第二部 客足と客数 構成
2- 1. ◆ 来場者のイメージ
2- 1- 1. 一部主催者の企図に日本展示会協会が呼応し、経産省が方向性を示した来場客のイメージ
2- 2. ◆ 来場の目的
2- 2- 1. 展示会に商談あるいは契約目的でやって来る来場客
2- 3. ◆ 来場者総数
2- 3- 1. BtoB開催展示会来場者総数
2- 3- 2. 来場者総数は商談目的の出展者にとって展示会価値の評価基準となるか
2- 4. ◆ メインターゲットのアカウント2タイプの割合
2- 4- 1. メインターゲットのアカウントの割合
2- 5. ◆ ここまでしか来場者数の追跡分析は読めない
2- 5- 1. 来場者数の追跡分析で読めるのはここまで
2- 6. ◆ 来場者総数を増大する者
2- 6- 1. 主催者やオーガナイザーが来場者総数を開催のつど増大させる理由
2- 7. ◆ 開催展示会選択基準のひとつは質の高い来場者総数
2- 7- 1. 質の高い来場者を大勢招く開催展示会に出展すればこそ
2- 8. ◆ 来場目的別客数
2- 8.- 1. 購買や契約の商談目的の来場客は、何パーセント居て一日当たり何社とコンタクト(接客)することになるか
2- 9. ◆ 主催者のつくる会場スペースマネジメントと客足の変化
2- 9- 1. 客動線・強制動線・ホットスポットの影響で客足が変わる
2-10. ◆ 出展者ブースの立地条件
2- 10- 1. ブースの立地条件
2-11. ◆ 「立地競争」と「立地価値」で来場者数は影響される
2- 11- 1. 会場入り口から入った客足の辿る先の「立地競争」と「立地価値」で来場者数は絞られる
第二部
2-1. ◆ 来場者のイメージ
2- 1- 1. 一部主催者の企図に日本展示会協会が呼応し、経産省が方向性を示した来場客のイメージ
この来場客のイメージを探るのには、
平成26年3月作成のPDF https://www.nittenkyo.ne.jp/other/document/H2603_gairon.pdf の、はじめて展示会に関わる人のための入門書 ~ の副題のもと、経済産業省によってまとめられた『展示会産業概論』からが早いと思い閲覧。
その「はじめに」で、
「会場では、 出展企業とバイヤーとの間で真剣な商談が行われ、その迫力に圧倒されます。また、開催地域に対して幅広い経済波及効果をもたらし、地域のイメージやブランド力向上に寄与するとともに、MICE の一環として、出展や商談を契機とした国内外からの誘客促進にもつながるなど、経済活動にとって重要なもの」 …
となっている。
「はじめに」からいきなり「商談」が誇張されているが、正視しなければならない点は、情報収集が来場者の分母としては非常に多いが、見本市は商談を最終目標としたビジネスの場として機能している。この「国際見本市」・「国内向け見本市」・そして「各種タイプを包括しての全般の展示会」のこれらを冠にして主催者もオーガナイザーも含めて多くの関係者が「直接的な商談・成約」を強調しすぎる傾向にある」のは、「出展料の正当性を説明する最も手っ取り早い武器」だから。
だが「欧州の見本市のように注文書を書くのが当たり前の文化がない日本での実態は、「国際見本市」・「国内向け見本市」・「展示会」のいずれも来場者の 80~ 90パーセントくらいは「情報収集が目的」として来場者が強い意志でやって来ている。
この顧客をメインターゲットにする企業と位置づけて出展しなければ大損害の結果になることは明白であるが、その意義に相反して、出展企業も短期決戦型の販売で出展しての実績を「売上」という数字で示して、事足れりとする傾向が長きに亘って繰り返されているのが実態で、「あるべき姿の日本型展示会」との乖離を生じたまま推移している。
加えて海外出展者は注文が取れると誤解して出展するから、成果が実らず終いで終始。これは明らかに「主催者の建前」と「現場の実態」に乖離が生じているが、日本企業と「主催者の建前」とには「現場の実態」に乖離がないという矛盾が横たわっている。
それに気づいたからであろうか、国は大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」に建設の併設される「展示等施設」の当初計画10万㎡以上の展示スペースを 2万㎡に縮小した。
この判断は正解で、日本最大級の規模は東京ビッグサイトの総展示面積で115,420m²であるが、展示ホールの実質的な稼働率は、公表されている最新の年次報告書によると、年間を通じて一般的には約 70% 〜 80%程度とされている。
満杯で開催されることはあまりないのが実態で、「夢洲」では 6万㎡以上、その後 10万㎡以上のスペースは確保済とか。出展する海外出展者は、一度は失敗するだろうが二度は無いと思われる。
海外出展者の日本型展示会(見本市)における出展成果の出し方について、軌道修正を余儀なくされるのであろうが、日本型展示会(見本市)のベクトルと本質を見極めることなくそれをやると、ひんしゅくを買うだろう。それを放置すると、国際社会から見放されることになる。
日本型は日本型で変わりようがないのであるから、海外水準や世界水準に合わせるのではなく、日本独自路線を貫き、云わば、日本型展示会(見本市)における出展成果の出し方の切り口是正に向けてアンラーニングである。
主催者やオーガナイザーに改善を求めても拉致開かないだろうから、この根本問題は開催展示会ごとの26.12パーセントの勢いのある企業が標準化委員となって出展に対してのアンラーニングを通じて「国際見本市」・「国内向け見本市」・「展示会」の、「情報収集が目的」の来場客を対象にしてのスタイルに変革せねば、このままでは「持続可能な発展の場」は消滅するから、日本の「国際見本市」・「国内向け見本市」・「各種タイプを包括しての全般の展示会」の現況は、消える運命にある。
伴って、出展企業も、業界も、産業も、市場も、主催者やオーガナイザーも、会場等展示会施設も、展示会関連業者も周辺の商業も消滅する瀬戸際にある。
BtoBにおける「情報収集が目的」の来場客は、決して花見客ではない。
出展者は展示会で商談する相手探しをする現状の姿勢は、この大半の新規開拓先・見込み客(リード: Lead)の存在を意識してはいるのであろうが、客体扱いとなっている。
「真剣な商談が行われる場が展示会」と告知しても、「情報収集が目的」の大半のお客は、「訴えかけられても素知らぬ顔して何故わんさとやって来るのか」を「出展者はもっと深刻に受け止めて、考え抜かねばならない」。
この大半のお客が希求している情報は、来場客にとって死活問題と直結していることもあるだろうし、この来場客にはそれぞれビジネス対象の顧客があって、日夜、競合と勝負しながら、その顧客のためになる情報を求めてもいるなど、勤勉な仕事に懸命な意思を抱えてやって来ているお客をまったく無視または軽視している訳ではないのだろうが、多くの出展者は商談客優先を第一義としている。
「情報収集が目的」の来場客は、主体的に、能動的に、積極的に有用情報を求めてやって来ている。
それなのに、大半の出展者は、その訴求(アピール)を行っていない。
行わないから、素通りされている。1000人中970~980人もである。
では、会期中にブースに立寄った 20 ~ 30人のお客は、そのときから 1年後までの間、売上げにつながったであろうか。
PRしたからそれで良いなどと思っているかもしれないが、そのPR効果はその後何か好結果をもたらしたであろうか。投入した手間・時間・コストを上回る利益を稼がなければ割に合わないところ、変化なしでは大損したことになる。
