとは思いたくないが、「展示会は効果がある。展示会は大勢のバイヤーがやって来る。来場客は商談に応じるために来ている。展示会は大いに効果が期待できる。展示会は成果が出る。ブース前は通行客でごった返している。いつかは期待どおりのバイヤーが飛び込んで来るだろう。展示会は経済効果の恩恵を受けられるに違いない。待てば海路の日和かな」などと信じ切って居るのか何も働きかけることもせず我慢強くひたすらブース内にお客の方から立寄って来るに違いないと思い込んでいる出展者がどの開催展示会も大半(出展者全体の87%くらい)である。出展者は何かの幻想に取りつかれ、夢を描いているのか。無策だとまでは思いたくないが。

この段階で一巻の終わりのこの現象をどう見るか。誰のために何のために仕事しているつもりか。売上げを拡大し、安定した大きな利益を得て、競合他社に勝利し、シェアを高める努力を怠れば、事業は確実に衰退し、やがて企業は衰退する。自分の生活も困窮し、家族を路頭に迷わすなどと大仰なことは言いたくないが、出展者の大半は、海外出展企業も含めて、お客を呼び込めていない。

原因の追及は後回しにして、ともかく出展者は、新規見込みの来場客は立寄らせると強い意思を働かせて、どうしたら良質の来場客を呼び込むことが出来るかを、イベント機能を駆使して考え抜かなければ始まらない。

動機づけるしかない

そのために打つ手は幾らも準備しなければならない。出展の準備に追われる前に完了しておかなければならない課題だ。このために手間も時間もカネも掛かる。このテーマは避けてはならない。「そんなことに時間は掛けるな。外に出て売って来い」と上司に言われそうだと思えば、知恵のエネルギーを注いで説得すること。売上げがあがる話にカネを出さない経営者などは居ない。知恵を出さなければかたちにならない。

先ずは自らその気になることだ。

 

そして、

☑ 動機づけるにはどうすればいいか

 

☑ ブース前を通行するお客のなかで、呼び込みをしなくともブースに立寄ると思われる見込み客のプロフィールと利用・使用のT・P・Oはどのように描かれるか。その着眼点は何が有効か

 

☑ ブース前を通行するお客のなかで、呼び込みをしなければブースに立寄らないと思われる見込み客のプロフィールと利用・使用のT・P・Oはどのように描かれるか。その着眼点は何が有効か

 

☑ これらタイプ別の動機づけの条件は何か

動機づけようとすれば動機づけることをしなければ成就しない

 

☑ 呼び込むには推奨販売機能イベント機能となる。では、それら機能を具体的にどのように発揮するか

ブース前を通行するお客に働きかけて立寄らせ、プレゼンし、その気にさせてセールスアプローチして、商談に持ち込む一連のブース展開ストーリーにどうやって結びつけるかを構築するしかない。

 

一瞬に立寄りの動機づけこれは不可避となる

 

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 4- 5 - 2.  質の高い見込み客をブースに立寄らせる目標数の算出法

 

出展の目的と目標を計画に沿って達成するために、出展における受注率成約率から逆算して商談の目標客数そこに持ち込むためのコンタクト数そのためのヒアリング数そしてアプローチ数を算出する。そして、質の高い見込み客ブース立寄らし目標数を求める

 

この設定した目標数は出展成果達成のため何が何でも死守しなければならない

会期三日間であれば、稼動時間は延べ 1,380 分間 23 時間となる。この限られた時間内に、限られたブース・スペースで、限られた人員で質の高い見込み客ブース立寄らし目標数をゲットしなければ商談は初めから成立しない

しかも来場客は川のように流れている。

立ち止まって、近づいて来てほしい。自社ブースに興味・関心を持ってもらいたい。そのうえで立ち入ってくれなければ話にならない。

 

☑ ではどうするか

目標に見合うブース前集客活動を展開しなければならないのであるが、ブースウオッチングする限り、この目標設定のうえ能動的にブース前集客活動を展開している出展者は少ない。

 

経営者や経営管理者たちはこの実態をどう見ているのだろう

売上げを拡大し安定した大きな利益を得て競合他社に勝利しシェアを高めるそのために何をするかを考えてつど最善を図るのを仕事している、と言うのではないのか

 

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4- 5 - 3.  ブース立寄りの意思決定は 3/1000 秒間まばたきの一瞬

 

質の高いお客を対象にしなければ成果につながらないのであるが、そもそも立寄りの意思決定は 3/1000 秒間で行なっている。まばたきの一瞬に、である。

この瞬間を逃すと、ブース前通過のそのお客たちは再び戻っては来ないと思って間違いない。投入した手間・時間・コストに見合う利益を生み出すことをすべきところ、何も準備しなければ、ロスを生むだけとなる

 

ブースへの集客は、大方の出展者が苦慮している。主体的になった見込み客がわんさとやって来ているのだが、出展者の多くはブース立寄らせに失敗している

 

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4- 6. ◆ ブースパフォーマンス   

4- 6- 1.  PR中心のブースパフォーマンスのみの出展は有効か

 