出展の必須課題は、手間・時間・コストの投入に見合う成果を獲得するために、自社にとって質の高い相応の既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード)に立寄ってもらわなければ始まらない。
だから、ブース前での集客は絶対条件である。それには、通行客が立ち寄ってみたいと思わせる訴求(アピール)を行う。
その組み立ての切り口は、出品メイン商品(製品・技術・システム・サービス)と、想定されるメインターゲットアカウントのニーズをつないだ
「既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード)に魅力ある背を伸ばせば直ぐにでも実際に手に入る可能性や確率が極めて高い有用情報」
になる。これを短いキャッチフレーズにして連呼する。
この訴求(アピール)を行なわなければ、有用情報を手にするために半日かけてやって来たお客は「やって来た目的(有用情報入手も目標の数」も手に入らず、物足りなさを感じながら、素通りするしかない。このギャップの多さは、多くの出展者の消極さには、決して、快く思っていない筈だ」。
何回来ても訴求(アピール)による有用情報を思うように手に入らなければ、その開催展示会には足を向けなくなる。出展者の無神経さが出展者にとって欠かせないマーケティング装置(アピール)を自ら失うことになる
こうして有用情報の訴求(開催展示会)を行なわなかった大半の出展企業は市場から姿を消している。
経産省編『展示会の概論』 序章 展示会の概要(1)展示会の仕組み
の項には、
「展示会は、企業等が商品・製品を販売するために販売先(バイヤー)と商談を 行ったり、市場動向(ニーズ)等の情報収集・情報交換等を行う場です」
としながらも
「 ・・・ 真剣に挑みます。特に商談の場では、 出展者と来場者の熱気あふれるやりとりが展開されます。」
で結んでいる。
§ 補筆: ここで云うところの「 … 販売先(バイヤー)と商談 … 」は、文房具や玩具メーカーなどが出展者となって、新製品や人気商品あるいは季節商品を予約したり、仕入れたりの引合いでやってくるエンドユーザーに販売する店などの仕入れ担当者をターゲットアカウントにして、主に「国内向け見本市」のカテゴリーに入る「展示会」を指していると思われる。
第1章 展示会とは1.展示会の定義(2)展示会に関する様々な要素の定義①「来場者」の定義 我が国における「来場者」の定義
は、
「情報収集、商品の購入、出展者との契約を目的として展示会に参加する人」
2.展示会の位置づけ (1)商談につなげる場としての産業
では
「展示会は単に商品を展示(陳列)する場ではなく、出展者が商談を通じて商品の販売につなげたり、正確な商品情報を伝える場です。」
§ 補筆: ここで云う「商談につなげる場」とは、出展した開催展示会の出展者ブースで会期中に商談の結実を獲得する意味ではなく、会期中のブースでその実現に向けての有効な出会いと新規開拓先・見込み客(リード)情報の把握などが可能であると解している。
また、「正確な商品情報を伝える場」とあるのは、既存取引先や新規開拓先・リードが商談に向けて食指を動かす前段階から、顧客ファーストの姿勢で、お客にとって有用な情報を伝えることを意味していると思われる。
3.展示会の種類(1)特定の来場者(主にビジネス関係者)を対象とする
もので、
「原則としてビジネス関係者に限定し、展示された主要な商品やサービ ス等の情報提供をもとに売買交渉(商談)を行うことにより、出展者は販路の確保(顕在顧客)や新規開拓(潜在顧客)に努めます。・・・ これに該当するものとして、「見本市・トレードショー」や「商談会」などが挙げられます。」
第5章 出展企業側からみた展示会「第1章でも触れたとおり、展示会開催の最大の効用
は、
商談を通した出展者の 販売増です。」
§ 補筆: 「中期販売計画・販売戦略」に基づき、会期後、半年もしくは一年後までに展示会出展のブースをビッグビジネスに向けての足掛かりのプラットホームと位置づけて展開しての結果の、「販売増」と、捉えるほうが実現性が高いかと思う。
3.具体的な展示会出展作業(2)出展準備●取引条件の設定
の項では、
「展示会には商談のできる人がアテンドすることが前提です。」
§ 補筆: 「商談のできる人」とは、創造的・有効的・効率的に業務を遂行できる人で、顧客ファーストの姿勢で臨み、既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード)のニーズを把握し、課題を解決する施策に、ベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)を添えて提供し、結果、顧客の利用価値、継続利用価値を高め、顧客満足を創造できる適性能力(営業力・出展力の発揮の知識・経験・スキル)を機能させて展開し、チーム内でその役割を期日内に果たせ、「売上げを拡大し、安定した大きな利益を得て、競合他社に勝利し、マーケットシェア(市場占有率)を高める」ことを寝ても覚めても、片時も忘れない人 … であろう。
4.展示会対応(2)商談スペースの確保
では、
「会場内に商談スペースが設けられる場合が多いので、商談スペースを早 に確保することが重要です。」
5.展示会終了後(2)来場者(バイヤー)へのフォローアップ
で、
「継続してバイヤーへフォローしていくこ とが大事」
と、
展示会は、出展者との契約を目的として来場した新規開拓先・見込み客(リード)を暗示的にイメージしている。
インターネットに上がってPDF化された経済産業省がまとめた『展示会産業概論』は、一読した結果、日本展示会協会に紐付いての思惑が働いてのことと読み取れる。
それによると、メインターゲットアカウントは「商談目的の既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード)である」ことを前提にして、そのことを意図して随所にちりばめてまとめられている。そのことで、日本展示会協会に紐付いての思惑であろうと憶測した。
§ 補筆: 展示会出展テーマは「需要の喚起・拡大と顧客づくり」にあるものの、それを成功させるには、展示会後のフォロー体制などを含めた高度なマーケティング・ノウハウが出展者側に求められる。
だが、それは明らかに望めないことを察知したとき、主催者はそこまで踏み込んで指導すると、「成果が出なかったのは主催者のノウハウが悪いせいだ」という責任論になりかねないことを恐れる。
故に、触れずに、結果として、主催者は「場所は用意した。あとは皆さんの商談力次第です」という、無難な「マッチングの場」の提供に留まってしまう。
本来的には「需要の喚起・拡大と顧客づくり」であり、その成果を出すことで、展示会の威力を見せつけたいことは山々であるが、その成果を数値化した全出展者の実績もしくは一部でも把握困難なところがあるため、それをせず、「その場でいくらを見積もったか、または売れたか」という数字の方が、出展者の上司や財務部門への決裁ルートに響きやすいという事情を加味して、単に「販売増」で表現するに留めている。
また、心得違いした多くの出展者は、「せっかく高い金を払ったのだから、その場で元を取りたいという短期的な埋没費用の呪縛に陥っている。
主催者側も、この出展者の「短気な期待値」を壊す勇気がなく、結果として「情報収集への対応でビッグなビジネスを会期後の半年や一年内に実現というよりも、いきなり商談重視の姿勢」がねじれたまま開催され続けているのが現状のようである。
これも経営者次第の問題である。
「商談」を定義づけることなく、暗に、「契約やBtoB取引目的の商談中心の展示会」にやって来る「商談相手のバイヤー」を展示会や見本市のメインターゲットアカウントであるかのようである。
この顧客の来場を推奨しているのは、結果を出す企業に出展してほしいからであろう。
出展すると、「売上げが上がって、展示会のパワーに驚きますよ」と言わぬばかりに。
主催者もしくはオーガナイザーのなかの大手企業で、日本展示会協会で大きな影響を及ぼしている企業の「展示会は商談・リード獲得(マーケティングを効果的に展開した結果、コンタクト(接客)するターゲット顧客へ信頼性を高め、潜在顧客との良好な関係を築き、興味・関心を育んで購入につなげることができるを意味している)の場」であるという考え方に沿って『展示会産業概論』は、まとめられているようだ。
この考え方の主催者もしくはオーガナイザーの趣意を踏襲して出展者の誘致に精力を注いでいる。経産省も日本展示会の狙いはここにあるようである。
つまり、展示会を開催するにあたって、「展示会は、商談・リード獲得の場で、出展によって売上げが上がって、展示会のパワーに驚きますよ」との呼びかけで出展者を募り、その主意の告知で来場者を集客している。
ところが、そう呼びかけても、
ほとんどの来場者は、情報収集目的でやって来ている
のが実情で、主意に反してやって来ている来場者の大半は情報収集目的である。
経産省も日本展示会協会も
「顕在の顧客だけでなく潜在的な顧客の声も聞くなど、コミュニケーションを円滑にして、これら来場客の声をマーケティングに反映する」
と、『展示会産業概論(P.139)』に、この程度しか記載がない意味で、彼らの描く商談相手のバイヤー以外のリード獲得対象の来場客をこのように捉えて、位置付けている。
それは、
実情に大きな乖離が生じている。
日本型のBtoB展示会において、情報収集目的で来場者が往復 4時間を費やしてでも得ようとするその姿勢の基本スタンスは、そのお客が主体性を持っていることであり、したがって自発的に能動的であると言える。この意識の高いお客1000人中970 ~ 980人を大半の出展者はブース前で素通りさせている。
この素通りするお客は、素通りしたいと思ってはいない。自社もしくは自分にとって有用であるとか、興味や関心があるとか、価値があるとか、もっと知りたいと思えばこそ、客先のほうから立寄ってくるものである。そのためにわざわざ大勢の見込み客がわんさとやって来ているのだ。
その願望を結実させて挙げねば始まらない。立寄りのきっかけづくりは出展者の必須条件であり、余程のことがない限りお客の方から立寄って来る来場者は居ない。
「ビジネスは、質の高い顧客の多いほうが勝利する」から、競合他社より一人でも多くの質の高い既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード)をブースに立寄らせるかが勝負の分かれ道になる。
その上でのことであるが、情報収集にたいし、主体的・自発的・能動的な強い意識を持った客先が、「次回も来たい」と思うことを大前提に、期待や願望を充たして上げなければならない。
「情報収集」という一見消極的な目的と思いがちと受け止められるかもしれないが、
「自社の将来を左右する決断の、明日から役立つヒント探しという能動的な行動にたいし、実機など現物を見せて、あるいはそれに近い形でお披露目して、「見て聞いて価値に触れて良かった」と実感する対応ができる場は展示会以外にあるだろうか。
商談のように売り急ぎしても、それは単に年間の売り上げの先取りでしかなく、情報収集目的のお客のなかで、一社でも多くの質の高い新規開拓先・見込み客(リード)と出会って、その客先をライバル企業より一社でも多く増やして、市場・業界内での支出配分総額(市場規模)を増大させつつ、集積メリットのシェアリングを通じてライバルに目と鼻の先で勝利する方に利があると思わないか。
需要の喚起・拡大と顧客づくりの場が展示会である。
そこで、展示会にやって来る大半のお客は、一体どのような情報を収集したいと思っているのかを追求しなければ、「来場客のイメージ形成」にならない。
こと展示会であるから、「新しさ」は絶対条件と見ていい。旧来品の展示・陳列であろうが、前回とは違う「新しさ」の提案を必要とされる。
出展企業のことがほとんど判らなければ、企業や対象商品の「信頼性」を確かめたいと思うのは基本中の基本のことである。
これ以外の極めて重要な情報は、大きく2点に分かれるとされている。一つは「自社の課題に対する具体的な解決策」であり、もう一つは、「業界内での相対的な自社の立ち位置」となろう。
それと「情報収集が目的の来場者」は、売り込まれることを警戒しているが、「自分の悩みが解決するか」、「他社はどうしているか」という情報には非常に貪欲である。
そして極めて重要で外せないキーワードは、「個別の見極め」である。
具体的な一例には、以下の要素が挙げられる。
「お客の持つニーズとの整合性」
「他社はどうしているか」
「導入した他社はどのような課題解決のためであったか、事例別にしりたい」
「検討段階で導入他社が一番不安だったことは何であったか。その解決策はどうであったか」
「自社の課題に効くかという切実な検証」
「自社の現場で本当に使えるかという一次情報」
「自社の特有な環境や既存システムとの互換性やカスタマイズする場合にどう組み込めるかの可否」
「自社の実情に照らし合わせての妥当性の検証」
「自社の特有な環境や既存システムの説明にたいしてどの程度の理解が接客担当者にあるか」
「接客担当者は、こちらの要求・要望・自社特有の事情などを理解しようと努めているか」
「それらのやり取りで、波長が合っているか」
「導入を社内で決定するときに役立つ提案書はいただけるのか」
「既に導入済の活用事例や発生した問題点や課題」
「導入にあたって生産性向上に関する実証データは入手可能か」
「導入時に運用する際のリアルな手間および難易度」
「運用イメージの具体性で:、既存の社内システムや実務フローに組み込んだ際、現場の担当者が使いこなせるか」
「業界内の特にライバル企業にたいし乗り遅れていないか」
「ライバル企業との相違点・優位性は何か」
「準備しておいた方がよいと思われるリスクマネジメントの参考例は示せるか」
「導入時に立ち会ってくれるのか」
「導入における所要時間」
「試運転・稼動の実態と留意点」
「どのような失敗が考えられるか」
「稼動していて分からないことが出てきたとき技術者は直ぐに駆け付けてくれるのか」
「技術者の経験度」
「導入後の、ここが面倒という本音を聞きたい」
「導入後に発生したトラブルにたいし、直ぐに対応してくれるのか」
「導入後の体制づくりに必要な機能と役割」
「運用ノウハウを修得するまでにどれくらい日数がかかるか」
「人材育成のサポートとその内容」
「故障時のスピード対応の実態」
「情報の信頼性」
「提供の仕方の信頼性」
「売らんが哉の姿勢が強い企業文化か」
「手ごろな取引価格か」
「説明する社員の雰囲気や、質問に対する回答の早さ・誠実さ・熱意、本気度・顧客ファーストなどの対応と好感度や人間性を見ている」
「将来的に見据えて、パートナーとしてどの程度信頼できるか」
「契約諸条件」… etc.