大規模出展者に比較的多く見られる傾向は、会期中終始、インカムを付けたプロのMCがステージ上に立って、出品製品(商品・技術・サービス)の優れた点を強調して訴求する「PR中心のブースパフォーマンス」をよく展開している。

このシナリオは、広告代理店のプランナーとコピーライターらを交えて周到に練られたと思える優れた内容が、ブース前通行の来場者の足を止めさせ、釘付けにしている。

その魅力は、ちょうどTV-CMやインフォマーシャルなどをステージ上のイベントで「生(なま)」で表現しているかのようである。

やがてステージパフォーマンスのMCは、釘付けにした来場者に声高らかにエンディングを告げ、終了しステージから降壇。

見事な「ブースパフォーマンス」が多い。

 

しかし終演後、商品展示コーナーに立寄っている来場者の姿は少ない。

プロのMCやイベントディレクター・PC(音響)・照明担当者たちは次ステージまで休憩。この間ステージもシャッターの降りた商店街のように、多くの来場者は川のように流れている。

この「PR中心のブースパフォーマンス」での訴求は、会期後出展企業にとってどのような効果をもたらしたと言えるだろうか。

一か月後、三か月後、半年後に「売り」に結びついたのは会期中集客した員数の何パーセントを占めるか。

再生調査や再任調査によって、開催された展示会での「ブースパフォーマンス」の認知度は、何パーセントであったか。

相乗効果に結びついたと言えるか。

そのうち、購買行動に移した来場者は何社、何人いて、総額幾らの売上と利益をもたらしたか。

それは、投入した手間・時間・コストを上回る利益であったか。

 

「ブースパフォーマンス」は展示会出展で不可欠である。

しかし、それはステージをフィニッシュではなく、「パフォーマンス」に触発された質の高い来場客が商品展示コーナーで情報交換し、更に商談や会期後のアフターフォローの約束を取り付ける踏み込みが必要ではないのか

キッパリ言って、「PR中心のブースパフォーマンスのみでは、出展の体(てい)を成さない

 

非日常の商空間など展示会の特性を活用して、およそ10分間単位で如何に生産性の高い結果を目的・目標に沿って連続して達成するかが、勝負の世界である。

ブースパフォーマンスの実施目的は、単位内の短時間で、一気呵成にその気にさせて、商品展示・陳列コーナー立寄りから商談の実現に向け、創造的・有効的・効率的な展開を行うかがポイントで、手段は、生産性・イノベーション・マーケティング・戦略を盛り込んだセールスイベントやデモンストレーションなどとなるが、そのフィニッシュは学習効果を確かめるにある

 

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4- 7. ◆ 訴求/ アピール   

4- 7- 1.    ヒトは目的で行動する

 

「商談結実の準備はできているか」の項後段で述べるように、開催される展示会が物産展のように、商品の買い付け、買取、仕入れ、引き合いを目的に、出展者との商談に応じたいお客を会場に誘致し展開する展示会がある。

これも立派な展示会スタイルの一つである。

ヒトは目的で行動するから、この開催展示会の来場客の大半は出展者の商談に大半が応じる。

となれば、この展示会に出展して情報収集目的の来場客だけ対象にしても、ターゲット数が少なく、投入し手間・時間・コストに見合う効果も成果も期待薄になるであろうから、目的・目標が商談結実にある開催展示会では、来場客の来場の目的に沿った出展とすべきである。

そこで問いたい。

この「開催される展示会が物産展のように、商品の買い付け、買取、仕入れ、引き合いを目的に、出展者との商談に応じたいお客を会場に誘致し展開する展示会」タイプと今後主流とする「バイヤーをメインの来場客として、生産財(産業財)の商品・製品の品定めを行い購入の判断を行うB to Bスタイルの商談による展示会」の違いをどのように位置づけているのだろうか、と言いたいくらいパターンは類似しているが、根本的に大きな相違があるのではないか。どうしてもっと明確にしようとしないのか。

前者の経済効果にたいし後者は圧倒的に高いタイプでなければならないのではないか、と

 

また、大半が情報収集目的の来場客の開催展示会において、自社商品・サービスの機能の素晴らしさを高らかに謳いあげている出展者があるが、「ヒトは目的で行動する」点で序ながらそのことに触れておくと、その機能の素晴らしさを強調したところでお客はそれを聞いていない。故にビジネスはそれ以上ほとんど進展しない。

大企業のブースほどこの様態が多く見受けられる

 

お客が求めていることと大きく齟齬が生じていることを、どう見ているのだろう

 

 

ヒトは目的で行動し日常的なものやインパクトに欠けるものは相手にしない

 

ヒトは目的を持って、その目的のために行動するから、視認や誘目の仕掛けはその目的と合致させることが求められる。その仕掛けをしなければ求める成果獲得率は下がる

日頃見慣れたものやインパクトに欠けるものは相手にしてくれない。だから、見せ方に新しさを加えるといい

 

 

 

 

 

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