これで「来場者のイメージ」が少し掴めたかどうか。
そして会期中に「来場者の知りたい本音」に寄り添った対応で、
今度はこちらから訪問して、もう少し客先情報を教えてもらって、
貴社のベネフィット(メリット・便益・利益・期待どおりの満足・恩恵・利便など)を充足でき得る提案をさせていただく機会をつくってくれませんか。
そちらのご都合に合わせますと対応し、名刺交換後、訪問日時をメモ。
米国をはじめとする海外のばあい、商談中心の展開をする場は展示会であるが、日本でそのまま丸ごとシステム導入して業界の雄となったオーガナイザー兼主催者企業が、経済産業省や日本展示会協会でその考え方を定着させて久しいが、実はその考え方は日本においては展示会にふさわしくなく、商談会であるから、商談中心の展開をするのであれば、商談会で呼称を統一してほしい。
日本型の展示会は、
需要の喚起・拡大と顧客づくりを競合他社との共創で、産業の振興を展開し、市場・業界内での支出配分総額(市場規模)を増大させつつ、集積メリットのシェアリングを通じてライバルに目と鼻の先で勝利することで最終着地点を「売り」とするところまでを領域として発展し続けて来た。
2-2. ◆ 来場の目的
2- 2- 1. 展示会に商談あるいは契約目的でやって来る来場客
☑ 商談もしくは契約を目的にやって来る来場客は、自発的にやって来るから、自発的に立寄りたいブースを探す。
購買心理ステップ対策で言えば、
この客先にブースで「注意を喚起する」必要はない。
「興味・関心」も、ほどほど持っていると思える。
では、この「ほどほど」はどのように確かめて、実際に「興味・関心」
段階から次の「理解させ、連想させ → 確認させ → 願望を抱かせ → 欲求度を高め → 記憶に止めさせ」
更に、→ 「比較検討させ → 選択させ → 絞込ませ → 了解させ → 製品と無言の対話をさせ → 見直しと心の整理をさせ → 納得させ → 確信させ、商談行動に押し上げる」 …
この「購買態度変容のステップ」を、
限られた時間内で、どこまで達成可能であろうか。
もちろん相手次第で、客先とコンタクト(接客)して、ヒアリングを行ったり客先の言動で今どの段階のステップを踏んで居るかを
確かめて初めて商談行動のリードが出来るのであるが、
考えて見れば、このアプローチは、
通常のビジネスステージにおける営業活動で意識的に確認しながら行っている接客行動であるが、
事情が違うところは、
こちらから打って出ていないことにたいし、客先を出迎えて行う点の相違がある。
客先が「自発的に」にたいして、こちらは受け身となるこの関係性を高める役割は、小売業の対面販売機能でとなる。
☑ つまり、お出迎えの姿勢と、もてなしと、接客態度など、ブース内での対応の多くは対面販売機能であるが、この機能と役割の適性能力、すなわち知識と知恵とスキルを保持した者が接客担当者に求められる。対応しているか。
☑ そのうえで、2-1. ◆ 来場者のイメージ 2- 1- 1. 一部主催者の企図に日本展示会協会が呼応し、経産省が方向性を示した来場客のイメージの項の後半近くで示した「客先の持つニーズとの整合性」以下の「具体的な一例」にあるように、ブース内で客先が充足する体制を構えておかなければ、始まらないが、策は練られているか。
☑ 既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード: Lead)のこと、既存取引先や新規開拓先・リードの事情、解決したい課題、利用のされ方、その企業の信用度、支払い能力、リスクの有無、決定権者の性格等々、も把握しながら、慎重且つ客先ファーストの誠実さと熱心さで対応することは言うまでもない。訓練などの準備は調ってのことか。
☑ ここで、もう一つ留意しなければならないことに、目と鼻の先で競合他社も出展しているから、この既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード: Lead)はおそらくそこにも立ち寄って、願望を充たそうとするに違いない。勝てる力を備えて、待ち構えているか。
☑ この客先がブースから立ち去るとき、必ず会期後に訪問することになる筈であが、それが、いつなのかの確認、本日の説明の総まとめを伝え、第一回訪問時のテーマは何か。そのために、あらかじめ双方が準備しておくことは、何と何か等々書いたシートやお問い合わせ先のメモなどを封筒に入れて手渡すなど、どのような好印象と再認効果を施してお見送りするかの構想も練られているか。
☑ このような既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード)が会期中に何社(人)ブースに立寄ると思うか。
立寄るのか・立寄らないのかも、いつかも、どんなに大勢の来場者が展示会にやって来ようと、会期中の日時別に自社ブース前を通行する客数も、自社ブースの存在を視認してくれるのか・くれないのかも、肝心の、ブースに立寄ってくれる客数も、どのような客先かも、それが新規開拓先・見込み客(リード)なのかも、自社にとって質の高い客先なのかも、誰も答えられない。立寄り客がブースに入って来ないかもしれないが来るかもしれない。これを証明できる者は誰一人としていない。この不確かなままの待ちの構えで結果が出るとは思えない。
☑ この問題の解決策は、立寄らせる工夫と演出を講じることと、会期前にご招待するしかない。
☑ たびたび触れるワードであるが、肝心なことなのでここでも記載するが、「売上げを拡大し、安定した大きな利益を得て、競合他社に勝利し、マーケットシェア(市場占有率)を高める」ことは、社長から末端の担当者まで営業やマーケティングに携わるすべての者は、寝ても覚めても、片時も忘れてはならないのであるが、この命題達成に適っていない行為をすべきでない。するということは背任行為に当たる。
何故なら、既存取引先や新規開拓先・リードは競合他社にも立ち寄るから、出展の成果は根こそぎそこへ持っていかれる。出展準備から始まって後片づけまでの手間・時間・コストを上回る利益を計上しなければならないのに、投入したすべてと出展で得られるべき成果を他社にプレゼントしている。ブース前に佇むまでもなく、素通りしながら、素通りさせっぱなしの出展者の結果は、惨憺たるもので、社長の顔が見える気がするのは多くの素通り客の認識するところである。企業イメージを高揚をする場で、このありさま … ・
プロフェショナルであるから、「出来ない」とは言えない。課題解決が仕事。解決しなければ仕事しているとは言えない。
☑ 主催者はこの実態を知っていたとしても立場上言えない。オーガナイザーはその立場で何とかしなければならない。やっていないとすれば、これも仕事しているとは言えない。
☑ 出展者の社長も役員も知らなかったでは済まされない。
☑ 他社ブースで立寄り客のある場合の一つのケースは、
その企業は、事前にその気にさせているからと思われる。だとすれば、このタイプの来場客は、他の出展企業が通常のビジネスステージにおける活動でその気にさせたのであるから、そのお客は、その出展者のブースに立寄る目的でやって来ていると言えないか
☑ 立寄り客は、必ずしも一社のみの働きかけからのものではなく、複数の企業がアプローチして下地をつくってのことと思われないか
☑ では、その既存取引先や新規開拓先・リードは、その出展者ブースのみに立寄るか
☑ 「情報取集を来場の目的」にする日本型展示会の場合、商談客が居ないことはないが、僅少であろう。
別項でも触れているが、
主催者が「商談」を高らかに告知したところで、やって来る大半は「情報取集を来場の目的」の客先で、それを含めて来場者総数がいくら多くても、専門展ごとに分散され、どこもかしこも通行客を引き込もうと働いているので、そこでも分散。
☑ 日本型展示会で実施される活動は、「商品、サービス、情報などを展示・宣伝するためのイベント」展開にあって、主力業務を導入目的や取引契約の商談中心としながらも、
「展示会は売りの完結の場ではない」。その環境にはない。
会期は短い。コンタクト(接客)時間も短い。
コンタクト(接客)数は計画に沿って減らす訳にはいかないが
「商談目的」の既存取引先や新規開拓先・リードが会期中に何社(人)ブースに立寄るか不確かな中、
出展者は、立寄りの仕掛けもせずに、チマチマと来るのを待っている。
接客担当者は小売りの対面販売機能も知らない。友好な対人関係をファーストアプローチの冒頭の瞬時の接客対応でキャッチしなければならない。
商品知識は元より、お客の抱える難題に正しく把握し、その解決策を示せる者が接客しなければことにはならない。
☑ 「商談」対応の準備を調えて出展することは言うまでもないことであるが、出展するからには日本型展示会の特性を知らなければそれまでのことである。
第一、会期は短い。コンタクト(接客)時間も短い。
何社(人)ブースに立寄るか不確か、ブース前は通行客は川の流れのように去って行く。
出展者の「いらっしゃいませ。いかがですか」の呼びかけには反発する新規開拓先・リードもある。こうした中、出展者は、大海の中で一本釣りしているような行為で終えている。
☑ このような環境や状況下で、「商談」行動を起こすのであるが、どのような展開構成が収穫の最大化となるかの策を練らねばならない。このテーマは肝心要であるから、決して外してはならない。
☑ 要は展示会出展における「商談」を決して短期決戦型で捉えてはならない。それは狩猟型営業スタイルの事業が行う手口であり、農耕型であることを再認識すべきだ。たびたび繰り返すが、「その場で売り急ぎする行為は生産性が極めて低くなるから得策ではない。その行為は、単に年間販売量の先取りをしているに過ぎない」。
☑ 日本型展示会は、狩猟型営業スタイルの企業の出展には構造上不向きであるが、農耕型に適している。
農耕型であるから、土地を耕し、施肥し、種を蒔き、水を施し、害虫を駆除し、成長を見守り、実ったものに感謝して刈り取る。祝祭はここから生じる。農耕型営業スタイルの事業が大勢の既存取引先や新規開拓先・リードに感謝して、ご招待し、それに呼応した客先が各地からわんさとやって来て、それを出迎え、もてなし、祝祭を共に創造し、既存取引先や新規開拓先・リードが参加するその場が日本型展示会である。
☑ そこで、「商品、サービス、情報などを展示・宣伝するためのイベント」展開にあって、主力業務を導入目的や取引契約の商談中心としながら売り急ぎするから、結果、生産性が極めて低くなるのである。
☑ 展示会は、大勢のお客がわんさとやって来るので、商談を推し進めれば大きな収穫があり、経済効果抜群の結果を出すに軽薄な受け止め方をしたのでは得られるものも得られない。
☑ 日本型展示会への出展は、短期決戦型には不向きである。短期決戦型で出展すれば結果はそれなりのものでしかなく、ROI効果は生まれない。
☑ 日本型展示会への出展は、通常のビジネスステージにおける活動とリンクさせ、「ビジネスサイクル化戦略として通年化のレギュラー祝祭行事を感謝を込めて推進する中期事業計画の一環である。会期前・会期中・会期後・通常のビジネスステージにおける活動のサイクルにおいて、会期後の出展成果を最大化するためのブースは、明日のビッグビジネスに向けての足掛かりのプラットホームであり、そこで行う「商談」行動をどのように考え抜いて活動するかが要諦である。
☑ 蛇足になるが、結果の出ない無限サイクル化の作業を繰り返さないためにどうするかを、社長以下も認識してほしいものである。
2-3. ◆ 来場者総数
2- 3- 1. BtoB開催展示会来場者総数
BtoB開催展示会も来場者がわんさかやって来る。
* 少し古いが、来場者規模別開催件数の参考データ:〈196件〉がある。
10万人以上 31件(15.8%)
5万人以上 ~ 10万人未満 45件(23.0%)
3万人以上 ~ 5万人未満 38件(19.4%)
1万人以上 ~ 3万人未満 56件(28.6%)
5千人以上 ~ 1万人未満 14件( 7.1%)
出典:「展示会データベース 2014 年度版」((株)ピーオーピー)
この多さで安易に、展示会に出展すれば成果は出ると思い込んでいるかもしれないが、そうはいかない。
そうはいかないが、結局、
何よりも重要なことは、開催展示会の最大の評価基準は来場者総数である。
かつて開催展示会は、この「来場者総数」を誇示し公表して来たが、その後、公表しない展示会が増えて来た。
来場者総数が市場規模と比例する観点で言えば、
市場における支出配分総額を年々増大させることが主催者およびオーガナイザーの開催目的であるから、
公表の有無問題はさることながら、開催のつど自己評価すべきで、
その増大する支出配分総額と来場者総数は相関関係にあるから、
少なくとも
出展企業は、
開催展示会選択において、増大傾向は関心を持って考慮することが望ましい。
「ヒトはなぜ集まるか」
の要因の一つは、
多く集まるところに行きたがる
のだ。
その逆に、
来場者総数の少ない開催展示会は
魅力に欠ける
と思って、行きたがらない。
熱気や活況の要因の一つは来場者総数である。
この盛況は、来場者総数が増えるに比例して、自社にとって有益な既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード: Lead)数も増える結果をもたらす。
そこでもう一つ、
来場者総数を増大する役割は主催者やオーガナイザーだと思い込んではならない。
確かに彼らの主要テーマではあるが、
出展者の役割でもある
のだ。
故に、自社にとって質の高い既存取引先や新規開拓先・見込み客リードは、自社が集客し、招待されたお客が自社ブースに立寄る手を打つ。
これが会期前のプロモーションである。やればやっただけの結果を生むが、やらなければ来ない。
来場者総数に出展企業がどれだけ寄与し、貢献しているかである。
自社にとって有益な新規開拓先・リードが欲しければ、出展して熱気や活況に貢献すべきである。
出展力の強化。
そして
こぞって、来場客が次回も是非来たいと思わせたい。
2- 3- 2. 来場者総数は商談目的の出展者にとって展示会価値の評価基準となるか
広告のメディアに、例えば TVの視聴率や、新聞や雑誌の発行部数のサーキュレーションがあるのと同じように、
展示会の来場者総数は、展示会価値の評価基準
となっている。
展示会価値の高さの一つとしてである。
この意識が働いたため、水増しして結果発表する主催者が多くあったため、かつて複数人の展示会推進者たちによって、海外の見本市や展示会の評価基準に合わせるため、
来場者数のカウント規定などの作業が進められた。
この
展示会価値の評価基準の見直しに当たっては、
国際見本市化推進を踏まえて、海外展示会の基準に合わせる必要性が出てきた。
特に国際見本市を日本国内外で開催しようとするとき、海外企業の出展があるから、海外で開催される見本市の評価基準と見比べるであろうことから、日本の国際見本市の基準の定義は、ひたすら合わさざるを得ないのは当然である。
たとえば、ドイツでは展示会をドイツ営業法という法律で大きく「Messe」と「Ausstellung(独語:アウスシュテルング)に区分けして用いている。
「Messe」は、専門業者限定の見本市。主として見本により、営業として再販売をするもの、産業用に消費するもの、もしくは大口消費者に販売するものが対象であると言われている。
これに対して、「Ausstellung」は、商品等の宣伝と即売や販売促進のための情報提供中心の展示会であるが、
日本で開催される国際見本市は、同一スタイルの販売や契約を成す商談中心の海外見本市との対比となる。
☑ 海外企業に働きかけて日本で開催される国際見本市に出展してもらうとき、販売や契約を成す商談中心を標榜しながら、実質来場するお客は、
情報収集目的でやって来ている実態を海外出展者に伝えきっているのだろうか。
それとも、日本で開催される国際見本市が、ドイツで言うところの、「Ausstellung」の来場客とプロフィールは類似していると伝えているのだろうか。
海外見本市との対比などが検討されて、展示会価値の策定となったが、それは国際見本市化を基底となったことは経済産業省の『展示会産業概論』 https://www.nittenkyo.ne.jp/other/document/H2603_gairon.pdf に色濃く反映されたように、日本で開催される展示会は、国際見本市をはじめ、引合いや契約など商談目的の来場客が販売や契約など商談目的の出展者とビジネス・マッチングする場となることで展示会価値が高まると位置付けた。
では、冒頭申し上げたように、一方の展示会価値であるところの、来場者総数を、開催のつど高めることと齟齬が生じないか、という問題がある。
会期中、引合いや契約など商談目的の来場客と販売や契約など商談目的の出展者がコンタクト(接客)できる数は極端に少なく、
来場者総数は、何千、何万も必要としないからだ。
☑ それでも来場者総数を高めるには、どういう意味が隠されているのか。
2-4. ◆ メインターゲットのアカウント 2タイプの割合
2- 4- 1. メインターゲットのアカウントの割合
開催展示会個別のデータは、各主催者に問合わせると概ね判明するが、今のところ
日本で開催されているBtoBタイプの展示会の、来場者総数の平均は 25,000人
である。
この来場者総数25,000人は、会期が三日間でのことであるから、一日当たりの来場客数は、大雑把に言って8,333人。
BtoB開催展示会にやって来るお客の内、単純平均で
商談行動や商談予定行動を起す目的の来場客はおよそ全体の 10%(2,500人)くらい
で、
情報収集目的の来場者は、およそ80%(20,000人)。
そして
花見客10%
で構成されてやって来ているようである。
話を分かり易くするために、この数値をベースにして試算を以下次項「2-5. ◆ ここまでしか来場者数の追跡分析は読めない」
で、進めてみたい。
2-5. ◆ ここまでしか来場者数の追跡分析は読めない
2- 5- 1. 来場者数の追跡分析で読めるのはここまで
目的を抱えてやって来る来場客は、平均総来場者数 25,000人の内の、22,500人(90%)がターゲットアカウントとなる。
会期三日間での、商談目的の来場客は 2,500人。情報収集目的の来場客は 20,000人。
商談目的の 2,500人の一日当たりは、833人。情報収集目的の 6,667人(20,000人÷3日間)の合計の、およそ7,500人が一日当たりのターゲットアカウント者数となる。
しかし、この一日7,500人の
目的を持ってやって来る来場客が、個々の出展者のターゲットアカウントとはならない。
何故ならその来場者は、会場の入り口に入ると、 カテゴライズされた およそ7 ゾーンくらいの専門展に分散されるからだ。
1 ゾーン一日当たりの目的を持ってやって来る来場客は、1,070人(7,500人÷ およそ7 ゾーン - 1人)。
個々の出展者は、このゾーンの一つの立地にブース(小間)を設置することから、出展者は、この、1,070人を
ターゲットアカウントとして、競合他社を含むゾーン内出展の企業で分け合う(奪い合う)。
言い換えれば、
専門展ゾーンは、出展者にとってのターゲット市場の商圏である。
専門展ゾーンと専門展ゾーンが、五輪のシンボルマークのようにクロスする箇所の中に、新たな市場が形成されるとすれば、
ゾーンは幾重にも増幅するであろう。
いずれにしても、
この
商圏にブースを構え、ビジネス展開する
のであるが、会期(3日間)中のターゲットアカウント3,210人(一日当たり、1,070人×3日間)は、来場者総数25,000人の13パーセントでしかない。
これをマックス(maximum)に出展の目的と目標を達成することになる。
カテゴライズされた 7 ゾーンくらいの専門展に分散される一日当たり商談行動や商談予定行動を起す目的のターゲットアカウントは、833人(2,500人÷3日間)÷ 7 ゾーンで見ると、一日当たり 119人であるから、
大雑把に言って一時間(60分間)当たり15人(119人÷8時間)、10分間当たり 2.5人(15人÷6)であり、
一日当たり情報収集目的のターゲットアカウントは、6,667人 ÷ 7 ゾーンで見ると、一日当たり 952人であるから、
単純計算で、
一時間(60分間)当たり 119人(952人÷8時間)、10分間当たり 20人(119人÷6)が、コンタクト(接客)目標と試算できる。
おそらく、10分間当たりの商談行動や商談予定行動を起す目的の 2.5人と20人の報収集目的の、ターゲットアカウントに対しアプローチして成果(目的・目標)獲得の展開を行い、展開ごとに競合他社と勝負し、展示会で得られる成果を分け合う
ことになる。
だが、
試算例として算出はしたが、実際はこの通りにはならない。ゾーン数も違ってくるし、単純にゾーン数で割ることが妥当であるか、もある。
しかも、
自社ブース前にやって来るのかもしれないが、来るとも来ないとも断言できるデータはない。
主催者側が、開催のつど調査し公表しているなら別の話だが、
来場者数が読めるのはここまでで、出展ゾーン(商圏・商勢圏)に雪崩れ込んだ以降は、数的にまったくわからない。
わからない状態で、会期(3日間)中、ターゲットアカウントとして、
企画・計画したブース展開を実施し、出展成果(目的・目標)を出す
ことになるのであるが、
「およそ」・「大雑把に言って」・「 … のかもしれない」・「数的にまったくわからない」・「試算できる」・「おそらく」と前置詞を置いて説明したように、
ブース前にやって来る客数は全く読めない。誰も読めない。しかも、自社にとって質の高い客先かどうかもわからない。
ブースに立寄るのかもわからない。暗中模索の状態での作業を余儀なくされての、手探りでやるしかない。
ここで、
重大なこと
に触れなければならない。
それは、
「短い会期の短いコンタクト(接客)時間内で、
短いが故に、
自社にとって質の高い既存取引先や新規開拓先・リードと、彼らへ創造的・有効的・効率的な対応」である。
これが具体的に講じられていなければ、水の泡である
が、この
「自社にとって質の高いターゲットアカウント」がブース前にやって来るのか、いつ何人居るのか、コンタクト(接客)出来るのか、終始、なんぴと(何人)と言えど、わからない。
わからない中で、出展成果(目的・目標)を出さなければならない。
投入した手間・時間・コストを上回る利益を、である。
出展成果(目的・目標)の出来・不出来は準備次第である。
☑ この不確かで、不安定な環境下で、引き合いや成約の見込みを得る商談に専念する目的の出展スタイルで、結果が、計画どおり出るのだろうか
☑ 出展企業は、企画・計画段階でこの種の算出を行って、これなら行けると確信をもって、出展実施し、報告しているのだろうか。
経営陣は、どこまで事実・実態を見据えてマネジメントしているのか。
2-6. ◆ 来場者総数を増大する者
2- 6- 1. 主催者やオーガナイザーが来場者総数を開催のつど増大させる理由
来場者総数に占める引合いや契約など商談中心が来場目的の既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード: Lead)客数は、出展者にとっては、初期計画を達成するに十分な客数であれば最低それだけで良い。それ以上は、接客担当の員数やスペースの限度などもあるから、
何万、何十万と来場者が居ようと、商談中心の出展者にとっては、会期で得られる成果にふさわしい適正の客数を確保すればよいだけのこと、と思うのかもしれないが、
主催者やオーガナイザーは、その適正客数の何倍もの来場者数の招待にこだわりを持っている。
それは、
出展者が短い会期のなか、生産性の高い環境で最大の成果(目的・目標)を得るために不確か要素が多過ぎるだけに、カバーに十分な来場者数の多さは必要不可欠なのである。
このため
主催者やオーガナイザーは、開催ごとに、来場者総数増大にチャレンジする
のであるが、
果たして確保できる裏付けはあると言えるだろうか。曖昧なままの状態で出展して、既存取引先や新規開拓先・リードがサッパリ来なかった場合、彼らの所為にして、それで終わりにして済む問題か。
「2- 5- 1. 来場者数の追跡分析で読めるのはここまで」の項で触れたように、「誰もわからない」ことであるから、彼らは責任の取りようはない。故に責めることはできない。何のために出展したのか。誰のためにか。結果が出なかったで済むのか。むしろ実施担当者としてどのような責任を取るのか。
では、どうするか。
答えは一つ。
2-7. ◆ 開催展示会選択基準のひとつは質の高い来場者総数
2- 7- 1. 質の高い来場者を大勢招く開催展示会に出展すればこそ
ここで云う質の高い来場者は、云うまでもなく自社にとってのであるが、この
「質の高さ」をどう捉えるか。
「ビジネスマッチングして、安定した大きな利益をもたらしてくれて、他の顧客の模範的かつ好影響を及ぼしてくれる得意先およびその可能性の高い見込み顧客」と言える。
「ビジネスマッチングして、安定した大きな利益をもたらしてくれて、他の顧客の模範的かつ好影響を及ぼしてくれる得意先およびその可能性の高い見込み顧客」を探し出さなければならない。
「ビジネスマッチングして、安定した大きな利益をもたらしてくれて、他の顧客の模範的かつ好影響を及ぼしてくれる得意先およびその可能性の高い見込み顧客」を探し出すため、である。
「ビジネスマッチングして、安定した大きな利益をもたらしてくれて、他の顧客の模範的かつ好影響を及ぼしてくれる得意先およびその可能性の高い見込み顧客」の要件定義を行い、発見のための条件を、セールスのシナリオに組み込んでおく。
「ビジネスは質の高い取引先の多い方が勝利する」。「売上 = 単価×客数」の「客」である。
展示会に出展してビジネス展開してダイレクト・コミュニケーションでコトを進めるに当たって対象とする客先の中で、「絞り込むのがブース展開での仕事」となる。
その意味で、
出展者にとって優れた開催展示会は、「自社にとって質の高い既存取引先や新規開拓先・リード」に向けて主催者が開催を告知して集客されることが
大きく成果に影響するから、極めて有効であるから、告知内容は出展者にとって最大の関心事になる。期待に沿った告知・集客を行っているかのチェックは厳しく捉える必要がある。
つまり、
主催者の告知・集客のコンテンツとコンテキ(ク)ストは、期待に満ちたポテンシャルを感じとれるかを分析することが求められる。
しかし、展示会を開催するに当たって、多くの企業に出展を要請する立場の主催者が、まさか一社のために為すこともなければ、多くの出展者個々にとってそれぞれ充たす質の高い既存取引先や新規開拓先・リードに告知・集客を実施するはずもない。
であるが、少なくとも主催者の告知・集客のコンテンツとコンテキ(ク)ストには、強い関心を持ち、
仮に期待薄であれば、「質の高い既存取引先や新規開拓先・リード」の立寄り客数はそれなりと認識せざるを得ないのであるが、そのような状態で出展して、願望は達成できない可能性が高いだけに、他人任せにはできない。
ではどうするか。
決して不確かな状態にしたまま出展してはならない。
2-8. ◆ 来場目的別客数
2- 8.- 1. BtoB取引や契約の商談目的の来場客は、何パーセント居て一日当たり何社とコンタクト(接客)ことになるか
来場者の 10 ~ 15 パーセントくらいが商談行動や商談予定行動を起すことを目的にやって来ていて、残り 85 ~ 90パーセントくらいは情報収集が来場目的で、その 95パーセントくらいの人は自分が欲しいものをイメージすら描き切っていないと仮定したとき、
来場者総数 67,000人の内、6,700人が商談行動や商談予定行動を起す
ことが予想される。
出展者は、「これだけ居れば十分だ」と思ってはならない。
ターゲット 6,700人は、おおむね 7分野で分散する。
6,700人÷ 7分野 = 1分野( 1専門展) 957人。会期 3日間である場合、一日当たり 319人が、1専門展の対象商談目的での来場者となって会場内を対流して、自社ブース前を通過していることになる。
出展者総数は約 1,400社であるから、これも単純加重平均で割ると、1分野( 1専門展)当たり、広く捉えるところの競合他社は、200社が 1専門展内にひしめき合っている。この 1分野/ 専門展ゾーンにほぼ共通の客先が一日当たり 319人が存在する計算になるが、
自社出品対象商品(製品・技術・システム・サービス)にとっての直接的なライバルは絞られるから、商談対象数は、実質は 319人よりも少ない既存取引先や新規開拓先・リードが、商談目的の対象のターゲット・アカウントとなる。
この人数の客先が自社ブース前を通過していると思われるのであるが、319人を分母として前項で触れたように、97~ 98%のブース前素通り率を発生させている点で言うと、引合いや契約の商談目的の来場客をブースに立寄らせ、コンタクト(接客)できる対象の見込み客数は、
一日当たり 10(319 - 309.4) ~ 6(319 - 312.6) 社くらいの商談目的の対象客しかブースに立寄らせていない、ことになる。
この中には、説明を聞いただけで離脱する客先も、競合他社の回し者も含まれていると推測する。
一日 8時間、接客担当者をはじめ関係スタッフが配置に着いている。この会期 3日間のために、何か月も前から、企画し、体制を組んで打ち合わせを重ね、準備し、関係スタッフ全員ブースに 3日間拘束 ・・・
来場者総数 67,000人。一日 22,333人の来場。やはりわんさかである。だが、引合いや契約を企てて出展者の約 1,400社の実質は、一日当たり10~ 6社くらいのことで終わっていると言えないだろうか。
来場者総数 67,000人の30パーセントくらいが商談目的来場客のBtoB展示会であったとすると、
20,100(67,000人 × 30パーセントくらい)人が会期中のターゲット総数。
ターゲット 20,100人をBtoB展示会は、おおむね 7分野で分散する。
20,100人÷ 7 分野 =1 分野(1専門展) 当たりの商談対象者は 2,871人。会期 3日間の商談対象数であるから、一日当たり 957人が、1専門展の対象商談目的での来場者となって会場内を対流して、自社ブース前を通過していることになる。
この一日当たり 957人を 200社が
シェアリングしている
ことになるが、
ブース前素通り率、97~98%
で計算すると、
29-19人(957-928 ~ 957-938)人くらいと商談となる。
出展者総数は約 1,400社であるから、これも単純加重平均で割ると、1分野(1専門展)当たり、広く捉えるところの競合他社は、200社が 1専門展内にひしめき合っている。この 1分野/ 専門展ゾーンにほぼ共通の客先が一日当たり 319人が存在する計算になるが、
自社出品対象商品(製品・技術・システム・サービス)にとっての直接的なライバルは絞られるから、商談対象数は、実質は319人よりも少ない客先が、商談目的の対象の既存取引先や新規開拓先・リードとなる。
このような面から言って、
来場者総数 67,000人のBtoB展示会で商談中心型に出展した企業は、来場者総数を展示会価値の評価基準と見るだろうか、の疑問。
結果が思わしくなかったとき、来場者総数が少なさ過ぎるとか、来場者の質が悪すぎると愚痴をこぼさないだろうか、と早合点しないだろうか。
2-9. ◆ 主催者のつくる会場スペースマネジメントと客足の変化
2- 9- 1. 客動線・強制動線・ホットスポットの影響で客足が変わる
会場の入り口の数と、位置および主要通路の幅と、長さとたどり着くホットスポットあるいは、専門展の配置やブース構成と、それに絡む通路の設計等々のフロア・プランが、客動線に影響して来場客は動く。
来場者全員が通過するスポットも考えにくいし、来場者の来場目的でも通行路が変わるのであるから、
「来場者総数とブース前通行客数は比例しない。それ故、自社のターゲットアカウントである見込み客数とも比例しない」
と捉えて間違いない。
来場客の大半は、目的を持って事前に下調べして、立ち寄る幾つか出展ブースを特定していることもあるから、それによっても動線は変わる。
しかも、開催展示会の会場構成は、「専門展」などカテゴライズされていることから逆に見ると、自社メイン出品商品関連ゾーンと自社ブースの設置位置の立地条件がどうであるかや、主要出展者ブースとの関係性などを見て、ブース前通行客数を推し量ることになるが、合わせて、時間的な強制動線が働く主催者の催す催事(セミナーやイベント)や、集客力の強いスターブース企業の開催イベントなど、会場内におけるホットスポットが、どの箇所にあって合計何か所になるか。
それらによって究極、ブース前通行客数は変化する。
このように動線は様々な要因によって変化するから、左足を軸足にして心臓を守るように右足で舵を取りながら時計の針と反対方向に動くという説は展示会には当てはまらない。
そこで問題は、来場客の総数が多かろうが、動線がどうであろうと、自社出展ブース前に自社にとって質の高い既存取引先や新規開拓先・リードが何人(社)くらい足を向けてくれるか
… は、気になるものである。
例えば、一日を10分間単位で刻んだとして、出品メイン商品(製品・技術・サービス)を10分間に何人(社)やって来てくれれば計画(願望)通りのコンタクト(接客)ができると読み込んでいるか。
となれば、単純に来場者総数が多いから、ブース立寄り客数も多いとは言えない。
もちろん、商談が主目的の来場客や、純度の高い招待客の動きは、上の例題で示した行動パターンには当てはまらない。
2-10. ◆ 出展者ブースの立地条件
2- 10- 1. ブースの立地条件
開催された展示会に出展してブースをその一角に参加するに当たって、なぜ展示会かを考えることで「ブースの立地条件」がどのような役割を果たすのかが見えて来る。
単なる商談会場でない視点を汲み取らないと、「出展の意義」が見えて来ないし、「ブースの構え方」も「どこで実施か(ブースの立地)、「それは何のためにか」が明確化されにくい。
それには先ず、「ヒトは何故集まるか」がキーポイントであることに気づく。
すると、単に店を構えるとかショールームを置くとか、短期決戦型販売戦略を展開する商談の場程度のものではないことを知らされる。
通常のビジネスステージにおける活動は、こちらから客先に出向いて行くが、出展はその逆となる。これが先ずポイント。
主催者やオーガナイザーが「商談して販売量を増大させよう!」と告知した結果、その会場に初日からわんさとやって来るのは、「具体的な商談行動や商談予定行動は取りたくない」と思っている「情報収集が目的」の85 ~ 90パーセントの来場客」で、呼びかけに反応しないのは、彼らが主体的かつ自発的、能動的になっているからだ。この事実を考慮しなければ、しくじる。
「基本、ヒトの行動は変えられないものである」
だが、そのヒトの行動は変えようとするのが、展示会である。何を以って変えるか。
端的に言って、そこは、若者が「街」に惹かれ、仰がれて多く集まって来るのと同じで、毎日が新しく変化がみられるからだ。だから「ヒトは何故集まるか」の答えをそれに見出せる。
この観点で、展示会は正に、「新しい街に似た魅力的な明日を知る市場の形成」と「祝祭」を混合して創造されている」と読み取れる。そこに出展して拠を構えることになる。
拠を構えるそこは、祭りや祝い事に見られる「非日常的な高揚感」、「集団の一体感」、「儀式的な慶び」を指し、日常から離れ、人々が集い、感情を共有して盛り上がる空間や時間を特徴づける。
その場で、短い時間が故に希少で特別な空間とし、そこで、日頃のご愛顧に感謝して、新しい息吹を吹き込んでお披露目する商品との出会いを寿ぐ、これがこれまで多くの先人が築いて来た日本型の「商談会まがいでない展示会の基本の姿勢である。
そして向かい入れる出展者は、「ご招待する」スタンスで臨むから、接点が見い出せるのだ。お出迎えし、もてなし、お披露目の商品と出会いに共に慶ぶ。共に、のそこに、お客が参加する。結果、学習効果が高まり、一層理解し、了解し、納得すればこそお客の購買心理は頂点にまで高まって行く。「ファン創り」である。これをブースおよびブース展開の下敷きにして構成し、ブースパフォーマンスのシナリオを描く … 。
そこ(開催される展示会)では、新たなコンセプトとそれに沿ったテーマで、市場、際、業界でくくられた最も新しい明日の市場の縮図が創造され、躍動し活性化していて、やって来た既存取引先や新規開拓先・見込み客(リード: Lead)はそれを知る。
あちらでも、あそこでも、ここでも、新しいい生命を吹き込んでお披露目された商品の現物からの息吹と価値を来場客は眼に焼き付ける。これをわんさとやって来た「情報収集が目的」の85 ~ 90パーセントの来場客」は、随所に肌で感じ取ることとなる。
このような展示会を主催者と出展者の共創で創り、そこに既存取引先や新規開拓先・リードが参加する。正にこの体験は、通常のビジネスステージでは味わえない。
短い会期の特定の会場で、日常から離れ、人々が集い、新しい魅力で形成された明日を知る希少で特別な、熱気に溢れた非日常の商空間で、
既存取引先や新規開拓先・リードは高揚感で上気し、儀式的なもてなしに慶び、集団の一員として一体感の感情を共有して盛り上がる。そして、示された明日にお客の関心事となりストレートに力強くフィットする。
その祝祭的に創造された空間や極めて短い時間のなかから、ビックな成果へと発展するこれに寄与し、貢献するために出展者は、そこに拠(ブース)を構える。
さてそこで、開催される展示会は、「一つの新しい市場」が現出され、おおむね複数の専門展が構成されている。
顧客ニーズ密度の濃い来場客はその全体構成を俯瞰し、向かう方向を定め、このそれぞれのゾーンに向けて会場の入り口から新しい情報にふれることに熱心な来場客が雪崩れ込む。道幅の広い主要通路を利用して脚を向ける。
ゾーンごとにもコンセプトが構成されていて、主催者が来場者に訴求するテーマや訴求点が表現されていて、それぞれのターゲットアカウントが分散し集まるそこは、云わば「非日常の商圏」。
祝祭に伴う祭事に対しての催事から展示会は、イベント性をフルに活用し、単なるお祭り騒ぎではなく、あくまでもビジネスであるから、基調はセールスイベントで。
日常的でないことにしなければ、短期間の会期の短いコンタクト(接客)時間内にお客の心を鷲掴みできないからだ。だから出展者ブースも「非日常の商空間」に。
来場客は、その「空間」に興味・関心を持って回遊し、お目当ての相手探しをし始める。
し始めるのであるが、主催者は、より効果的にと、「スペースマネジメント」の観点で様々な仕掛けを施している。
会場の入り口、出口、道幅の広い主要通路、主要通路の取り方、アベニューの工夫と演出、通行客の肩が触れない程度の道幅の通路、通路幅、客動線・強制動線、主要通路を考慮してのフロアプランの工夫と演出、丁字路角地、丁字路、四つ角通の角地、基礎小間の配置、背割りなど、専門展ゾーンの周辺には、会場内設置のセミナー会場やイベント会場あるいはト、スターブースでのイベントなどのホットスポットでのシャワー効果、逆のコールドスポット対策、休憩場や飲食コーナーetc. …
出展者は、スペースマネジメントされか会場内の商圏を為す専門展ゾーン内に拠を構えるのであるが、立地選びができる場合は、
専門展内で、自社の強みと顧客の探索行動に合わせて選定することが基本の位置となる。
メイン通路沿い・角小間は、商圏の「中心」または「主要幹線道路」に相当。会場入口から続くメイン通路や、セミナー会場・休憩コーナーへ向かう動線に面した角地(一等地)。これは、商圏内で最も交通量が多い「交差点」を確保する考え方で通行量が多く、最も視認性が高い。新規顧客の獲得(リード数)を最大化したい場合、あるいはブランド認知を高めたい場合に最適。
ゾーンの入り口付近は、ゾーンに入ってきた来場者が最初に目にする。云わば「商圏のゲートウェイ(玄関口)」的意識が高い来場者に早期にアプローチできる。
集客力の高い大手企業(スターブース)の近くや、その企業に向かう動線上に配置。これにより、大手を目的に来た来場者を自社の商圏内に引き込むことが可能に。
ゾーン内での相対的位置は、専門展ゾーンの中でも、入り口に近い「フロントゾーン」は一見客(新規)が多く、奥まった「バックゾーン」は目的意識の高い層が集まる傾向がある。自社の目的が「認知拡大」か「深い商談」かによって使い分ける。
当該ゾーン訴求テーマの核となるエリアは、その専門展で最も注目されている技術やソリューションの近くである。情報感度の高い優良顧客が集中するエリアと言える。
あえて選択して競合他社の隣・近接場所は、ターゲットとなる客先が確実に集まる。「集積効果」の活用。自社技術が競合より優位性がある場合、比較検討の土台に乗りやすく、質の高い展開が期待できる。
会場の入り口の正面に立地したブースは、視認性が高く、大勢の来場客が黙認できるが、果たしてそこが有効であるかという疑問はある。
上記に表記した箇所も、同様に言える。逆に素通りされたり、分散する可能性を秘めている。
そこで重要な立地条件の要点は、
「通行量(顧客の数)」×「視認性(メッセージの密度)」×「ブースへの吸引力(デモンストレーションやセールスイベント・紹介促進を期待できるように新規開拓先・リードを新規取引先にする手段のデレゲーションやマーケティングセールス等)」の掛け算で立地と運営を計画することが肝要で、この組み合わせが、ブース立地における成果最大化の鍵となる。
2-11. ◆ 「立地競争」と「立地価値」で来場者数は影響される
2- 11- 1. 会場入り口から入った客足の辿る先の「立地競争」と「立地価値」で来場者数は絞られる
会期三日間で3,210人(一日当たり、1,070人×3日間)のメインターゲットのアカウントは、実際に自社ブース前を通る客数とはならない。
会場内に入り口から入ったのち客足は、主要通路から主催者開催のシャワー効果を生む仕掛けのイベント会場やスターブースの新製品お披露目などのホットスポットへの強制動線に影響され散って行く。
客足は、専門展の配置やブース構成とそれに絡む通路の設計等々主催者のフロアプランが客動線に影響し、更に来場者は、会場内の様々な立地によって「立地競争」と「立地価値」を生じさせ、結果、自社ブース立地周辺への来場者数は、それなりに減少することは確かであるから、主催者が公表する来場者総数の多さに惑わされる訳にはいかない。
もっとも、
立地によって集客力が変化することから出展者にとってブース(小間)の立地は、成否を分ける重要な要素である
点において、先例で触れた主催者任せにする訳にはいかない問題でもある。